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札幌での練習会|ニュースレターNO.067

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札幌
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前回に話したように、UHPCのメンバーの指導に札幌に出かけました。これまで井内選手が定期的な指導をしていることもあり、いっしょに練習に参加したい・させたいという選手や指導者が多数おられました。

しかし、まだトラックか使えず、室内の直線60m4コースほどしか使えないので、15名程度に絞って、午前と午後の2回ずつ指導することにしました。

参加した選手は中学生、高校生、大学生、社会人まで、レベルも中学チャンピオンから普通の選手までさまざまでした。中学と高校の選手には、必ず指導者もいっしょに見てもらう約束で練習への参加を認めました。

練習会では、UHPCの選手を見るというより、どうしても他の選手たちを見てあげることになってしまいました。その点は心残りですが、全員陸上競技を楽しいと感じてくれたようで、練習会の後、個々に目的を持って練習に励んでいるようです。

場所もないので、走ることとハードルに限って指導しました。基本というか、どうすれば速く走れるのかということから始まりました。そのポイントは、自分で速く走ろうとするのではなく、自然に、からだが進むことをまず実感・体感することです。

進むというより進んでいくためには、何をどうすればよいのかということを知ることです。それを基本にして、まず頭の位置を考えさせました。これまで重心のコントロールということで、おヘソあたりに重心ポイントを意識させて、それを前方に運ぶという感覚で教えていましたが、もっと簡単な重心のコントロール方法がありました。それが頭の位置です。

頭は非常に重いものです。これまでの考え方でいくと、「重心の上に頭がある」ということでしたが、それを「頭の重心の移動にからだがついてくる」という考え方をするわけです。

この方が、おヘソあたりの重心をコントロールするよりも簡単に重心を前に運ぶことができます。頭が前に行けば、足を出さないと倒れてしまいます。そのために条件反射として頭が前に行けば何も考えずとも脚は前に出て行きます。

さらに腕を前方にやや放り出す感覚で振れば、さらに前方に進むようになります。走るのではなく、走ってしまうのです。

後は、足のつき方です。ほとんどの選手は、足をフラットにつけません。つま先が外に向いたり、内に向いたり、つま先からついたりしています。そうすると、足の裏全体でしっかり体重を支える局面がなくなります。またそのような状況で、地面を押しても大きな力は生まれません。

フラットな状態でつくことによって、最も大きな力を引き出すことができるのです。これは簡単に修正できます、修正できればすぐに大きな力として跳ね返ってきます。そうすると、ランニングリズムが生まれます。それまでばたばた走っていた選手たちの足音もすっかりリズミカルなものに生まれ変わります。

足音を聞けば、どのような状態で着地しているかわかります。ただ、間違ってはならないことは、速く走っている時には、フラットに着くタイミングはほとんどありません。自然にフラットな着地ができていれば、速く走るときにも脚の力を最大に引き出すことができるのです。

O脚にもならないし、X脚にもならない、ストレートな脚へと変身します。簡単に言えば、X脚やO脚で走っていると、脚の外側や内側の一部の筋肉しか使っていないことになるのです。ストレートな脚の使い方ができれば、脚の内と外、そして中央というように全部の筋肉を集中して使えるようになります。

文章的な説明ではなかなか理解できないと思いますが、実際に選手の走りを見ていると目の前で変わる、すなわち進みだすことがわかります。

また走っている本人も、なぜか前に進んでいく感じになるのです。このような走りをすると、無駄なエネルギーを使う事が無くなるので、走っていても疲れないし、息も弾みません。不思議なようですが、「水が流れ落ちるように」、また「大きなボールが坂道を転がるように」進むのです。

現状の体力に応じた走りができるようになります。すなわち、さらによく進む人との差は、筋力や体力面にあるのです。

このようなスムーズな走りは、誰しもできるのです。先天的なものの差が出るだけで、誰しも気持ちよく「流れるように」「転がるように」走れるのです。今回の練習会では、こんな体験をしてもらいました。

選手はもとより、指導者の方々も目の前で変身していく選手を見て満足されていたようです。

気持ちよく、スムーズに走れるようになると、ハードルもすぐにうまくなります。私は、ハードルはランニングリズムでクリアーしていくものと考えていますので、ハードリングというものは、形ではなくランニング動作の一部であると教えています。

ハードルを越えようとして、ある形を作るように教えると、ほとんどは窮屈でむつかしい動きになってしまいます。それではうまくハードルをクリアーすることはできません。うまくクリアーするということは、無理がなく、スムーズな動作が必要なのです。それをランニングリズムの中で教えます。

どんどんスムーズにハードルをクリアーする選手を見ていた中学生が感想に書いていますが、「動きが止まらずに走りつづけている」と表現しています。まさにそのとおりでした。楽に、スムーズに行うことでハードルに対する恐怖感もなくなってしまうのです。

自分のからだに無理をしないということです。一人一人体格や動きが異なるので、同じ動きを押し付けることはできません。一人一人違ったポイントをアドバイスする必要があります。

そんな中で私も感動したのですが、女子の高校生で100mHをしている選手がいました。ベストタイムは20秒をやっと切れる選手です。とてもハードル間を3歩でいくことは出來ませんし、夢のような話です。

初日に見たときは、一人目立った存在でしたが、時間の経過と共に目立たなくなりました。2日目には、走りもよくなり、よく進むようになり、最初で最後でしたがハードルの指導もすることにしたのですが、5歩ではうまく行くのですが、3歩になると当然のようにいけなくなります。

しかし、よく見ていると、ハードリングもよいし、ハードル間の走りもよくなっているので、後は一台目のスピードがたりないだけと判断しました。

室内なので当然1台目までの距離が5mほど短くなっていたから尚更スピードはつきません。そこで、それまでに練習していた出だしの加速をそのままのイメージでやってごらんとアドバイスしたところ、いけそうになってきました。

途中、「ああ・・いけた」と思ったら勇気がなかったのか2台目を跳びませんでした。私が思わず「ああ」と声を出したら、なんと周りから同時に「ああ・・おしい」という声があがったのです。選手も指導者も全員彼女のことを見てくれていたのです。それで次は必ず跳べると思いました。

勇気をもっていきなさいというアドバイスだけです。そして、次のトライアルでは見事に2台目を成功し、大歓声が上がりました。その感動は涙となって現れました。次のトライでは3台目までいけたのです。

一人の選手の成功は、みんなの成功であり、素晴らしい練習会でした。このような感動があるから教えることは楽しいです。何よりも選手が楽しそうに次々と考えてトライしていく姿を見ていると、それだけでうれしいものです。

選手たちは自信を持ってもっと高いレベルにチャレンジしようとしてくれるようになりました。自分の潜在能力を出し切れることはないのです。今の結果は今の努力の結果でしかありません。無駄な努力の結果であれば、もっと効率のよい、効果的な努力をしていけば夢は無限に広がるはずです。

ほかにも素晴らしい選手がたくさんいました。今年の中学や高校の選手権で頂上に立てる人もいます。しかし、願わくばその先に世界を目指しつづけられるように育ってほしいものです。そして、将来環境が許せばUHPCに入ってもらいたいと思っています。

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