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早や10月|ニュースレターNO.056

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10月
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今回は、昨日訪れた高校の話をしたいと思います。8月に訪れる予定が、いろいろと重なることがあり10月に入ってしまいました。その高校は女子陸上競技の名門高校で、一昨年、昨年とインターハイで総合優勝をし、4x100mリレーでは、4連覇をされています。

以前からどのような練習・トレーニングをされているのか非常に興味があったので、見学の機会をうかがっていました。高校の先生とは以前からの知り合いで、いつでも見学にいけたのですが、これもタイミングが合わなかったのでしょう。

その女子高校は、短距離とハードル、そして投擲にも良い選手が育っています。指導者は、二人おられ、短距離と投擲にわかれて指導されておられます。私は短距離の先生を以前から知っておりました。

あいにくの小雤とともに、火曜日はウエイトトレーニングの日であるということで、トレーニングから見せてもらいました。特別変わった種目もなく、通常のウエイトトレーニングのパターンでした。そのプログラムは専門家に相談して作成してもらっているということで、その専門家というのは私の教え子でした。

そのために随分と私が使っていたものがありました。ここでの印象は、選手の自主性と集中力が目に付いたことです。さすがにトレーニングの雰囲気が違いました。

二人の先生は、周りから見ておられ、その中で自分たちのペースで黙々と種目をこなしていました。幾つかの種目で動作に問題のある選手が目に止まったので、先生方に疑問を投げかけ、アドバイスしたところ、素直に「なるほど」ということで、すぐに選手に修正指導されていました。

スクワットにしても、メディシンボールやクッションボールを使ったエクササイズにしても、それを行う選手の体力レベルによって意識ポイントは同じですが、動作そのものは異なってきます。みんなが同じスタイルでやるということのほうが難しく、それぞれの選手のレベルというか現状に応じた動作が求められます。

しかし、そこには目標の違いはありません。二人の先生方は何れも自分たちは、トレーニングに関しては専門でないという自覚をお持ちになられ、トレーニングプログラムにお金を出して代償されておられるわけです。

当然これを受ける専門家と呼ばれる方々は、それだけの責任をもって取り組む必要があります。単純なウエイトトレーニングの指導が行われやすいものですが、幸いというか、偶然というか私の教え子が指導していたこともあり、プログラムそのものには問題はありませんでした。

ここでの問題は、選手に対する意識づけ、すなわち意識性の原則が十分できているかということが問題になります。このエクササイズは何のために行うのか、これをすればどのような効果が期待できるのか、どこにポイントを置かなければならないのか、そのような事を理解させなくてはトレーニング効果も期待できません。

ここで大事なことは、選手の理解力です。トレーニング効果は、選手の理解力に大きく依存すると思われます。したがって、「これをやれ!」という指導では、当然その効果も期待できないものになります。ただ「やりなさい」では、指導とはいえないことは明らかです。個々の選手のある意味、知的レベルが要求されるわけです。

言われたことがどれだけ理解できるか、その知的レベルが高ければ指導者にとっても指導はしやすいのですが、このレベルが低いと指導も非常にむつかしくなります。当然、その選手の知的レベルに応じたアドバイスなり、指導が求められるわけです。

トレーニングの後、先生方から、リラックスして走るポイントは何かということで、何か指導してもらえないかということになり、20mほどの直線を使ってランニングの基本というか、リラックスして自然に動くことを指導しました。そこでは選手の知的レベルや理解力が浮き彫りになります。

指導していて、人の話の聴き方、反応、行動をみればその選手やチームのレベルが解かります。さすがにこの学校の選手たちは、インターハイで優勝するだけのものを持っていると感じ取れました。このような選手たちを指導することは、指導者にとってもこの上もなく楽しいことだと思われます。

しかし、後で話を聞くと、ここまでチームというかクラブをまとめるには、大変な時期があったとお聞きしました。当然、そのために一時期低迷されたそうです。二人の先生方と話しをしていて感じたことですが、非常に心の温かい方たちだということがわかりました。

このような素晴らしい指導者に恵まれた選手は本当に幸せだと思いますが、残念なことに卒業後の活躍がなかなかないようです。

高校では、僅か2年と数ヶ月の指導で終わってしまいます。同じ指導者のもとで、せめて6年間継続的に指導されれば、このような状況も変わると思うのですが、現状はむつかしいようです。

指導をしていて選手が理解できているのか疑問があるとき、私はよく選手に質問します。自分の動きの感覚を言葉で表現できるかどうかということです。自分はこのような動作になっているとか、このような動きを意識しているとか、自分で自分の動作を言葉で説明できるかどうかということです。

言葉で説明できる選手は、理解力も高く、習得も早いものですが、逆に言葉で説明できない選手は、やはり他から見ていてもなかなか上手くならない選手が多いようです。指導者として気を付けなければいけないことは、こちらが言ったことに対して、選手がうなずいたから理解できていると思うことです。

選手は自動的に反応として「ハイ」と返事をしたり、「うなずく」ことがほとんどです。その確認の意味でも、必ず選手自身に説明・解説させてみることです。中には、自分が思っている動きと全く違う動きになっていることも多いようです。選手の動きを改善する糸口が見つかると思います。

今回の訪問は、いままでに見たことのない雰囲気の高校で、何よりも集中して短時間で練習やトレーニングを終え、ダウンとその後のからだの手入れに時間をとられていたことに指導者の方々のレベルの高さを感じました。非常に気持ちのよい練習風景に出会え、気分よく帰宅しました。

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