投球時、腕の動きを気にするあまり、腕が緊張しスムーズな動きができなくなることがあります。
そうすると、スピードが出なくなってしまったり、どこか一部にストレスがかかり痛みが発生したりしてしまう可能もあります。
こういう場合、グローブを持っている腕の使い方を工夫することで、投球をする側の腕がリラックスし、スムーズな動きができるようになります。
今回はこのグローブを持っている側の腕の動きについてお伝えしていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
ざっと内容を知りたい方はこちら
まず知っていただきたい2つのこと
今回のことをお伝えする前に、2つのことを理解しておいていただきたいと思います。
その2つというのは、
- 頚反射
- 意識
この2つになります。
頚反射とは?
先日、アームカールのやり方をお伝えしたときに少し書いていますが、頚反射といって、人は自分が見ているところによって力の入りやすさが変わります。
例えば、肘を曲げる動作をするときには、顎を引き少し地面を見るように目線を落とすと力が入りやすくなる。逆に肘を伸ばす時は少し顎を上げることで伸ばす時に力が入りやすくなる。
また、左側を向いている時は、左腕を伸ばしやすく、逆の右腕は曲げやすくなります。つまり右腕はリラックスしやすいということになります。
この部分を後程活用し投げ方に活かしていきますが、まず身体にはこのような反応が起こるということです。
意識の問題
人が身体のどこかに意識を向けて動作を行うことによって、その部分を探ることになり、筋肉が緊張します。
そうするとその部分で動きが硬くなり、一瞬動作の中で引っかかりが見えたり、スムーズさがなくなります。
こうなると先ほどもお伝えしましたが、スピードが出なくなったり、どこかを痛めてしまうかもしれません。
スムーズな動きをするためにはリラックスをする必要があり、リラックスするためには意識を外すことです。もうひとつはそもそもどういう動きをすればスムーズに動けるのか、それを知ることです。
肩の構造上、スムーズな動きをするためには、こちらを参考にしていただければと思います。
関連記事:腕や肩が上がらない方へ|原因は腕の上げ方の問題と柔軟性の低下の2つの問題が考えられる
今回投手を中心に投球時にスムーズな動きをするためには、この頚反射と意識をうまく使ってスムーズな動きができるようにしていきたいと思います。
関連記事:“意識しない”ことも大事!考えすぎるとうまくできない5つの事例
投球時のグローブの使い方を工夫することで腕の動きがスムーズになる
現在は引退されていますが、元横浜ベイスターズの三浦大輔投手をご存知でしょうか?
リーゼントヘアが特徴的だった投手ですが、この投手の投げ方がこちらです。
投げるときに、左手をキャッチャー方向に向けて投げています。
このように右投げの選手の場合、グローブをキャッチャー方向に向けると右腕はリラックスでき、スムーズに動かしやすくなります。
左手を前に向けない投げ方
左手を前に向けない投げ方は、このようになります。
こういう投げ方でもスムーズに腕が動いている方は、問題なくそのままでもいいと思います。
左手を前に出す投げ方
左手を前に向ける投げ方は、このようになります。
このときのイメージは、左手(左投げは右手)をキャッチャー方向に向けて視線を送り体重移動し、投球するというイメージで問題ありません。
左手のグローブの使い方がを変えることで、右腕の動きがスムーズになり、投げやすさを感じる投手もいると思いますので、試してみてください。
この動作をする上での注意点
投手は1cmのコントロールミスで試合の勝敗を分けてしまうこともあると思います。それだけ繊細なポジションだと思っていますが、ここでお伝えすることはあくまでも“参考”です。
これは現場でも常々言っていることですが、何か指導をしてもらったときに違和感があるものに対して、やらなくてもいいと伝えています。
ここでの問題は、指導する側の技量の問題と動きそのものが合わないという2つのことが考えられます。
どちらのケースにしても、選手に伝えておきたいことは合わないと感じることは無理にしなくてもいいということです。試合でもそうですが、1人でいろんなことを感覚的にキャッチし、それを修正できる。
こういう能力も求められます。その中で誰かに言われたことを続けるのではなく、自分が一番いいと感じるものを選択するべきだと思います。
ですので、あくまでここでお伝えする内容やブログでお伝えしていることは、参考にしていただき、何か取り入れそうなことがあればとり入れるぐらいのスタンスで読んでいただければと思います。
関連記事:ピッチングフォームを考える|リラックスすればスムーズな動作ができる
リリース後はキャッチャーを見続けないこと
ボールをリリースした後は、キャッチャーを見続けないでください。なぜなら見ている方向に腕が伸びていき、肩の腱板が引っぱられ、それが繰り返されると肩の方向を痛めてしまうからです。
正確に言うと、顔がキャッチャー方向を向くと、その方向に腕が伸びます。リリース直後は、顎を軽く引き、上目遣いでキャッチャー方向を見ると、視線だけはキャッチャーを向いていますので、打球の確認はできるはずです。
ですが、顎は軽く引けた状態になるので、腕は前方に引っ張られず、身体に巻き付くようにフォロースルーを迎えます。
腕が身体に巻き付くようにフォロースルーを迎えることで、腕は減速でき、肩肘へのストレスを軽減できます。
このように人の視線の使い方や今回お伝えしたグローブの使い方を変えることで、身体の動きは変わりますので、こういうことを知っておくと自分にあったフォームをみつけやすくなると思います。
関連記事:前でボールを離そうとすると肘を痛める理由
まとめ
今回はグローブの使い方で腕がスムーズに動くということをお伝えしていきましたが、基本的には腕はどのように動かすことが自然なのか、この部分を知ることが何よりも大事で、そこが抑えられていると、今回のことをしなくてもスムーズに動けるはずです。
ただ、その中で今回お伝えしたことをやった方が投げやすいという場合は、ぜひ取り入れてみてください。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
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