コーディネーショントレーニングとコオーディネーショントレーニングの違いについて

コーディネーション
コンディショニング

自分の身体を自由自在に操れること。それはトップアスリートにとっては必要なことであり、言葉では簡単そうに聞こえる言葉でも、実際に自分の身体を自由に操ろうとすれば、非常に難しいことに気づきます。

最近ではよく聞くようになったコーディネーショントレーニングという言葉ですが、どのようなトレーニングなのでしょうか。それ以前に、コーディネーションとはどのような意味があるのでしょうか。

コーディネーションとコオーディネーションについてお伝えしていきたいと思います。

 



調整力とは?

体力要素の中に、調整力という要素がありますが、これはどのような能力のことを指すのでしょうか。

体育の用語では、【身のこなし】と現すことができ、

いかに自分の身体を自由にコントロールできるのかという能力

と捉えています。例えば、イチロー選手のバットコントロールは超一流であり、打率も3割を超えて当たり前とされています。

あれだけのハイアベレージを残せるのは、自分の身体を自由自在に操りバットをコントロールし、的確にボールを捉える技術があるからです。

調整力とは、技術やスキルに直結するものでもありますが、この調整力はコーディネーションとコオーディネーションという2つの考え方ができます。

  • コーディネーション=アメリカ的な考え方
  • コオーディネーション=ドイツ的な考え方

このように捉えることができます。それぞれがどのような意味を持つのか、また現場ではどのように考えればいいのか、そしてこれらの能力をどのように高めればいいのか、これらのことを見ていきたいと思います。

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コーディネーションとは?

人間がある動作を習得しようとすると、練習をし、何度も繰り返す必要があります。その過程で、全くできなかった動作を脳が理解し、徐々にその動きができるようになります。

そしてできてきた動作は、反復をすることでレベルアップをし、より精度の高いものへと変化していきます。

コーディネーションとはアメリカ的な考え方で、ある動作を習得するとき、パターン化された動作を繰り返し、簡単な動きから難しい動きへ、また遅い動作から速い動作へと難易度を上げていき、そのようなステップを作ることで動作を習得するということです。

コーディネーション

この過程をトレーニングする方法が、コーディネーショントレーニングとなります。

これをキャッチボールで考えてみたいと思います。まず、簡単な動きから難しい動きへと移行していきます。そして、遅い→速いへと移行します。

  • 5mぐらいの距離で、下投げでゆっくりと投げる
  • 10、15mと距離を広げ、下投げでゆっくりと投げる
  • 距離は同じで少しずつスピードを上げていく
  • 15mぐらいの距離で上から投げる
  • 徐々に距離を広げていく

これはあくまでも例ですが、この中間にワンバウンドなどもいれてもいいと思いますし、ステップのさせ方は発想になりますが、イメージとすればこのようにできる→できる→できるということを繰り返して、一つの動作を習得していきます。

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コオーディネーションとは?

コーディネーションと異なるコオーディネーションとは、こちらも身のこなしという意味になりますが、これはドイツ的な考え方となります。

コーディネーションと何が違うのかというと、コーディネーションは“パターン化された”動作を習得してきますが、これはスポーツの試合の中ではあまり活かされません。

試合というのは、予期せぬ動きやプレーを求められることがほとんどであり、パターン化された動きは一部を除いた以外はほぼありません。

コオーディネーションは、予期せぬ動きに対応するため、

予想しない、不意の動きを経験させる目的がある

ということです。このような予期せぬ刺激を加えることで、試合で予期せぬ動きが、またはプレーが要求される場面で活かされることになります。

コオーディネーションは、できないこと、または難しいことを経験させ、その新鮮な刺激を与えることで日頃のプレーをより簡単にこなすことができたり、感覚がより鋭くなったり、試合では予想していない動きばかりが要求されますが、これらに対応することができるようになります。

コーディネーションはできることを目的としていますが、コオーディネーションはできることを目的とせず、今までに経験していないさまざまな動きや刺激を加えることを目的としています。

言葉では一文字だけ違いますが、意味としては大きく異なることが理解いただけたと思います。

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コーディネーションとコオーディネーションの違い

ここまでコーディネーションとコオーディネーションの違いについてお伝えしてきましたが、もう一度整理をするとこのような違いがあります。

  • コーディネーション・・・1つのパターン化された動作の習得
  • コオーディネーション・・・予期せぬ動きを経験させる

このような違いがあり、コーディネーションは動作の習得を目的とし、コオーディネーションは動作の習得は目的とせず、さまざまな動きやプレーを経験させることで、試合で予期していないことが起こったときにも対応できるようになります。

そのため日頃の練習の中ではこの2つをトレーニングする必要があることがわかります。ひとつのパターン化されたトレーニングも必要になりますが、それだけでは試合ではほとんど役に立ちません。

コオーディネーショントレーニングを行い、さまざまなパターンを経験させておくことで試合で対応できるようになっていきます。コオーディネーショントレーニングを行う時は、

慣れささない、予測できることはしない、ということが重要

です。

慣れてしまえばそれもパターン化されてしまい、本来の目的から離れてしまいます。慣れてくる前にまた違うパターンを経験され、このバリエーションをいくつもつくって経験させます。

 

どのように調整力を向上させればいいのか?

調整力と言われる体力要素をどのように向上させればいいのでしょうか。技術やスキルに直結しますが、コーディネーション、コオーディネーションどちらもひとつだけを考えてしまうとうまく向上させることができません。

例えば、バッターが打った球を野手が捕ろうとします。それ以前に、この野手の選手は、キャッチボールから始まり、ワンバウンドのボールとショートバウンドで捕り、次は速めの球で同じことをする。

そして、軽く打った球を捕ってみる。次に、打者が打った球を捕る。この過程で、真正面のボールしか捕ることをしていないと、試合中に身体の左右への打球が来た場合うまく処理することができない。

もしかするとイレギュラーするかもしれないし、打球が変化するかもしれません。もし、パターン化された真正面の球を捕る練習しかできていない場合、これだけでは技術の向上はここまでです。

左右への打球の練習もしなければいけないですし、イレギュラーに対応できるように近距離ノックや飛び込みながらキャッチする練習も必要になります。

そういったあるパターン化された動きと予期せぬ動きの両方の練習が必要であり、

調整力の向上は、コーディネーションとコオーディネーション両方のトレーニングが必要

だということがわかると思います。

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実際に現場で行ったこと

これらの考え方を現場で実践してみると、より理解を深めることができました。

ラクロス部のゴーリー(ゴールキーパー)に対して行ったのは、まず、ゴールの枠を9つに分け、その1つ1つの箇所に対して身体をどのように動かすのか、それを確認しながら何度も繰り返し行っていきました。

これがコーディネーショントレーニングとして捉え、次に行ったのはピンポン球を使ったり、近距離などでボールを投げてその刺激を体感させるということです。

他には壁から5mぐらいの距離に壁向きに立ち、背中側からボールを壁に当て、その跳ね返りに反応しボールを止めることもしました。このようにバリエーションをつけトレーニングを行っていきました。

これがコオーディネーションとして捉えて行いました。ピンポン玉を近距離で投げ、風などの影響で大きく変化するためそれに反応するということをさせ、ボールを投げる場合は、さまざまな距離から普段では体感しない速球を投げ、刺激を与えていきました。

  • コーディネーション=9つの箇所に対する動作
  • コオーディネーション=ピンポン玉や速球を活用し、予期せぬ動きを体感させる

このように考え、実際に練習の中で行っていきました。ラクロスというのは、シュートが打たれるときは5mぐらいの距離からシュートが打たれることもありますし、それよりも近い距離のシュートもあります。

ある程度の変化を見ることができましたし、ショートバウンドへの反応は明確に変化していることがわかりました。このように実践からも変化を感じることで、調整力についての理解を深めることができました。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。コーディネーションとコオーディネーションの違いは、明確にありこれをうまく組み合わせることでよりレベルの高い身のこなしができるようになります。

さまざまなトレーニングメニューがありますが、これも発想でより多いメニューを用意することができますので、トレーナー側はバリエーションを多く考えておかなければいけません。

本質を理解してこれからもさまざまなバリエーションを考えていきたいと思います。では最後に今回の記事のまとめを書いていきたいと思います。

  • 調整力とは、身のこなし、スキル・技術のことを指している
  • 調整力は、コーディネーションとコオーディネーションという2つの考え方がある
  • コーディネーションとは、パターン化された動作を習得すること
  • コオーディネーションとは、予期せぬ動きをより多く体感させること
  • 調整力の向上はこの2つをうまく組み合わせること

このような内容でお送りしていきました。流行りのひとつして言われているコーディネーショントレーニング。小さい子供に必要なのは、コーディネーショントレーニングと言われていますが、本当は公園で遊んだり、外で駆け回っていること、それ自体が調整力のトレーニングではないでしょうか。

自然の中で遊ぶことでそこで得られる身体の動きや新しい体験。それ自体が将来子供にとって本当に必要な刺激になるのではないでしょうか。

新しいものばかりに取り組むよりも、こうやって昔ながらの当たり前のことをするだけでもトレーニングになると思います。

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