中国から帰って|ニュースレターNO.068

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3月の終わりから中国に出かけました。目的は、大連にある遼寧師範大学体育学院での講演と北京体育大学に行くことでした。遼寧師範大学には98年からほぼ毎年この時期に行っており、講演もやってきました。

ただし、昨年は知人が日本に留学していたために行きませんでした。非常に近いところなので旅行疲れもありません。時差も1時間だけです。大連は、旧満州で、非常に環境のよいところです。また急速に近代化が進んでいます。

遼寧師範大学は、文字通り教育大学であり教員養成の大学です。学生数は17、000人ほどいます。中国では一人っ子政策で子どもの数が減少していく傾向にありましたが、今年から二人まで認められたようです。

したがって今後子どもの数が増え、必然的に教員の数も足りなくなるということで、一番人気のある大学、学部が教育、すなわち師範大学だそうです。

中国の大学は、ほとんどが全寮制であることから、大学内はまさに人、人、人です。町に出ても人、人、人、食事に行っても人、人、人です。人に醉うというのでしょうか、そんな感じになります。そして、この国は動いていると感じます。

ちょうど日本が東京オリンピック以降に近代化に向けてまい進していた状況にそっくりです。この調子で行くと、数年後には本当にすごい国になっていると思います。

遼寧師範大学体育学院での講演は、『コーディネーション』についてでした。体育学院の二年生と大学院生約80名ぐらいに話をしました。ちょうどよい機会で、私もそれなりにコーディネーションについて勉強していきました。

そこからコーディネーションの考え方そのものが明確に理解でき、これからのトレーニングや技術指導に大いに役立ちました。最近は特に雑誌でも注目されていることから、皆さんもいろんな形で取り入れられていると思いますが、その本質をとり間違っていることが多いように感じます。

コーディネーションということばは、英語のcoordinationから、すなわちアメリカの書物の中から使うようになってきたと思います。調べてみると、『コーディネーション』と『コオーディネーション』という、英語ではcoordinationとco-ordinationの違いがあり、意味も異なるということです。

そして、我々がこれまで見てきたのはcoordinationというものであり、すべての動作は脳からの指令によって形成されるという考え方でした。

だから、コーディネーショントレーニングはある動作ができるようになるまで繰り返し行っていたわけですが、co-ordinationの考え方では、ある動作をできるようにすることではなく、いろんな状況・動作を経験させることで、ある動作をやりやすくさせるという考え方です。この違いは非常に大きいと思います。

考えてみれば、日本の指導者に見られる無理な動作の押し付けは、このco-ordinationの考え方に属するのかもしれません。このように考えれば、無茶なトレーニングや練習をしていても選手は育つことに納得できてしまいます。

本来は上手くミックスさせなければいけないわけです。すなわち、できないことをやらせる前に、まず基本的な動作ができていなければいけないということを忘れてはいけません。このようなco-ordinationの考え方が理解できれば、トレーニングや練習方法に格段の広がりが出てきます。

結局、脳がすべての動きを支配するというcoordinationの考え方はアメリカ式であり、あらゆる状況を経験させ、そこから目的の動作を容易にさせるという考え方がドイツ式、この考えも出所は旧ソ連の科学者からです。

それから中国で始めて列車に乗り、それも寝台車に乗って大連から10時間かけて北京まで行きました。2008年に北京オリンピックが開催されますが、まだ準備も始まっていないようです。ただ町の大きさ、道路の広さにびっくりです。

大連以上に人の多さと空気の汚さにびっくりです。オリンピックが開催される夏は、これに黄砂の影響も大きいそうです。建設ラッシュなど近代化の代償ですが、それまでに整備されないととてもこの空気では競技はできません。

北京では、北京体育大学に行きました。なんと、単科大学であるのに、学生数は7、000人いるそうです。

これまたびっくりです。今年で創立50年を迎えるそうです。ここでの目的は、一番大きな体育大学であり、古い文献も数多くあるのだろうと期待して、図書館に行きました。しかし、残念ながら、あまり古いものはなく、むしろ最近のもののほうが多くありました。そこに、私の本もありました。

中国語に翻訳されたもので、「スポーツ外傷・障害とリハビリテーション」です。何か恥ずかしいやら嬉しいやらでした。

そんな中で、マトヴェーエフ氏の陸上競技の理論書を見つけることができました。1955年、北京体育大学ができて2~3年と思いますが、北京体育大学で講演されたようです。陸上の専門家と二人で理論編と実践編を担当されたようです。その講演記録が本となっていたのです。

B5版で870頁ありました。それを借り出して、日本から持ち込んだスキャナを使い、ホテルにこもってすべてスキャンしました。貴重な財産であり、北京まできたかいがありました。

その他、主に陸上関係の本をスキャンしました。それも古いもので、内容はすべてソ連のものです。要するに中国でソ連の文献を見つけるのが目的でしたので、それなりの成果がありました。文献のスキャンの合間に、陸上の練習も見に行きました。

ちょうどスポーツ学校の選手の練習もやっていたので、興味深くみていました。やはり選手の体格や素質が見てとれます。タダ残念なことは、指導方法が教科書そのものであるということでした。個性がありません。すべての選手にすべて同じ動作を求めていました。これでは選手の能力も上手く引き出せません。

中国では、どの教育大学であっても、同じ教科書を使い、同じことを教えなければならないそうです。全国どこでも同じことを教わるということです。これだけ教科書的に指導されると、選手を育てているという感じはまったくしません。それでも走れるし、跳べるのです。

素質のある選手を集めているのですから、当然なのですが、やはり多くの選手が早く限界に来て、スポーツ学校から放り出されるようです。まさに使い捨てという感じです。ただ、中国では、一度素質があると見込まれてスポーツ学校に入ると、リタイアしても希望する大学に入れるし、その後の就職(主に体育の教員やスポーツ学校の指導者)も100%保障されています。

この点はすごいことです。素晴らしい体格をして、素質があるのに、このような練習では先が見えているなと本当に感じました。きっちりやれば当然世界で活躍できる選手がまさにゴロゴロいるのです。

コーチの人と話をすると、まず聞かれることは日本ではどんな練習方法をしていますか、というように「How to」を聞きます。日本とまったく同じ状況です。確かにトレーニング方法は大事ですが、そのまえにもっと走り方、動き方などの自然な動作を教える必要があるのではないでしょうか。

それができて初めて次のトレーニングが生きてくるはずだと思います。

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