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ロシアから帰って|ニュースレターNO.055

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ロシア
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9月8日から6度目のロシア訪問でした。今回は、マトヴェーエフ氏に4回もお会いすることができ、たっぷりといろんな御話を伺うことができました。ご自宅で3回、アカデミーで1回話しを伺いました。

今回の最大の目的は、「ピリオダイゼーション」というものの意味について深くお話しをお聞きすることでした。それは、現在いろんな形で「ピリオダイゼーション」という用語が使われだしたからです。

「ピリオダイゼーション」という用語は、マトヴェーエフ氏が1950年代に最初に使われた用語で、そのことから年間を準備期、試合期、移行期の3つの周期に分けるマクロサイクルという意味で理解がなされ、日本では「周期化」や「期分け」などと訳されています。それが、現在では、単なる「期分け」という意味で「ピリオダイゼーション」という用語が用いられるようになっています。

このような使い方は、アメリカ型の考え方から来ているもので、マトヴェーエフ氏のいう「ピリオダイゼーション」とは全く異なるものです。私は、「ピリオダイゼーション」という用語は、マトヴェーエフ理論として使われている意味で使われるべきだと思い、「ピリオダイゼーション」という用語の語源などについて知りたかったので、今回のロシア訪問ということになりました。

やはり想像どおりで、「ピリオダイゼーション」という用語を用いられた経過には、あらゆる検討がなされたようです。その経緯や本質的なことについては、今年の研究論文としてまとめるつもりです。

マトヴェーエフ氏は、アメリカで使われている「筋力トレーニングのピリオダイゼーション」というような用語の使われ方は、間違いではないが、それは私の「ピリオダイゼーション」とは意味が違うといわれました。

「ピリオダイゼーション」というものを知れば、当然その違いは歴然としているのですが、マトヴェーエフ氏のピリオダイゼーションについて正確に知られていないことが原因しているかもしれません。むしろ、「期分け」というものと、「ピリオダイゼーション」というものを区別して使う必要があると思います。

今回いろんなお話しをお聞きしてわかったのですが、マトヴェーエフ氏が半年サイクルと年間サイクルがあることを見つけられた経緯について間違って理解していました。それは、記録データを並べてベスト記録を更新するのにどれくらいの期間かかったかという事を10万件の記録変動データを分析したと思っていたからです。

そうすると、今年と来年のベスト記録は簡単にわかるのですが、半年サイクルの場合には、どのようにしてそれがわかるのか、疑問があり、具体的な3年間の記録表を作成し、これをどのように見ればよいのか、直接たずねました。

マトヴェーエフ氏はそれを見て一言、「これでは何も解からない」といわれました。それは、このような記録・結果になった裏づけを見なければならないし、そのデータと比較する必要があるということです。

すなわち、トレーニングの量のデータが必要であるということです。記録の変動とトレーニング量の変動を比較するのですが、半年サイクルか年間サイクルになっているかというのは、トレーニングの量の変動を見て決定するそうです。したがって、選手のトレーニング量の把握ができていなければ、何もいえないということです。だから、トレーニング量の管理が必要なのであるということです。

なるほど、完全な思い違いをしていました。私と同じ質問をする人間が多いようです。そんな人たちとは同じデータを持っていないのでディスカッションにならないといわれました。なるほどそうです。

これまでマトヴェーエフ理論を批判してきた人たちのほとんどが、トレーニングの量に関する詳細なデータをもっていたとは考えられませんし、トレーニング量と記録の関係を見ていた人はほとんどいなかったと思われます。マトヴェーエフ氏は言われました。トレーニング量の計算は、大変だった。

コンピューターや計算機もなかったので、研究員たちは、みんな筆算で莫大な数値の計算をしていたんだと。確かに毎日のトレーニング量を365日分計算するだけでも大変な作業です。

これまでマトヴェーエフ氏の論文など目を通してきたつもりなのですが、トレーニング量と記録の関係、それもトレーニング量の変動から半年サイクルと年間サイクルを想定して記録の変動を調べたという理解はできませんでした。

私の見落としか、理解不足なのか、隠れていた部分なのか。マトヴェーエフ氏に直接話を伺ってわかったことのように思います。私も本を書いているので解かりますが、1つ1つ細かなところまで書けません。

そのことが疑問になったりすることもよくあることですので、やはり著書に直接話が聞けることがベストだと思います。しかし、ロシアにいたマトヴェーエフということであれば、アメリカ人も当然日本人も本人の意図を知ることはできず、単に用語が流れ、知らず知らずのうちにその意味も変化していったと考えられます。

私自身は、やはり「ピリオダイゼーション」という用語は、マトヴェーエフ理論の意味で使って欲しいと思いますし、「期分け」と明確に使い分ける必要があると思います。

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