メディカルストレッチング|ニュースレターNO.197

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8月8日北京オリンピックが始まりました。開会式は、素晴らしかったですね。その一方で、共産国系の国家でしかできない人員の統制のすごさを感じました。正に一糸乱れぬ演技に圧倒されました。そして競技が開始され、数日経過しましたが、注目選手の結果はどうだったでしょうか。

女子柔道の谷選手、残念ながら準決勝で判定負けでした。柔道の試合を見ていて思ったことですが、組み手争いばかりで時間が経過し、まるでレスリングを見ている気がしたのは私だけではないと思います。そこでどちらかに指導が与えられるということで、勝者と敗者が決まってしまうのはつまらない競技と映ってしまっても仕方ないでしょう。いろんな考え方があるのでしょうが、やはり組み合って技を掛け合う柔道を見たいものです。

女子重量挙げ三宅選手も残念ながら6位に終わりました。試合前日の練習後に48.15kgあった体重が、当日の朝47.7kgになり、さらに試合直前には47.3kgにまでおちていたとのことでした。オーバーユースによるものか緊張によるものであったと想像されますが、急激な体重低下で集中力も落ち、力も入らなかったようです。

また、10日の新聞には、マラソンの野口選手が体調不良で検査を繰り返しているという報道がありました。しかし、実際にはスイスの合宿で左脚の疲労性の大腿二頭筋と半腱様筋の損傷がMRIで見つかったそうです。痛みは臀部の下のところにあったそうです。

彼女の走りは、右腕が外に開く腕振りで、そのために左脚が前にでやすくなり、左脚にストレスを受ける走りになっていたことも原因かもしれませんね。恐らくアップダウンの起伏地を走りこんでいたようですから、下りのストレスを脚の付け根で受けたいたのでは想像されます。

10日の夜には、男子柔道の内芝選手が2大会連続の金メダルを獲得し、今大会最初の金メダルを獲得しました。柔道は、いいかげんな判定より一本勝ちを基本にしたルールになればとつくづく思います。

まだオリンピックはスタートしたばかりですので、オリンピックの感想記は、次回にしたいと思います。

さて、今回はメディカルストレッチングについて紹介したいと思います。これまでのストレッチングの概念と尐し異なるのですが、関節を伸ばして、さらに筋肉を伸ばすというようストレッチングとは異なり、一関節筋と二関節筋に分けて、二関節筋を1つの関節を緩めてストレッチングするものです。非常に効果的なもので、ぜひ試してほしいと思います。

メディカルストレッチングは整形外科のドクターである丹羽滋郎氏が名付けられたものです。メディカルストレッチングについては、丹羽氏の著書:メディカルストレッチング-筋学からみた関節疾患の運動療法(金原出版2008)がありますが、ここではSportsmedicine 2008 No.101特集から紹介したいと思います。

『私達の身体を支え、動かす筋は前述のようにその目的に従い、極めて機能的に働いている。一関節筋は、一関節を挟んで骨に付着しており、関節が屈曲・伸展するのに十分な筋の長さと伸びを持ち、関節を安定させる。

二・多関節筋は、二・多関節を挟んで骨に付着する筋で、関節のすべての運動を同時に動かすが、完全に関節が伸展できる長さと伸びを持たない。しかし一つの関節を伸展(屈曲)すると、同時に隣接の関節も伸展(屈曲)し、相互に因果関係を持ち、複雑な動きを素早く、また大きな力を発揮する作用を持っている。

中高齢者は若年者に較べて、関節の可動域が狭くなっているが、これは関節の拘縮と筋の伸展性の低下(特に二・多関節筋)によると考えられる。関節可動域の低下はこの二・多関節筋の伸展性の低下によることが大である。

一般の疾病においても、この状態が考えられ、筋が何らかの原因でその伸展性が低下している時、当然のことであるが筋の起始・停止部である関節周辺に強いストレスが加わり、これが痛み、運動障害として症状となって現れることが多い。このため二・多関節筋を十分に弛緩させることが必要と考える。

運動器疾患の場合、すなわち何らかの原因で筋拘縮をきたしている時一般的なストレッチングによっては、ストレッチングそのものが痛みのために不可能であり、その期待する効果が得られないと考える。実際臨床の場において静的ストレッチングは難しく、PNFストレッチが有効であることがしばしば見られる。これは二・多関節筋について考えると理解しやすい。

筆者らは、臨床的経験からこの二・多関節筋を十分に伸展させるためのストレッチングに際して、筋の起始・停止のいずれかを緩めた形で目的の筋にストレッチングを行うことによって、極めて容易に筋の弛緩が得られ、関節可動域の拡大することを認めている。これをメディカルストレッチングと名付けている。

この現象は二・多関節筋が関連している身体の各関節、肩甲関節、肘関節、手関節、指関節、腰部、股関節、膝関節、足関節、足底部などに観察される。』

『変形性膝関節症に対して膝の可動域(屈曲・伸展)を調査すると、ほとんどの症例は伸展制限(屈曲拘縮)を認める。これに対してストレッチングが行われている。その手技(検査)として、被験者に床上長座位をとらせ足関節を十分に背屈させて、腓腹筋、ハムストリングを伸展し、膝伸展の程度を調査するが、通常5~10度の膝関節の拘縮を認める。

またこの時に、この膝伸展制限に対してBob Andersonの立位でのストレッチング、また床上膝伸展位で下肢を股関節屈曲し、ハムストリングのストレッチングを試みるが、十分な効果が得られないことに気付く。一般にこれは筋拘縮ではなく、膝関節拘縮によるものと理解されている。

このような膝拘縮例(外来診療における膝関節拘縮例、膝教室での膝症例など)に従来の方法(膝伸展位で足関節を背屈する方法)と新しい方法(膝最大屈曲位で足関節を背屈する方法)を試みて比較すると、後者による方法が膝関節拘縮(正確には伸展制限)の矯正に優れていることが明らかであることを経験している。

実際の姿勢・肢位について述べる。床上被験者を長座位とし、膝関節はできるだけ屈曲位をとり、さらに足関節背屈を被験者の手で強制するように指示する。膝関節が十分屈曲できない場合(肣満で体前屈が十分できない場合)は、前足部に適当な長さの布タオルをかけ、足関節を背屈するように引く。このような肢位を20~30秒間、2~3回行うことにより20゜程度の伸展制限は軽快する。

このメカニズムについて考察すると膝関節拘縮(正確には伸展制限)は大腿の後面にあるハムストリング、下腿後面にある腓腹筋の拘縮が主体である。ハムストリング、腓腹筋はともに二関節筋であることに注目したい。この矯正肢位においては、両者とも筋は弛緩した状態でストレッチングされることになる。

すなわち、ハムストリングの起始は坐骨結節に、停止は下腿骨中枢部に、腓腹筋の起始は大腿骨下端内、外顆後部に、停止は踵骨にある。ハムストリングは主として停止側が弛緩した状態で、腓腹筋は主として起始側が弛緩した状態で、それぞれの筋にストレッチが加わるが、その手技では従来行われてきた方法に比較して、弛緩した筋に対してのストレッチングの効果はあまり期待できないと理解されている。しかし、筆者らの経験からこの拘縮筋は十分に弛緩することを明らかに観察している。

膝関節に伸展制限がある時は、二関節筋である腓腹筋とハムストリングは十分な長さと伸展性を持たないため、また加齢により筋の伸びが低下しているため、長座位で股関節屈曲位ではハムストリングの伸びに限界があり、また腓腹筋も足関節背屈による伸びも同様に限界がある。膝関節を最大屈曲した状態では、足関節は十分背屈ができ、一関節筋であるヒラメ筋も含めて腓腹筋およびハムストリングは十分弛緩が得られているので、この筋の拘縮の矯正にストレッチングが効果的に働くと推察される。』

『ストレッチングされる骨格筋は形態学的には、筋起始、筋体成分、筋腱移行部、腱、腱の停止部と肉眼的には区別されるが、組織学的には、筋全体は筋上膜と呼ばれる結合組織鞘により包まれ、その中に多くの筋線維束と呼ばれる筋線維の束よりなる。筋線維束は筋周膜と呼ばれる結合組織で覆われている。

筋を構成する最小単位である筋線維の表面は、細胞膜である筋線維鞘によって包まれ、この筋線維鞘は外層が基底膜(筋内膜)、内層が形質膜よりなっている。この形質膜は細胞内へ陥入し、横行小管系(筋線維の内部環境の維持)を形成している。

また筋線維の端は腱に結合する部位では、筋線維の先端は多くの指状の突起に分かれて、腱の膠原線維と指を組み合わせるように絡み合っている。

筋の起始、停止には腱組織があり、腱は筋へは筋腱接合部を介し、骨へは骨腱接合部を介して接続している。腱は、外部腱(筋の外部の部分)と内部腱(筋の内部の部分)とに便宜上区分され、外部腱は筋腱接合部から骨腱接合部までに達しており、また内部腱はシート状構造(腱膜:aponeurosis)の構造となり、筋線維が停止している。

ストレッチングが行われた場合、どの部分がどのように引き伸ばされるかは、明らかでないが、福永は超音波を用いて、筋腱の動きを大腿四頭筋・外側広筋について安静時と10%筋に負荷をかけた時の変化を観察しており、膝関節の屈曲に伴う筋周膜と腱膜の傾き、長さの変化が異なることを明らかにしている。』

『ストレッチングを行った際に、その効果がどのくらい持続するかについては、何によってその効果を判断するか、大変難しいのであるが、筆者らは、足底筋群について、ストッレッチング(30秒間×2回)前・後の足のアーチの形状について観察を行っている。通常の生活活動の状態(歩行も許可する)においてその形状は約1時間維持されることを確認している。

このことは拘縮の強い筋、長期間拘縮が続いているような症例においては、継続的に、また断続的にストレッチングを行うことが必要と考える。臨床的な筋力・筋張力の増加、維持効果について、筆者らの研究によれば、従来行われているストレッチングに比較して、ストレッチング直後の筋力の低下はほとんどなく、2~3時間の持続効果も認めている。』

『二関節筋のストレッチングを行った場合、筋は関節が完全に伸展できるように、また過伸展できるような長さを持っていないため、過度な伸展が加わった時は、当然のことながらこれに反応して筋収縮が起こり、かえって筋の弛緩が得られないと考えられる。このため静的ストレッチのような手技が必要となる。

しかし臨床の場においては、一般に何らかの原因によって筋拘縮があり、これに対してストレッチングを行うと、筋への伸展刺激は痛みを生じ、十分な筋弛緩が得られない。筆者らは経験的に、二関節筋の起始・停止のいずれかをあらかじめ緩めた肢位、すなわちその関節を屈曲位に保持しながら、二関節の他の関節を伸展していくことにより、その筋のストレッチングが痛みなくできる現象を認めた(前述)。

このことは筋線維のみのストレッチングだけでなく、腱組織、筋腱移行部への影響も考えられるが、筆者らが行っているメディカルストレッチングにおいては、筋の緊張感が通常のストレッチングに較べて低いことから、安静時に膝関節を屈曲するような形で、筋腱移行部に強い刺激を与えることなくストレッチングが行われているものと推察される。

上腕骨外側上顆炎において肘関節を十分屈曲位として、手関節を掌屈するとほとんど痛みなく前腕の伸筋群のストレッチングが可能であり、ストレッチング後筋が弛緩していることを明らかに触れることができ、上腕骨外上顆の痛みが軽快することを経験している。このことは筋の起始部において、筋は外筋上膜に包まれ骨に付着しており、この部位では骨格筋の収縮制御する神経系の積極的な関与は尐ないと考える。』

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