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釜山アジア大会の結果から|ニュースレターNO.057

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釜山
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第14回釜山アジア大会が終わりました。日本選手団の結果は予想通り(?)の惨敗です。金メダルとメダル総数ともにアジアで3番目となりました。金メダル数では、中国が過去3大会ほぼ横這いで、韓国が大幅に躍進し、日本が勝てなくなったということです。

これは、ソ連崩壊後の旧ソ連邦のカザフスタンやウズベキスタンの参入が大きく影響しています。この2カ国だけで、金メダルを35個取り、総メダル数も127個になっています。

このメダル数はさておき、日本選手団の成績についていろいろ反省点が見えるのですが、これはオリンピックや世界選手権が終わったときと同じ反省の繰り返しだと思います。なぜそれに気が付かないのでしょうか。同じ反省をしていることがなぜわからないのか、不思議でなりません。しかし、結局その反省がわかっていないために、反省していなかったことが同じ結果を繰り返しているのでしょう。結果は正しいわけです。

特に、陸上競技はひどい成績であったように思います。短距離もそうですが、長距離はひどすぎます。簡単に勝てると思っていたにしては、ひどすぎる結果に思えます。むしろ、長距離界の現状をそのまま現しているのではないでしょうか。結局中距離も含め、すべてスピード負けしてしまったということです。

基本はスピードにあるのですが、なぜか強くなるためには『走りこみ』しか考えられないようです。「たくさん走れば速くなる」。この理屈は確かに正しいと思います。しかし、その前に、「毎年、段階的に走る量を増やしていく」ということと勘違いしているようです。

ほとんどが毎年同じようなトレーニング量しか消化できていない、変化のない刺激になっていると考えられます。今年もこれだけ走れたというより、今年も同じだけ走れたという方が適切かもしれません。段階的にトレーニング量を増やしていく計画性がないのか、それ以上増やせないのかどちらかでしょう。

それよりも肝心なことは、速く走れる・走るということが基本的にできているかということです。そこには「走り方」というものがありますが、日本の中・長距離選手の走りはどうみてもスピードが出せる走りには見えません。中東アジアの中・長距離選手の走りと比べれば一目瞭然です。

その走りが結局は最後のスピード勝負で大きくおいていかれる原因にもなっています。長距離を強くするには、中距離が強くならなければどうしようもありません。しかし、ほとんどがマラソンというより駅伝選手になってしまうようです。女子にも同じ傾向があるのですが、わかっていないようです。たっぷり走りこめばマラソンの記録も上がります。しかし、いくらスタミナがついても、相手も同じスタミナであれば、最後はスピードのある方が勝つことはほぼ明らかです。

いくら2時間20分に近づいても、すなわち記録は出せても勝負には勝てないということです。先般のシカゴマラソンでカネボウの高岡選手が2時間6分台で走りました。30歳を超え、トラックで培ってきたスピードが生かされ、5㌔を14分台でゆとりを持って走ることができたのです。

マラソンの練習は、体力の限界に追い込むこともあり、トレーニング量も多いことから、精神的にも耐えられる20代後半になってから始めるべきだと常々思っています。20代前半で結果を出した選手のその後はほとんどないに等しいのではないでしょうか。男女ともにその傾向が見られます。

ここで、合宿というものについて考えてみたいと思います。今回女子マラソンの代表選手は、いずれも高地トレーニングをしてきたようです。そして疲労が抜けきらないという事前の話がありました。

見ていても軽やかな走りではありませんでした。これは完全な調整ミスというより、計画の失敗であると思います。調整合宿というのは、心身ともにリラックスし、試合に完全な体調で望めるコンディションをつくるものであると思います。いわばこれがピーキングであったり、テーパリングといわれるものです。

夏に女子駅伝の合宿の指導に行きましたが、そこでも感じたことですが、合宿というものを『追い込む』『疲労させる』期間であるという認識が多いようです。それはどうでしょうか。合宿は、完全にトレーニングだけに打ち込める環境を整えられた期間という認識にならなければいけないと思います。

したがって、合宿も年間計画の1部として計画されるものであり、特別な練習期間になってはいけないはずです。特別な練習期間にするから、今まで経験したことのない練習をしたり、無茶な追い込みをすることで、合宿中や合宿後に怪我をしたり、体調を崩してしまったりするのです。

合宿そのものの考え方を改めるべきだと思います。集中してトレーニングができ、その後は十分休養・休むこともできる環境でやれるようにすべきです。合宿期間だけ、1日のトレーニング回数を増やして、選手が筋肉痛やからだの痛みと戦っているのが合宿だという認識は考えられません。

そんな詰め込み主義のトレーニングをしているから、いくら合宿を重ねても成果が現れないのです。すべては、年間の、また数年間の長期計画から1つずつ課題を解決していく指導がなされることを期待したいものです。あまりにも、トレーニング計画に関して理解ができていない状況が見られるのではないでしょうか。

逆に、指導者教育をもっと徹底させる必要があるように思います。経験だけではどうにもならないし、まして『たくさんやればよい』という考え方はナンセンスです。このような考えかたをもつ指導者の結果は、一時的なものに過ぎないといえるのではないでしょうか。先を見つめ、最適な年齢段階で最高の競技会で最高の結果が出せるように、それは20代後半(大半の競技において)のことですが、そのような考えかたをもつ指導者が増えることをのぞみたいものです。

中学や高校の結果が先の結果につながっていない現状を我々はもっと深く反省し、考え方を新たにしなければないのではないでしょうか。

最後に、メディアについても言いたいものです。特にテレビ局では、NHKの深夜を除いて中継は一切ありませんでした。このような大会で日本選手の活躍を大々的に取り上げることで、国民の関心や子どもたちのスポーツへの関心も高まると思うのですが、その動機づけが全くできていないといえます。

アジアのレベルでは、日本選手の活躍も大いに期待できるのですから、オリンピック、世界選手権に次ぐ、ビッグイベントであるにもかかわらず、メディアの取りあげ方は情けないというか淋しい限りです。8月に行われた小さな国際大会であった水泳のパンパシフィックとどうして扱いが違いすぎるのか理解に苦しみます。日本体育協会もオリンピック委員会もメディアの活用なくして選手のレベルアップも期待できないことをわかるべきでしょう。

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