言うこと、怒ること、教えることは区別すべき。できない理由はできないように教えているから。

  • 2018/2/13
できない理由

現場で誰かに何かを教えることほど難しいことはないと感じる瞬間はたくさんありますが、それができないと指導者にはなれないと思います。

現場を通して、【言うこと】【怒ること】【教えること】これらはすべて違い、少年野球の指導者は、特に言うこと、怒ることがメインとなっていて、教えることができていないと感じることが本当に多くあります。

僕も偉そうに言える立場、レベルではないかもしれませんが、指導している立場からすると、教えた相手ができないというのは、教え方が悪いだけであって、選手は悪くない。これは断言できます。

5年前の自分であれば、人のせいにして自分の教える技術力を棚にあげていたと思います。だけど、今であればはっきりわかることがあります。それはただ単に自分の力不足、指導力不足だと。

今日は、5年前の自分に伝える気持ちで、【言うこと】【怒ること】【教えること】は違うということを書いていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

 

スポンサードリンク

【言う】ということ

言うという言葉を調べてみるとこのような意味があります。

【言う】の意味

言葉を口に出す。心に思っていること、考え・判断などを相手に伝達するために、言葉に出したり、文章に表したりする。

goo辞書より引用:言う

言うとは、表面的に表す手段のことを指す言葉となります。

 

【怒る】ということ

怒るという言葉は、どのような意味があるのでしょうか。

【怒る】の意味

不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表す。腹を立てる。いかる。

goo辞書より引用:怒る

怒るとは、腹立たしい気持ちを表面的に表すという意味になります。

 

【教える】ということ

では、教えるという言葉はどのような意味があるのでしょうか?

【教える】の意味

知識・学問・技能などを相手に身につけさせるよう導く。教育する。教授する。

goo辞書より引用:教える

教えるとは、相手ができるようになること。

この3つの言葉の意味を見ていくと、5年前の自分が【教える】ことができていたのかと思うと、クライアントさんに【言う】ことはしていました。

できない選手に【怒る】こともありました。でもそれは自分が【教える】ということができていない証であり、今思うと言葉の意味も理解できていなかったし、全ての責任は自分にあるのに、相手ができない理由を相手に押し付けてしまっていました。

 

できない理由は教え方にある

5年前の自分であれば言葉のバリエーションも乏しかったですし、動きやトレーニングなど、さまざまなことに関する情報、知識、指導のバリエーションなどが少なかった。

だからうまく教えることができていませんでした。教えた相手ができない理由は、指導する側の問題です。言葉の選択やタイミング、サポートの仕方、さまざまな伝える手段がその教えた相手に伝わらない手段をとってしまったことになります。

現場で選手に指導したのにも関わらず、できなかった理由はさまざまですが、これまでこのような経験をしたことがあります。

※指導する相手は18歳の男子高校生。野球部に所属していて、バッティングに悩んでいるとします。

1度にアドバイスすることが多いすぎる

「スイングするときは、グリップをボールにぶつけるように出して、インパクトの瞬間はできるだけスイングしたときの音が短くなるようにスイングしてみて。フォロースルーは、大きく、高くとってみるとバッティングは変わってくると思う。」

例えばですが、こういうアドバイスをしたとき、おそらく選手のバッティングはあまり変わらないか、指導する側が思っている通りにならない可能性が高いと思います。

なぜなら1回のアドバイスで指導ポイントをいくつも詰めすぎです。

動きを習得する場合、分習法と全習法という方法があり、スイング動作で言えば、まずは腕の動きを教える。そして、次は下半身の動き。そしてそれらを合わせて全体のスイング動作を行う。

部分的に動作を習得させ、最後にそれらを合わせることでスイング全体の動きが変わるという方法です。

1度にアドバイスが多すぎると、うまく動作を改善することができませんが、分習法と全習法のように部分的に分けてから合わせることでうまく全体の動作が改善します。このようにアドバイスの仕方に問題があれば選手の動きはあまり変わりません。

このできない理由は指導側にあることは、よくわかると思います。

言葉に問題がある

スイング動作をスムーズにしようと思うと、リラックスさせることが重要ですが、そんなときに「スイング動作をスムーズにしろ!」と指導してもできるはずがありません。

どうやればそのスムーズなスイングができるのか、具体的に指導する必要があります。

構えのときに少しグリップの位置を高くし、グリップを落とすようにゴルフスイングをする。それを繰り返し、ボールを前で打つようなイメージでグリップを出す。

この説明もまだ曖昧ではありますが、「スイング動作をスムーズに」という言葉よりも、具体的ではあります。

目的をただ言葉に選手にいうのではなく、“どうすればできるのか”という具体的なアドバイスを選手に伝える必要があり、そこに気づかなければ、当然できません。

伝える言葉に問題があれば、できない理由は選手ではなく指導者側にあることは明確です。

関連記事:言葉の質を考える。現場で感じる伝える言葉とタイミングの大切さについて

できないことを指摘する

これは当たり前のことですが、選手ができない姿を見て、「お前のバッティングはいつまでたっても変わらないな!●●ができていないんだよ!!」と選手を怒ってもできるようにはなりません。

できない選手を見て怒ってしまう5年前の自分程恥ずかしい姿はないと思います。

そういう姿を見せてしまうことは、「俺は指導する技術はないです!」声高らかに言っているのと同じぐらいのことです。

できないことを指摘するだけなのであれば、それはもう指導者でも何でもありません。

このようにできない理由はたくさんありますが、冷静にこういうことを見ていくと、全てだという気はありませんが、選手ができない理由は指導する側の問題がほとんどのような気がします。

これは何もスポーツだけではなく、子育て、学校、何かを誰かに伝える場面ではすべて同じなのかもしれません。

関連記事:転職・独立を経験したわかった「無理」「できない」は嘘に近いということ。

 

できるように指導するためには2つのステップを組み合わせる

スポーツが上達するためには、2つのステップをうまく組み合わせることで上達していきます。

その2つのステップというのが、

  • できる→できる→できる
  • できない、難しいことを経験する

というものになります。

できることのレベルを階段を上るように上げていく

これは、コーディネーションという考え方になりますが、人が何かを上達するためには、今できるところから次のできることのステップを踏むことが必要になります。

そしてそれができれば次のステップへと移る。その過程でできることのレベルが上がっていき、技術も伸びていくわけです。

簡単な例で言うと、キャッチボールができるまでのステップは、

  1. 1mの距離で下投げで相手にボールを投げる
  2. 次は5mで同じことをする。そして10mで行う
  3. 次は上投げで5mの距離でキャッチボールをする
  4. 次は10mの距離、20m、そして50m・・・。

徐々に難易度を上げていき、もし30mの距離でうまくできないとすれば、そこが今練習するべきポイントであり、課題の箇所となります。

このように常にできるというステップを踏ませて、高い階段に上るようにレベルアップをしていきます。ただ、これだけではどこかで停滞してしまう可能性があります。

そんなときに考えることは、コオーディネーションという考え方です。

関連記事:コーディネーショントレーニングとコオーディネーショントレーニングの違いについて

あえてできないこと、難しいことを経験させる

コーディネーションという考え方でステップアップを図って、どこかで伸び悩みを感じたときは、コオーディネーションという考え方を実践し、打開します。

コオーディネーションとは、あえてできないこと、難しいことを経験させることを目的としています。

例えば、キャッチボールをして、2個のボールでお互いに投げて、投げられたボールを捕ることをすると、難しいと思います。ただ、ここでのポイントはできることを目的とせず、経験させることが一番の目的です。

2個のボールでキャッチボールをしたあと、1個のボールでキャッチボールをすれば先ほどよりも簡単に感じる。つまり先ほどとは見える景色が変わり、伸び悩んでいた位置のことが少し簡単に感じます。

そうすると、先ほど停滞して悩んでいた部分を打開でき、さらにできることが増えていく可能性があります。

関連記事:パフォーマンスを向上させるためには“できる”と“難しい”ことを組み合わせること

スキルの向上は、できるステップとできないことを経験させることを混同させる

ここからもわかるように、スキルの向上は、できることと、できないことをうまく組み合わせることで自分の上限に近い位置まで引き上げられる可能性があります。

ただ、できることだけをしていても早い段階で頭打ちが来る可能性があるので、選手ができるようになるためには、このようにコーディネーションとコオーディネーションというものを知っておくと役立つと思います。

 

まとめ

今回はできない理由はどこにあるのか、ということについて自分なりの今の考えを5年前の自分に向かって書いていきました。

ただ言うだけ、怒るだけは自分が選手のためだと思っていてもそれは自己満足なだけです。本当に選手に対してするべきことは、できるようにサポートすることです。

それが教えるということであり、教育、指導する側の仕事になります。今の自分も改めてそのことを肝に銘じて現場でのセッションを振り返り、活かしていきたいと思います。

できない理由は相手にあることよりも、圧倒的に指導する側にあることの方が多いと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

最近の記事

関連記事

おすすめ記事

この記事がお役に立てたら
いいね ! してね!

Twitter で


シェイプス
関連記事

おすすめ記事
  1. 打ち方
  2. ふくらはぎをストレッチ
  3. 水分
  4. コンディショニング
  5. がんと食事
  6. 椅子への座り方
  7. 変形性股関節症
  8. 走り方
  9. 歩き方
  10. ランニング 膝



ピックアップ記事
  1. お問い合わせ
カテゴリー
おすすめ記事
  1. 変形性股関節症
    変形性股関節症に悩まれている方から相談もありますが、みなさん1回は手術が頭をよぎり、手術を回避しよう…
  2. 投げ方
    先日名古屋から社会人野球選手が来ていましたが、その選手への指導の中で感じたのはいかにシンプルに伝える…
  3. ふくらはぎをストレッチ
    ふくらはぎをストレッチする目的は、何でしょうか?ふくらはぎを細くしたい、女性らしい身体になりたい…
  4. ランニング 膝
    ランニングを行った後に膝が痛む。もしかすると筋力が弱いからこのような膝の痛みが出るのではないか。…
ページ上部へ戻る