膝蓋腱炎(ジャンパー膝)が起こる原因と改善について

  • 2018/2/15

先日、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)と病院で言われ、リハビリに通っていたけど、なかなか状態が良くならないというスポーツ選手が相談に来ました。

内容を聞いていると、大腿四頭筋の筋力が弱いから強化するという方法で改善を目指していたそうですが、あまり成果が得られていませんでした。

膝蓋腱炎が起こる原因は、大腿四頭筋がストレスを受け、そのストレスによって筋肉が硬くなる。そして、そのストレスに耐えられなくなると膝周辺に痛みが出てきます。

改善のためには、筋肉を緩めることです。それができると症状を改善することができ、実際に現場でも改善がみられました。今回は膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の原因や改善についてお伝えしていきたいと思います。

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

 

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太ももの筋肉と膝周辺の構造

太ももや膝周辺のことを理解することで、膝蓋腱炎を理解しやすくなりますので、まずは身体を理解していきます。

太ももの前側の筋肉を大腿四頭筋といい、4つの筋肉から構成されています。この筋肉は股関節を辺りから、膝のお皿をまたぎ、膝の少し下の位置にくっついています。

大腿四頭筋

この大腿四頭筋が膝の下の骨、脛骨という部分にくっつくときに大腿四頭筋の端は膝蓋腱という組織に変わり、その腱が骨に付着しています。

膝蓋腱炎

ですので、大腿四頭筋と膝蓋腱というのはつながりがあり、大腿四頭筋が受けたストレスは、当然膝蓋腱にも影響が出るということになります。

 

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)になる原因

膝蓋腱炎になるということは、膝蓋腱が炎症を起こしているということです。

これは、大腿四頭筋がストレスを受け、そのストレスに耐えられなくなると、筋肉が硬くなり膝蓋腱が炎症を起こします。

では、なぜ大腿四頭筋にストレスを受けてしまい、膝蓋腱炎になってしまうのでしょうか?

ジャンプをして着地したときのストレスは体重の約3~5倍

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)という呼び名の通り、ジャンプを繰り返すようなスポーツでこのような症状が出やすいのですが、人がジャンプをして着地をしたとき身体にかかるストレスは体重の3~5倍ともいわれています。

50kgの人であれば、約150~250kgのストレスがジャンプをして着地をする度に受けます。

バレーやバスケットボールをしている選手は、当然、1日10回程度のジャンプで済まされず、何十回、何百回とジャンプを繰り返すため、非常に大きなストレスを何度も受けることになります。

これによって大腿四頭筋がストレスを受け、膝蓋腱炎になる可能性があります。

ただ、知っておきべきことはここからで、どのように着地をしているのか、ということです。この着地の仕方ひとつで身体にかかるストレスが変わってきます。

つま先着地をすると大腿四頭筋に大きなストレスがかかる

以前、モートン病の改善についてお伝えしたときに、足のアーチの話していますが、足部には4つのアーチがあります。

  • 内側縦弓
  • 外側縦弓
  • 中足骨弓
  • 横弓

この4つのアーチに対して、体重がかかっていない場合、このように膨らみを持っています。

アーチが高い

ですが、足に体重がかかると、全体がへしゃげるように動きます。

体重が乗る

このとき、このアーチがあることで地面から受ける衝撃を吸収し、身体に対するストレスを軽減してくれます。

これが足の本来の役割ですが、着地の際にこのように足がフラットに着地ができると、このように衝撃を吸収し、脚全体や体幹部で身体にかかるストレスを受けます。

そうすると、局部にかかるストレスは小さいため、着地を繰り返しても痛みにつながることはありません。(当然やりすぎでは痛みは出る可能性がありますが。)

着地の際にこのようにフラットに着地ができると、衝撃は分散されます。

着地点

ただ、つま先で着地をしてしまうと、ブレーキをかけるような着地となり、非常に大きなストレスが大腿四頭筋の局部にかかってしまいます。

投げ方

大腿四頭筋が大きなストレスを受け、筋肉が硬くなり、まずは張ってきます。そして、そのストレスに筋肉が耐えられなくなると痛みが出てきて、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)となる可能性が高いということになります。

 

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の改善はまず大腿四頭筋を緩めること

では、どうすれば膝蓋腱炎(ジャンパー膝)を改善できるのでしょうか?原因から考えると、筋肉が硬くなった結果痛みが出ていますので、まずは大腿四頭筋を緩めることです。

これをきちんとやるだけで痛みの程度に変化が出るはずですので、まず試してみてください。

大腿四頭筋を緩める方法 その①

  1. 座った状態で、片脚を伸ばす
  2. 膝裏に手を入れ、太ももを持つ
  3. この太ももをバウンドさせるように揺らす
  4. これを2分間行う

大腿四頭筋を緩める その②

  1. 座った状態で、片脚を伸ばす
  2. 大腿四頭筋が緩んでいることを確認し、揺らしたり、擦ったりする
  3. これを2分間行う

ここで筋肉を擦るときに、現場では滑りを良くするためにオイルを使ったりします。こういうオイルを使うとやりやすくなるので、興味がある方は【ファイテンオフィシャルストア】公式通販サイトで販売されているオイルを使ってみてください。

もし時間に余裕がある方は、各2分ずつではなく、5~10分間大腿四頭筋を揺らし緩めてください。そうすると、硬かった筋肉が柔らかくなり、痛みの程度に変化が出ることが確認できると思います。

さらに緩めたり、脚の捻じれを改善する場合、鵞足炎の原因とあまり知られていない改善方法とは?でお伝えしている8つの緩める方法を実践してみてください。そうすると、非常に筋肉は柔かくなりますし、立ったときにフラットに立てることが実感できるはずです。

筋肉を緩められない場合

もう1つの方法ですが、筋肉を揺らすと筋肉は緩みます。この程度が問題になりますが、自分の手でやるとわかると思いますが、腕が疲れてしまいます。

こういう場合、筋肉を振動させるマシンを使えば楽に緩めることができますが、このアセチノは、その揺れ具合が良く、現場で活用してみましたが、良かったのでこういうのを使っても筋肉を緩めることができます。

まず徹底的に大腿四頭筋の筋肉を緩めてみてください。

 

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の改善は全身を緩めること

大腿四頭筋を緩めることである程度痛みの改善ができていると思いますが、大腿四頭筋が緊張して硬くなっている場合、おそらく腰なども緊張している可能性が高い。

腰の緊張は背中や首の緊張ともつながるはずですので、大腿四頭筋を緩めることもそうですし、基本的には全身を緩めるようにしてください。

そうすれば全身が緩めば、部分も緩むため、膝の痛みも改善されるはずです。

下半身については、先ほどお伝えした通りで十分だと思いますが、上半身を緩めるためには、ランニング後のケアをするときに知っておきたい緩める部位についてで紹介している方法を実践してみてください。

 

膝周辺が腫れているときの対応

筋肉を緩めることで膝の痛みは改善されるはずですが、患部に腫れがみられる場合、そこを冷やす必要があります。

この腫れを引かせないと、動きに差が出てしまったり、動きづらさにつながることがありますので、アイシングを行って腫れを引かせます。

アイシングを行う

アイシングをする場合、基本的に2つのことを守ります。

  1. 腫れがみられる患部を冷やすときは氷水で冷やし、15~20分間アイシングを行う。
  2. もしくは、冷やしている患部の感覚がなくなれば終わり

20分行うか、それとも感覚がなくなったらか、どちらかの判断でアイシングを行って、患部の腫れを引かせていきます。

関連記事:足首を捻挫した選手ヘの対応|クライオセラピーを実践して感じた身体の変化

炎症を早く抑える成分がビタミンEになりますが、ビタミンEを摂取することで早く炎症を抑える効果があります。

また、血液の循環を改善することで、患部の修復を早めるため、血流が良くなると筋肉も緩みやすくなり、結果的に痛みの改善のプラスになるので、【やわたのDHA&EPA】はおすすめです。

アイシングで痛みが改善しない場合は温める

炎症に対する考え方は、冷やすことと温めるという2つの方法があり、どちらがいいかと聞かれることもありますが、状態を見ながら両方を使えばいいと思います。

アイシングをしてもし状態が改善しなかったり、痛みが増す場合は温めます。逆に温めて調子が悪くなるのであれば、冷やす。これは日によっても異なるので、その日の状況を見て判断していきます。

このように膝周辺の腫れがある場合は、このように冷やすことと温めること両面で考えていきます。

 

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)は根本原因を取り除かないと改善できない

ここまでの流れができると、膝蓋腱炎は改善するのかというと、そうではありません。おそらく筋肉を緩めた後は痛みがは改善しますが、競技をすればまた痛み出す。

なぜなら根本的な着地の問題が改善できていないからです。足にかかるストレスの受け方を変える、つまり着地の仕方を変えることが根本原因を取り除くことであり、ここまでしないと痛みの改善になりません。

ではどのように改善すればいいのでしょうか。

フラットに立つことをインプットする

まず再度確認しておきたいことは、人はフラットに着地できると身体にかかるストレスを全身に分散することができます。

フラットに着地するためには、この点で着地することです。

マルカルドの体重分布図

そうすれば、足裏全体で着地することができ、衝撃を全身に分散することができます。

まずはこの位置を身体にインプットしていきます。わかりやすい例で言うと、下駄を履いて立ち、その状態で小さくしゃがんだり、立ったり、いわゆるスクワットを繰り返します。

下駄

そうすると、このフラットの感覚をインプットできます。

もしくは、上記でお伝えした筋肉を緩める方法を実践してもらうと、この踵で立つ感覚は自然に出ていると思いますので、その状態で次は小さくジャンプをしてフラットに着地をしていきます。

連続ジャンプをし、フラット着地の感覚を掴む

次は、連続ジャンプの中でフラットに着地ができるようにしていきます。単発でジャンプをして着地をするよりも、連続ジャンプを行った方がフラット着地がわかりやすいので、まずは連続ジャンプを行います。

  1. 足を肩幅に開く
  2. 足首などをリラックスさせ、小さく連続ジャンプを繰り返す
  3. フラットに着地し、このときお尻の付け根に意識を向ける
  4. お尻で衝撃を受けるような感覚で連続ジャンプを繰り返す

フラット着地の感覚がつかめてくると、次は連続ジャンプ連続ジャンプから1回ずつジャンプをして着地する、というやり方に変えていきます。

その場ジャンプ

  1. 脚を肩幅に開く
  2. その場で軽くジャンプし、フラットに着地をする

その場ジャンプ

その場ジャンプ

その場ジャンプ

その場ジャンプ 

連続ジャンプでは、比較的にフラット着地はしやすかったと思いますが、その場でジャンプして着地をした際につま先から着地をしてしまいやすくなるので、この段階できちんとフラットに着地できるようにしていきます。

つま先着地

つま先着地

これだと脚の前側に大きなストレスがかかってしまいます。先ほどお伝えした踵で着地できるように繰り返していきます。

フラット着地

つま先から着地してしまうと、パスッとこすったような軽い音がなりますが、フラットに着地できるとドンッっと重い音がなります。

このようにその場のジャンプでフラット着地ができるように繰り返していきます。ここまでできると、後はこれをプレー中にこのような着地が無意識にできるようになれば、大腿四頭筋にかかるストレスは全身に分散されるはずです。

ここまでできて初めて膝蓋腱炎(ジャンパー膝)は改善されていきます。

ジャンプの後はアイシング

最後にこういうジャンプを行った後は、少なからず膝にストレスがかかりますので、再度アイシングをしておきます。

ここまでの流れを繰り返し、着地の仕方が変わることで痛みも改善していくはずです。ぜひここまでの流れを実践してみてください。

 

まとめ

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)は、ストレッチングをする方改善する、インソールを履けば改善するというものではなく、そもそも痛みが発生した原因は着地などの問題が大きいと思います。

筋力との関係もありますが、大腿四頭筋にストレスがかかる着地の仕方をしているのであれば、改善することは着地の仕方そのものだと思います。

逆にどんなに鍛えても、緩めていても、根本的な問題を解決できていないのであれば、改善しても一時的にとどまるはずです。

そう考えると、改善の流れはまず原因を理解すること。そして筋肉緩め、根本な原因である着地の仕方を変えること。

この一連の流れができると、痛みが改善し、プレーも思いっきりできると思います。

今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

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