プロフィール おすすめの記事 ニュースレター

お客様の声 お問い合わせ 無料体験

ジャマイカキャンプ観察記|ニュースレターNO.174

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

8月11日から21日まで、世界陸上に出場するジャマイカチームのキャンプが鳥取県で行われることになりました。それで、鳥取陸協からトレーナー派遣の依頼があり、平成スポーツトレーナー専門学校の教員をスタッフとして派遣することになりました。わたしは、遅れて14日から20日まで視察に出かけました。

暑いけれど、日本海からの風があるということで鳥取に決定したようですが、ほとんど風が吹かず、おまけに全国的な猛暑となり、練習時間の変更も余儀なくされたようです。当初、朝は9時30分から、午後は16時からの予定で、2日間ほどやりましたが、暑熱障害の選手が出たことから、15日からは、朝は6時30分から、午後は17時からに変更されました。

ジャマイカ選手は、時間的なルーズさもなく、時間どおり行動していました。選手も早朝6時30分からの練習にもかかわらず、眠そうな顔をしている選手もいないし、朝食も取らず元気よく練習していました。競技場につくなり、即ウォーミング・アップが始まりました。

そのアップは、ジョッグから始まるというものではなく、軽くスプリントイメージで走ったり、軽い体操から入ったりというものでした。15日の早朝には、前日関空に来日して、鳥取に移動した100m世界記録保持者のアサファ・パウエルも練習に参加しました。

今回のキャンプの練習を見て、フラット接地や立位姿勢、スプリント動作などについて、これまで私が指導してきたことの確認にもなった事もありますが、その他にも参考になるところが結構ありました。以下に、私自身が感じたところをまとめてみました。

・ウォーミング・アップは早朝6時30分からの練習でも、夕刻の練習でも、40分程である。その内容は、軽い体操、踵の引き付け・膝の引き上げなどのドリル、20~30mのイメージラン、股関節のダイナミックストレッチ、ハムストリングスのストレッチングなどを組み合わせていた。最初の長いジョッグはなかった(長いジョッグをする場合もある)。また、最後に流しをすることもなく、ダッシュに入ったり、150~200mのスプリントも行っていた。

・本練習は、30分ほど、全体の練習時間は90分ほどであった。

・ち姿が美しい。下肢の骨に垂直に乗っているイメージがあり、足元のシューズが地面にフラットに密着しているように見える。その状態で歩くと、安定したシューズの上に立っている感じがある。

・姿勢の美しさは、殿筋の発達による出尻と骨盤が前傾していることからくの適度な前傾姿勢にある。そのような直立姿勢から、踵方向に体重が乗りやすくなっているのか。つま先歩行ではなく、フラット着地の歩行で、その原動力は発達したお尻の筋肉で歩いているように見える。また、ハムストリングスの発達も素晴らしく、下腿は長いがさほど筋肉の発達は見られないことも、姿勢、スタイルのよさを際立たせているのかもしれない。

・つま先ジョッグなどは見られず、フラットな接地、弾まないジョッグで、下に叩く・踏み込む感覚でジョッグや軽いスプリントをしていた。特に、接地の音が大きい印象がある。そして、ダッシュなどのスプリントの減速の際、べた足になるよう意識しているように感じた。

・スプリントのイメージは、頭を先導させた前傾と膝の引き出しで、弾まないで直進移動していく感がある。イメージランのときは、型にはまった固まったイメージのランニングで、弾まない、ストライドも伸ばさない、テンポアップのランであるが(ヒールコンタクトになっている選手も多い)、スピードを上げて走るとイメージがまったく変わって大きな動きになる。

ストライドも長くなり、弾みは見られないが、上体がどんどん前に進められていく。ドリルの動きと、実際のトップスピードの動きの差がありすぎるので、トップスピードになると、まるで別人になる。

・スタートからは、頭を前方にもっていった深い前傾姿勢を維持し(30-40mまで)、ひたすら膝を前に前にもっていくイメージである。膝を曲げて前方にもってくる意識はなく、すり足感覚で膝を前に速く出すイメージである。その後は、真下かやや後方へプッシュ・押し出す・突き放すイメージで、膝の曲げ伸ばしがほとんど目立たない。

・足首は固定された状態で、下方に叩く・叩き込む感じで、下腿三頭筋などをあまり使わないので、下腿部の細さが目立つ。そして、後方への脚の動き(キックや突き放しなど)は、ほとんど目立たないので、膝が伸びる局面も見られない。とにかく、下方への動きを意識しているように見える。

・腕振りは自然で、素早く振ることだけ意識しているのか、コンパクトで目立たないので、手足の動きのバランスがよく見える。

・女子の100mハードルの選手が、常にピッチを意識したイメージでスプリントを繰り返していたことが印象的である。

・アサファ・パウエルについて;

以前に見た映像や写真からのイメージと大きく異なり、実際に見ると、筋肉質な大きな身体で、下腿にもしっかり筋肉がついていて、全身バランスよく筋肉が発達していた。

スタートからの数歩は、左足を引きずって持ってくる。ここに左右の脚の動きの違いが出ていることから、故障につながる感じがする。以前痛めたところは、どこだろうか?家に帰ってから調べたところ、6月に右足のハムストリングスの付け根を痛めたそうである。

スタートが遅いことが課題であるが、それは、左脚の動きにあるのではないだろうか。練習の合間に左のハムストリングスを気にしていたが、右脚だったのだろうか。右脚は普通に動いているように見えるのだが。右脚が痛いのなら、右脚に乗りすぎて、左脚を引きずっているということか。それで、右のハムストリングスの付け根付近にストレスが蓄積しているのかもしれない。本番での不安を感じる。

左の膝を曲げる動きがない・左右の脚の動きが大きく異なることが気になる。左脚をひきずる動きは意識的なものなのだろうか。

スタートは、頭を前方に持っていき、上体も地面と平行に感じるほど深く前傾している。40mまでは確実に前傾姿勢を維持している(選手の中で一番意識的に行っている)。その後も、常に頭から先導しているイメージがある。体幹から首が前に出て、そこに重い頭があり、その重さで前方への推進力を得ているように見える。

150mのスプリントの際にも、コーナーから直線に入るところぐらいまで、積極的に頭を前に出していた。その後も、頭の移動をしてスピード調整している感があった。

立位姿勢でも、肩の垂直ラインに後頭部がきているように見えるほど、頭は前にある。首も少し長いので頭の重さがより前方にかかって、前方に倒れやすいように見える。

数歩出てからの加速力、前方への推進力は素晴らしく、体重があるので、加速に乗ると止まらない感じがある。

この記事が気に入ったら
いいね ! してね!

Twitter で
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*