理解しておきたいバランストレーニングの意味と実践について

スポーツ選手であれば一度は耳にしたことがあるバランストレーニング。イメージとすれば不安定な半円型のドームの上に乗ってバランスをとろうとする。これがうまくできる選手はバランス能力が高いと言われます。

果たして不安定なところでバランスをとることでバランス能力は高くなるのでしょうか?

今日は理解しておきたいバランストレーニングの意味と実践についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

 

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バランストレーニングとは?

バランストレーニングとして最近では、レジェントと呼ばれるスキー日本代表の葛西紀明選手がトレーニングとして取りいれている、スラックラインと呼ばれる1本のゴムひものようなものの上にバランスを保ちながら、さまざまな動きを行うというトレーニングがよく紹介されています。

このトレーニングは揺れ動くひもの上でいかにバランスを保てるかということが重要のようですが、このようなバランストレーニングは競技選手にとってはどのような効果が期待できるのでしょうか。

ここからはバランストレーニングについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。

そのためにバランス【balance】ということについて一度整理をしておきましょう。

■バランス【balance】とは?

釣り合い。均衡。また、調和。

コトバンクより引用:バランス

一般的に言われるバランストレーニング

スラックラインもそうですが、一般的に言われるバランストレーニングとは、不安定なところでいかにバランスを保てるか、というトレーニングを行うことでバランス能力が向上するのではないかと言われ、実践されています。

そのようなトレーニングを行うことでバランス能力が向上すると理解されています。

整理をすると、一般的に言われるバランストレーニングとは、不安定なところでバランスを保つ能力と言われています。

本来のバランストレーニング

本来のバランストレーニングは、安定したところでいかにバランスを保てるか、という能力と理解しています。ただこれだけでは言葉足らずになってしまいますが、目的に応じて内容は変化すると思います。野球選手などのスポーツ選手に必要なバランス能力はこのバランス能力ではないでしょうか。

安定したところでいかにバランスよく立てるのか、そういったことが必要で不安定なところでバランスをとるのがうまかったとしても必ずしもバランス能力が高いということはではないということです。。

また不安定なところでいくらバランストレーニングを行っても、安定したところでのバランス能力の向上は見られません。トレーニングには特異性の原則と言われる、行ったトレーニングにそってのみ結果が得られるという原則があります。

これを考えると、目的に合わせて方法を選択していく必要があります。

バランストレーニング

 

バランストレーニングの目的を明確にすることで方法が決まる

バランストレーニングを行う上で整理しておかなければいけないことは、どのような目的があるのかということです。

野球選手のような陸上で行うスポーツの場合と、サーフィンのような海でするスポーツではそれぞれ必要とするバランス能力は異なると考えられます。どのように考えてバランストレーニングを行えばいいのでしょうか。

野球選手の場合

野球選手投手で考えてみたいと思いますが、野球というスポーツは安定した地面の中で行われるスポーツですので、そこで必要なバランス能力とは、安定した地面でバランスがとれることが必要になると思います

軸足に体重を乗せたときに、足の外側に体重がかかってしまうとエネルギーの方向が上方に向いてしまい、投球したボールは高めに浮いてしまいます。

バランストレーニング

またバランスがとれていないとプレートをうまく押せず、力のないボールになってしまうこともあります。

投手の場合、片足できちんと立てるバランス能力が必要になり、このバランス能力を向上させるためにバランストレーニングを行うことになります。

では、片足できちんと立てるようになるためには、バランストレーニングをどのように捉えて行っていけばいいのでしょうか。

バランストレーニングを行う上で重要になるのは足裏の感覚です。足裏のどこに体重支持ポイントをおけばバランスよく立てるのか、このことを理解する、理解させる必要があります。

 

バランストレーニングを行う前におさえておきたい足裏の感覚について

バランストレーニングでは足裏の感覚が重要だとお伝えしましたが、なぜ重要なのでしょうか。

バランスよく立つためには、地面に接する足が重要な役割を持っていますが、まず想像していただきたいのが、人間の形をした模型をイメージしてみてください。この模型を立たせるために、もし足が細い棒のようなものになっていると立たせやすいでしょうか。

人間と同じ足の形をしたものと比べるとどちらの方がバランスよく立たせることができるでしょうか。答えは後者になります。実際にこれは人間でも言えることですが、バランスよく立つためには、足裏全体で体重を維持する方がバランスよく立てます。

できるだけ広い面積で地面を触れ合っている方がバランスはとりやすい。

ランニングなどをする方にとっても大切で、足裏全体で体重を支える、地面からのストレスを受けることでそのストレスは脚の筋肉全体へと分散されます。そうすると局部へのストレスは軽減され、痛みにつながることがありません。

そういった意味合いでも、足裏全体で体重を支えることでよくバランスがとりやすくなると考えています。

足裏全体で立つためにはどうすればいいのか?

次に出てくるのが足裏全体で立つためにはどうすればいいのかということが出てきますが、シンプルに足裏全体で立とうとすれば立てるのでしょうか。

もう少し踏み込んで考えないといけませんが、足裏全体で体重を支えるためにはワンポイントで十分です。そのポイントというのが、脛骨の真下、という表現になります。一般の方は???だと思いますので、イズログで何度も登場しているこのポイントをご覧ください。

マルカルドの体重分布図

この赤い部分になりますが、言葉で表現すれば、踵と土踏まずの間辺り、内踝の真横辺りとなります。少し言葉だけで理解するのは難しいですよね。

ただ、イメージとして持っておいていただきたいポイントです。

なぜこのポイントが重要なのかというと、足裏のかかる体重の割合があるという考え方があり、この考え方を参考にしています。どういうことかというと、次はこちらの画像をご覧ください。

 体重分布

この数字は、上の画像のポイントに体重を乗せることでこのような比率になると言われています。合計で50%で両足で100%になります。

この割合が体重を支える際に、身体の構造上自然と言われる割合になっていますが、この割合になると足裏全体で体重を支えられていることになります。この割合にすることで足裏全体で立つことができ、バランスよく立てることになります。

よく言われる母趾球で立つということ

ここで少し考えてみたいと思いますが、よく立ち方を説明する際に「母趾球で立ちましょう。」ということを聞きますが、もし母趾球で立とうとするとこの割合は変わり、母趾に比率が高くなっていきます。

そうすると、足裏全体ではなくポイントで立つようになってきます。また先ほどの模型のイメージで言えば、つま先に体重がかかることで人間の身体は前に傾きます。この傾いている状態は、バランスがとりやすい、バランスがいい状態と言えるでしょうか。

つま先重心

わかりやすく極端な状態をとっていますが、実際にこのような状態に近い状態で立とうとしています。まっすぐに立つことができれば、頭部や上半身の重みなどは、内踝の真下にかかり、それが脛骨の真下、先ほどの赤いポイントの位置になります。

体重支持ポイント

積み木を重ねるようなイメージで骨で立つような感覚で立つことになりますが、母趾球で立つということはバランスのとりづらい状態になると思います。

バランスを良くするために、足裏の感覚を磨く

ではここからは足裏の感覚について触れていきますが、先ほど説明した体重支持ポイントですが、脛骨の真下(赤いポイント)にすることで足裏全体で身体を支えることができるとお伝えしていきました。

ただ、ここで問題になるのがどのように感じるのかということです。現場でも感じていますが、僕の場合、仕事で身体と向き合っているため感覚というのは一般の方よりも優れているところがあります。ですので、体重支持ポイントもわかりますが、一般の方はそれを感じるのが難しい。

そのためまず行っていくことは、足裏を感じることから始めます。もちろん一般の方でも言葉で説明すればすぐに理解できる方もいますので、その方の場合、ここは省いて読んでいただければと思います。

足裏を感じれるようになるためにはどうすればいいのでしょうか。それは、さまざまな刺激を与えることです。具体的には以下のようなことになります。

青竹

これは100円ショップで購入したものですが、健康グッズのコーナーに置いています。このような青竹を踏んで足裏に刺激を与えていきます。

砂利

不揃いの石の刺激は強烈ですが、このようなものを裸足で踏んで足裏の刺激を与えていきます。

砂浜の砂でもいいですし、グランドの土でもいいと思います。こういった柔らかめの刺激も与えていきます。

これらのことから得たいことは、さまざまな刺激を足裏に与えることで感覚が良くなり、体重支持ポイントを理解しやすくなるということです。

ですので、上記の例以外にも何でもいいわけです。重要なことはさまざまな刺激を与えるということです。手で足裏を揉んでもいいと思いますし、叩くのもいい。それは刺激を与えることだからいいわけです。

このように刺激を変化させていくうちに足裏の感覚が良くなり、この感覚を感じれるようになって具体的なバランストレーニングに入っていくという流れになります。見方を変えれば、こうやって足裏の体重支持ポイントを探っているということ自体がバランストレーニングになるのかもしれません。

この体重支持ポイントを理解できれば次はバランストレーニングに入っていきます。

 

バランストレーニングの方法について

バランス能力を向上させるためにはどのようなバランストレーニングを行えばいいのでしょうか。

ジャンプストップ

  1. 足を高幅ぐらいに開く
  2. その場でジャンプをし、フラットに着地をする

バランストレーニング バランストレーニング バランストレーニング

非常にシンプルですが、体重支持ポイントを理解するまではフラットに着地をするのが難しく、多くの場合つま先で着地をしたり、左右で着地のタイミングがずれていたりします。

これをフラットに着地ができるように繰り返していきます。

片足ジャンプストップ

  1. 片足で立ち、ジャンプをする
  2. 片足でフラットに着地をする

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先ほどのジャンプストップを片足で行いますが、これも見た目以上に難しい。足首が過度に緊張してしまうとうまく着地できません。リラックスをして足首の力を抜いていると自然とフラットに着地がしやすくなります。

進みながらのジャンプストップ

ジャンプストップと同じですが、その場ではなく前にジャンプして着地をしていきます。その幅というのは、10cm、20cmからはじめて、フラットに着地ができるようになれば30cmぐらいまで伸ばしていきます。

これは片足でも同じことですので、このような流れで片足ジャンプストップも行っていきます。

 バランストレーニング バランストレーニング バランストレーニング

 

混同しがちなトレーニング方法について

ここまでバランストレーニングの考え方、足裏のことや実際の方法について触れてきましたが、それを踏まえてちょっと雑誌などで紹介されているバランストレーニングについて見ていきたいと思います。

仰向け、うつ伏せでのトレーニング

雑誌では、以下のようなある体勢をキープするようなトレーニングがバランストレーニングとして紹介されていました。

体幹

よくみるトレーニング方法ですが、先ほどもお伝えしていきましたが、トレーニングの原則には特異性という原則があり、それを踏まえるとこのような保持をする筋力、筋持久力はある程度向上するのではないでしょうか。

でもこれをしたからといって野球選手の場合、軸足でバランスよく立てるようになるのかといえば別の話です。軸足でバランスよく立てるようになるためには立つ必要があります。

一般の方もその場でバランスよく立つためにどんなトレーニングをするのかではなく、そのためにはその場で立つことです。ここを間違えると効果として感じられません。

関連記事:スポーツ選手に伝えたい体幹トレーニングを行う上で整理しておきたい目的と方法について

アンバランスな環境でのトレーニング

これは最も多いバランストレーニングではないかなと思いますが、半球型をしたドームの上に肘を置いたり、立ったりすることがバランストレーニングだと紹介されていることがよくあります。

そもそもバランスという言葉の意味は、釣り合う、天秤、安定などという意味あり、不安定な状態何かをすることが必ずしもバランストレーニングではありません。ましてやスポーツ選手はこのような足元が不安定な場所で何かをするということは一部を除いてはありません。

地面などの安定した環境下で、いかにバランスをとれるか、その能力を向上させることが目的のため、そのためには安定した地面の上でうまく立ったり、バランスをとることが求められます。

このようにバランストレーニングとして紹介されている方法が適切かどうかは目的次第であり、まずは目的を明確にすることで方法は選択されていくことになります。

それがきちんとできていなかったりするとある意味、時間の浪費になってしまう可能性もあるので、このあたりはきちんとしておきたいところですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。バランストレーニングについてはお伝えしていきましたが、本来の意味のバランストレーニングとひとつの流行りとして紹介されているバランストレーニングとは少し異なる部分があります。

今回ご紹介したものは、非常に地味で単純なものではありますが、それなりにバランス能力の変化を感じられるトレーニングになります。

バランストレーニングについてどのように理解し、実践するかで、1回のトレーニングもバランス能力は変化します。それを毎日続けることで、スポーツ選手の場合はパフォーマンスに影響を与えることもあります。

できるだけ無駄な時間を少なくし、トレーニングの目的を理解した上でトレーニングに臨んでいきたいですね。

では今日はこのあたりで締めたいと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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伊藤 出

パーソナルトレーナーの30歳。身体の悩みを改善するための情報を発信しています。板前→沖縄でジムのインストラクター→女性専門のサロン→独立(パーソナルジムIzuruStyleオープン)。

【指導経歴】
STORY・VERY読者モデル、アナウンサー、宝塚歌劇団員の元専属トレーナー。神戸女子大学ラクロス部、三菱重工業神戸在籍野球選手の専属トレーナー。

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