バッティングを良くするために野球選手に指導したことのまとめ

  • 2016/2/5
バッティング

はじめて見たときの印象はパワーがありそうな選手で、非常に柔らかい印象を受けました。その印象通りバッティングを見ているとスイングスピードも速く、高校生という印象はあまり受けませんでした。

バッティングで目立ったのは手打ちだったことで、下半身をうまく使えていないため非常に足元が不安定でした。手打ちでも高校通算約30本。これからが楽しみな選手ですが、約1ヶ月半での指導の中で、打ち方、走り方、投げ方を伝え、互いにレベルアップを感じています。

今日はそんな野球選手に対して行ったバッティングを向上させるために必要だと感じたこと、そして指導したことについてまとめていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

 

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下半身が使えないことで失われる60%のエネルギー

この選手のいいところは非常に素直で、一度言ったことを覚えており自分なりの解釈で理解してくれるところです。わからないところはわからないと伝えてくれるのでこちらとしてもやりやすく、常にさまざまなことを確認しながら指導しています。

バッティングで目立っていた手打ちですが、下半身をうまく使えないと何がいけないのか。いけないというよりも損をするという表現の方が適切でしょうか。

自分が持っているエネルギーすべてをバットを通じてボールにぶつけることができれば、このときの衝撃力を100だとします。この選手のように下半身をうまく使うことができなければ、その数字は下がってしまいます。

下半身で生まれるエネルギーは全エネルギーの60%だと言われていますので、うまく下半身を使うことができなければ自分が持っているものの半分ほどしか活かせなくなることになります。

これだけ下半身が使えないということのリスクは大きいわけですが、だからこそ下半身の使い方は重要だと言われます。

でも実際どうすればうまく使えるのかを伝えられていることは少ないと思います。ここからはこの選手に指導したことをまとめていきたいと思います。

関連記事:投手の下半身の使い方|プレートの使い方で投げるボールの質が変わる




 

体重支持ポイントを理解する

下半身の不安定さが目立っていた選手ですが、まず軸足で立つことができていませんでした。

このことについてこれまで考えたこともなかったそうで、まずは体重支持ポイントの理解をしてもらうことから入っていきました。このブログでも何度もお伝えしている体重支持ポイントですが、脛骨の真下(以下踵と表記)で体重支持をするように伝えました。

マルカルドの体重分布図

踵で体重支持し、そこから踵で地面を押すように体重移動を行います。このときつま先で地面を押すのと、踵で押すのとで違いについても体感していただきましたが、踵で地面を押す方が強く押すことができます。

よりこの位置を認識してもらうために、足首にテーピングを巻きロックし、自然にこのポイントで体重を支持できるようにし、いくつかの方法で体重支持ポイントをインプットしていきました。

シューズの変形は無視できない

たまにお声をいただきますが、この体重支持ポイントで立とうとするとどうしてもうまく立てないということがあります。ここで考えないといけないことは、なぜうまく立てないのかということです。

  • そもそも体重支持ポイントがずれている
  • 下肢が緊張している
  • シューズに変形がある

よく見られるケースにシューズの変形がありますが、この選手も足の外側で体重を支えており、そのためシューズも外側に変形していました。このような変形がある場合、いくら体重支持ポイントを伝えても足元が斜めになった環境ですのでうまく立てません。

一般の方も同じで、歪みの改善をいくら行ってもシューズや履物の変形があれば、それに伴ってすぐに歪んでしまいます。

変形がある場合シューズを変えることです。そうすれば立ちやすくなり、調整後の身体であれば維持しやすくなります。

関連記事:ランナー必見!シューズのサイズと痛みの関係について




 

リラックスしたスイングを理解する

学生の頃はどうしても一生懸命にバットを振ろうとします。

一生懸命にバットを振ろうとすればするほど、バットスイングは遅くなる可能性があります。それは筋肉が緊張し、動きが硬くなるためです。

バットを速く振ろうと思えばリラックスする必要があり、一生懸命にバットを振ろうとしないことです。このテーマについてはうまく実践ができておらず、魚住先生の個人教授で学びましたが、これを実践することでリラックスしたスイングを少しずつ感じれるようになり、インパクトの位置が変わってきました。

リラックスしたスイングをさせるために、ゴルフスイングのような形で動作を繰り返していきました。

ゴルフスイング

ゴルフスイング

ゴルフスイング

このような動作でリラックスさせ、そこからバットスイングにつなげるように動作を変化させていきます。

  スイング スイング スイング

これまでインパクトの位置のイメージを身体の中で、呼び込んで打つという感覚を持っていましたがこのスイングの変化でうまく身体の前でボールを捉えられるようになり、先日バッティングを見ていましたが、まだ課題は残りますがやろうとしていることができてきています。

力のある選手ですし下半身の使い方がうまくなったこともあり、以前よりも打球の質は大きく変わってきました。後はタイミングのとり方の指導が必要だと感じますが、良くなってきています。

選手自身も以前よりも楽に振っているのに打球は飛ぶし、楽に振る方がいい打球が良くと言っており、お互いのやりたいこと、共有したいことが伝わっているように感じています。

関連記事:スイングスピード向上のためにはウエイトトレーニングではなくバットを振ること

 

フォロースルーを変える

僕は身体が小さく単打で塁に出て盗塁をするような選手でしたが、この選手の場合は長打を狙う選手になると思います。そのため地面を這うようなライナーを打つのではなく、角度のある打球を打つ方が役割に合うと感じていました。

選手自身も自分のタイプをそのように思っており、バッティングをしている際に打球が低かったためこのあたりも修正していきました。

このような打球の角度のことを考えると、ボールのどこを打てばいいのか、どこを打つ意識を持つのかなどを考えたりしますが、フォロースルー変えれば自然と打球は変わります。

これは、効率的に身体を使った野球選手の打ち方についての中でも紹介しましたが、フォロースルーの位置を高くすることで打球は上がりやすくなります。

指導をする中ではじめはこのあたりにフォロースルーがありました。

フォロー

ですがバッティングのときに、このあたりにフォロースルーをもっていくように意識させると打球も変わってきました。

フォロー

このようなスイングをすることでフォーム全体が大きく見え、スケール感が出てくるためこれから大学進学になりますが、バッティング練習をしていてもある程度目につきやすくもなると思います。アピールする上でも大切なことになります。

関連記事:野球選手の肘の痛みはフォロースルーを変えることで改善できる

 

身体の開きをどのように抑えるのか?

リラックスしたスイングができるようになったため、次の課題は身体の開きです。軸足に体重を乗せ体重移動して右打者なので左足が着地をすると同時に身体が開いて着地をしてしまいます。

この点については、魚住先生にご相談したときも指摘をいただきましたが、この改善が前回の指導で少し見えてきました。

着地を同時に身体が開くためバッティングをしているときも外角の球には手が出なかったり、バットに当たってもライト方向にフラっと上がったような打球だったり、弱い打球が目立っています。

この改善については、体重移動をし、バットを振り出す前に息を「ハア」を軽く吐いてからスイングするということをしていきました。これをすると体幹の力の入り方が変わり、この選手の場合この一瞬の間を作ることで身体の開きが抑えられていきました。

ただバッティングをしているときにはまだうまく活用できなかったため、左の腰を投手に向かって真っすぐに出すことを繰り返し、そうすると次第に開きも抑えられていきバッティングもこれまでの中で一番良くなっていたのではないでしょうか。

スポーツというのは不思議なもので、効率的な動きやスムーズな動作ができてくるとそこに”美しさ”を感じれるようになり、この選手も初めて会ったときには感じなかった”美しさ”も出てき始めました。

タイミングの問題もありますが、この身体の開きが抑えられてくると次第にタイミングもあってきて、打球も良くなり、気持ちよくバッティングをしている印象を受けました。

 

トレーナーとして常に考えなければいけないこと

選手の変化を感じられることは良いことだと思いますが、指導の中で常に感じることは選手の動作をどのように変えるのか、その目標となる動作にするために”どのような言葉がけをすれば目標をする動作になるのか”この言葉の選択が非常に難しく感じます。

選手だけに限らず、クライアントさんへの指導で言葉がけは良くなってきている実感はありますが、おそらくこれまで使っている言葉以外にもっと伝わりやすい言葉があるはずですし、言葉の質ひとつで良くも悪くもなります。

何気ない一言を余分に足したことで全体を崩してしまうこともありましたし、逆に一言伝えることで全体良くなることもあります。

結果に嘘はなく、選手がする動作はすべてこちら側が指導した結果であり、それ以外はほとんどありません。

だからこそ、ひとつの目標とする動作があったとしても、人が違えば言葉も変わり、方法も異なります。それは個人に合わせてさまざまな方法を活用して同じところに持っていく必要があり、ここにもまた難しさが伴います。

毎日家に帰ってからクライアントさんとのセッションで感じたこと、話した内容、僕が伝えたことやそのとき使った言葉などをある程度まとめていますが、あとで振り返ると不適切な表現を使っているときはよくあります。

何よりも大事なことは常に振り返し、常に確認することだと感じます。

少し話がバッティングから離れてしまいましたが、指導をする中で選手の変化を見れることは非常に楽しい時間でもありますし、これから先何が必要になるのかもっと追究して考え続けていきたいと思います。

 

最後に

毎回の記事の内容はセッションを通じて感じたことや結果として捉えられたことを中心に記事化しておりますので、それが万人に共通することもありませんし、もしかすると違う方には真逆のことを伝えることがあるかもしれません。

それはその方の現状を踏まえて指導するためであり、記事の内容も参考にしていただければ変化を実感できるものもあれば、そうでないものもあります。

この選手の場合、伝えたことを徹底できる能力があり、非常に素直ですのでうまくステップを踏めていると感じます。もうすぐセレクションがありますので、その結果を待ちたいと思いますが、良い結果になることを期待しています。

今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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