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2005夏を振り返って|ニュースレターNO.127

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もう9月になってしまいました。今年の夏は三重での勉強会、久留米での勉強会、北海道でのUHPCクリニックと、外での活動はこれだけでした。しかし、来訪者も多く、いろんな方とお会いすることができ、私にとっても貴重な夏休みであったように思います。

近頃は、お会いする方々と話が弾むと、平成スポーツトレーナー専門学校の夢ばかりを語っているようです。まだ私自身2年目なのですが、ようやく足元が固まり、それに似合った学生を集める段になりました。こんな人たちに来てくれたらどこにも負けない教育をして、立派に独立できるようにします、と言い続けています。

それだけの準備ができたという自信もありますし、そのように言い続けることによって自分の夢をかなえようとしているのでしょう。

事実、平成スポーツトレーナー専門学校を尋ねていただいた方々には、そのことを納得していただいています。とにかく、現場を見ていただくことが一番です。どこにも負けないカリキュラムと教育体制が自慢です。また、編入制度も整え、専門学校や体育系の大学を卒業された方に、2年間ではなく、1年間で自分が必要と思う講義を自分で選択してもらえるようにしました。まさに、良いところ取りです。

もっと突っ込めば、上記の卒業者は、丸1年間受ける必要もないと思います。前期だけで、1・2年生のカリキュラムから自由に選択し、それでOKと思えばそれ以上受講の必要もなくなるでしょう。基本は、その人にとって一番特になることをしてくれたら、ということです。

大学や他の専門学校では絶対学べない将来独立できる技術・テクニック・手技をぜひ学んでいただけたらと思います。本学の入学に関していろんな相談も受けますので、遠慮なくお尋ねください。意欲・夢を御持ちのかたがたが集まっていただけることを期待しております。

さて、今回は私が夏休み期間に購入した図書の中から、すべてではありませんが目を通したものを紹介したいと思います。そのリストは次のようなものです。

「野口体操 感覚こそ力」 羽鳥 操 春秋社 2002
「野口体操 ことばに貞く」 野口三千三語録 羽鳥 操 春秋社 2004
「野口体操 おもさに貞く」 野口三千三 柏樹社 1999
「野口体操 からだに貞く」 野口三千三 春秋社 2002
「野口体操 野口三千三+養老孟司」 野口三千三、養老孟司、羽鳥 操 春秋社 2004
「野口体操入門 からだからのメッセージ」 羽鳥 操 岩波アクティブ新書 2003
「原初生命体としての人間」 野口三千三 岩波書店 1996
「操体法 「ひずみ」を正せば体が治る」 佐藤 武、池田克紀 家の光教会 2000
「コアビリティトレーニング超走」 山下哲弘 ベースボール・マガジン社 2005
「筋膜リリース:神経発達学的治療への応用」 古澤正道、中徹共訳 協同医学出版社 1998
「整体法 からだの自然を取り戻せ!」 井本邦昭 三樹書房 1999
「構造医学 自然治癒のカギは重力にある」 吉田勤持 エンタプライズ 1999
「身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生」 斉藤 孝 日本放送出版協会 2002
「センター・体軸・正中線」 高岡英夫 ベースボール・マガジン社 2005/08/30
「Tarzan特別編集 100m末績慎吾」 マガジンハウス 2005
「身体の文学史」 養老孟司 新潮文庫 2001
「自分の頭と身体で考える」 養老孟司、甲野義紀 PHP研究所 2004
「ゆる」身体・脳革命 不可能を可能に変える27の実証 高岡英夫 講談社+α新書 2005
「整体入門」野口晴哉 筑摩書房2005
「ボディワーク入門―ロルフィングに親しむ103のテクニック」 小川 隆之他 朱鷺書房 2005

この夏休みは、特に身体調整ということをテーマにいろいろ調べてみました。ホームページからもいろんな情報がえられました。それら全体を見ていく中で共通している事があります。それは『重力』というキーワードです。

我々は地球上にいることから、重力に対していつも抵抗したり、緊張して生活しているということです。その抵抗因子である「重力」といかに仲良くするかということが、からだに、また局所にストレスや緊張をためないことになるということです。いわゆる『自然体』が理想ということになるのでしょう。

その自然体を取り戻す方法としていろんな考え方があり、いろんな方法があるということです。野口体操、野口整体、整体法、操体法といわれるものは、自ら体を動かして緊張を取り去ろうというものです。

骨格構造の修正ということになるのでしょうか。また、筋膜リリース、筋膜マッサージ、ロルフィング、またSIテクニックと呼ばれるストラクチュラル・インテグレーションという方法もありますが、これは身体の結合組織である筋膜にアプローチするものです。その考え方は身体の形を形成しているのが筋膜であり、筋膜が緊張やストレスを受けていると短縮したり変形してしまうということにあります。

上記の方法は、いずれも効果があります。非常に興味深いものばかりです。私も自ら体を動かすことで緊張がどんどん取れてきています。今までは、立っているときにも脚の筋肉の緊張を感じていたのですが、最近では脚の筋肉の緊張を感じることはなく、骨で支えて立っているように感じます。

その分、筋肉が膨らみ、脚が太く見えるようになりました。また、背部や腰部の緊張も取れ、身体そのものも軽くなってきました。本当に、重力に逆らわないこと、重力をうまく活用すること、それによって身体のバランスがよくなるだけでなく、スポーツパフォーマンスにもよい成果がもたらされます。これまで言ってきた「楽にやりなさい」ということにますます拍車がかかりそうです。

今回は、筋膜を見直すということで、非常に参考になるRegi Boehme著「筋膜リリース神経発達学的治療への応用」共動医書 1998の中から、ポイントになるところをピックアップして紹介します。

『一般に膜組織は身体の各部位を適切な位置に保ち、支えておく機能をもっている。膜組織は組織内で細胞を結びつけると同時に、器官を形成するために特殊な組織を結合させる役割もある。膜組織は神経とともに器官や血管を支持し、代謝の輸送の援助もしている。

筋肉は、不規則な格子の形状に編まれた筋膜に包まれている。筋肉は、筋膜が平行な方向に密に編まれた組織である腱を通じて骨に付着している。骨と骨は、関節を構造的に安定させる特別な組織の靱帯で連結されている。

筋膜組織には、有効に機能していない身体の部位を補足的に支える働きがある。姿勢のうえでストレスを生じやすい部位では、筋膜は短縮して互いにつながりあってしまう。したがって筋膜は姿勢と運動に大きな影響を与える。』

『筋膜はコラーゲン(膠原質)から成る。コラーゲンには組織に強度を与え、形状をつくる役割がある。エラスティン(弾性素)には筋膜に形状を保つ役割と、粘弾性を与える役割がある。コラーゲンの分子は、線維芽細胞内でつくられる蛋白質のゆるやかな鎖として始まる。

1つの蛋白質の鎖は左方向へ回旋した螺旋構造となっているが、他の2つの鎖と接続するまで線維芽細胞内で浮遊している。3つの鎖は並び、右方向へ互いに螺旋状に巻きあって、結果として構造的に強さを増していく(Juhan1987)。この三重の螺旋構造がコラーゲンの1分子となる。

コラーゲンは線維芽細胞の外へ出ると、損傷や感染やストレスのある部位に細胞間物質のリンパを通して移動する。このリンパは生卵の白身のような粘りをもつゲル状の液体である。コラーゲンは筋線維間の摩擦を減少させ、筋肉の運動を容易にする。コラーゲンは煉瓦(レンガ)の壁のように寄り集まり、重なり合い、横から横へと結合していく。コラーゲン分子どうしは水素結合し、丈夫で安定した構造となる。

線維芽細胞は身体のどの部分にも移動する能力をもっている。線維芽細胞は局所の状態に応じて化学的変化をおこし、身体からの要求に応じて特殊な組織形態をつくる(Juban1987)。瘢痕組織は線維芽細胞によってつくられる新しいコラーゲンである。

コラーゲン分子の結合様式は、線維芽細胞によってつくられる細胞間物質の局所の性質によって規定される。細胞間物質の粘稠度または密度は、高濃度から低濃度まで変化する。細胞間物質の濃度が高ければより厚みが増し、柔軟性に乏しい筋膜となる。』

『膜組織は全身に連なっている。この膜の連なりは、次のような身体内ネットワークとして考えられる。

1.頭部からつま先までの全身に連続する鞘状構造とそのネットワーク
2.表層から深層に至るまで連続するネットワーク
3.肉眼的レベルから微細なレベルまでの連続したネットワーク

したがって膜組織は区分されたものでなく、また構造的にも分割されたものではない。その意味で膜組織は単一組織であるが、部位によって組織の密度や役割は異なっている。

以下に膜組織のいくつかのタイプを紹介する。

漿膜は体腔に添うように存在し、器官を包んでいる。同様に漿膜は血管や神経を包んでいる。漿膜では体液に対する線維数の比率は低く、柔らかく弾力性のある性質となっている。脳室腹腔(V-P)シャントや胃チューブを支える組織はこのタイプの膜組織である。動きを得るために腹部を緊張させ固定に使おうとすることがある。このとき漿膜は短縮され、またかなり可動性を失ってしまい、腸や直腸に圧迫が与えられてしまう。

2つめのタイプは皮膚のすぐ下にある表層の膜組織である。これは漿膜よりも体液に対する線維成分の比は大きく、あらゆる方向に大きな可動性をつくるため、ゆるく不規則な格子状に並んだ形態をとっている。

長期にわたり痙性の影響をうけると表層の膜組織は可動性を失い、皮膚は光沢をもち張りつめた状態になってしまう。これはとくに痙性のある手の母指の指間腔、肘屈筋の表面、痙直型両麻痺児の股関節内転筋の表面で観察される。また痙直型四肢麻痺児や片麻痺児の頚部や腋窩にもみられる。

深層の膜組織は体液中の線維成分の比率が高く、より密な編み方となっている。この膜組織の線維は不規則に配列しているので、加わる力に応じて線維の配列を変える。筋肉はこの深層の膜組織の中にある。健康な状態ではこの膜組織は柔軟でしなやかで、筋肉を効率よく収縮させたり伸張させたりする。

同じ深層の膜組織でもさらに密な形態となった膜組織は、筋肉と筋肉を分ける仕切りの役割をする。この膜組織は局所では筋鞘をつくり、体幹や四肢ではそれらを包み込む。この膜組織は高い密度で整然と平行な状態で並び、腱や靱帯をつくる。もっとも深層の膜組織は中枢神経を包んで支える硬膜の管をつくる。』

『望ましくない膜組織どうしの癒着は、炎症、傷害、姿勢へのストレスを生じさせ、最終可動域までの全自動運動を妨げる。このような状況のもとで、ある姿勢で身体を支えようとすると筋膜には短縮がおこり、さらに骨格の非対称パターンの中で膜組織は隣接の組織と癒着してしまう。

本来機能的に分かれて存在していた構造物どうしが癒着すると、双方の自由に滑り合う能力が損なわれてしまう(Rolf1977)。癒着が進むにつれて、個々の筋肉の活動は妨げられてくる。肩甲帯の場合、僧帽筋と菱形筋が胸郭や脊柱に癒着するだけでなく、双方の筋肉どうしも癒着しやすくなる。

これらの筋膜の癒着は肩甲帯の上方および下方回旋を妨げ、リーチの幅を制限し、姿勢コントロールを非能率的にする。殿筋とハムストリングは互いに癒着しやすく、股関節の分離した運動を妨げる。横隔膜と腹直筋が癒着すると、呼吸運動を円滑にすることができなくなり、呼吸機能は低下する。

この部位での短縮が著明な場合は、脊柱の伸展運動を妨げる。神経学的損傷をうけた患者では、癒着により二次的に姿勢緊張の不均衡が生じる。

望ましくない癒着は組織内に蓄積物を過度につくる。関節周囲では厚く結合組織が巻きついた状態になり、筋腹では堅い線維性の索や嚢包をともなって線維性の腫脹が生じる。線維性の索は腰部伸筋群や股内転筋周囲の軟部組織内によくみられる。

筋膜内のこれらの制限因子は筋活動を低下させ、非効率的なアライメントで骨格を支え、運動学的に骨に対する筋肉の牽引の角度を変えてしまう。結合組織の過度な癒着は痙性が存在している部位と関係している。癒着はその中心となる部分から近接の組織へと広がっていく。

全身的に弛緩した症例や、弛緩した四肢、そしてポリオの症例にも誤った筋活動が共通してみられる。筋膜の短縮は、関節周囲での筋肉の協調した活動の欠如によっておこる。たとえば股関節筋群の活動が乏しいときに立位で股関節外転筋を機能させていくことは困難であるので、大腿筋膜張筋に吊り下がり寄りかかるかのような立位姿勢をとる。

筋膜の短縮は大腿筋膜張筋にかかるストレスによって悪化する。この短縮は筋線維の滑動性を減弱させ、すでに制限されている股関節外転筋の活動をいっそう妨げる。短縮は筋肉が大腿骨に癒着するように進行する。このように筋活動の乏しさが明白なときには、筋線維の滑動性を増加させるために、筋膜リリースを使用する。そうすれば筋活動を改善することができる。』

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