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「スポーツレーナー虎の巻」|ニュースレターNO.217

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前にお知らせしました「スポーツトレーナー虎の巻」がいよいよ完成します。今日、表紙も決まり、後は印刷、製本を待つばかりになりました。今年58歳を迎えますが、これまでやってきたこと、自分自身の考え方が明確になってきたことが何度も読み直すことでよくわかりました。

さらにこれからも努力を重ねて精進してまいりたいと思っております。本当に思い入れのあるものが出来上がりました。

今回は、著書の「はじめに」から抜粋して紹介させていただくと同時に、推薦文を書いていただいた寒川病院整形外科医長の橋本吉登先生の「推薦文」も紹介させていただきます。そして、最後に、大まかなもくじを紹介いたしますので、本の内容も想像していただけると思います。次回のニュースレターでは、出版の報告ができるものと思いますので、ご期待ください。

はじめに

『本書は、私の人生経験の縮図です。

今では、自然体を求め、自然体であれば動きやすいし、パフォーマンスが向上し、怪我をする事もなくなります。自然体が崩れてどこか傷めれば不自然な身体になり、それを元の自然体に戻せば、“直せば治る”という結論になりました。実にシンプルな考え方になりました。「直せば治るし、パフォーマンスも向上する」ということです。

リハビリテーションも結局はトレーニングであるという結論に行き着き、リ-コンディショニングということばを用いて大いにトレーニング理論を活用し、いろんなアイデアのプログラムを考えられるようになりました。私のリ-コンディショニングが評価されるのもその点にあるのでしょう。

いまは“直せば治る”というように『いかに直すか』ということを追求しています。その中で人体の不思議なメカニズムが数え切れないくらいあることがわかりました。底なしの不思議なメカニズムを追求していく楽しさが新しい発見となり、それを伝えていくことも私の務めと思っています。

1998年3月、ロシアのモスクワに行くことができた折、正に奇跡といえるマトヴェーエフ氏との出会いがありました。それから、ほぼ毎年モスクワのマトヴェーエフ氏を尋ね、スポーツトレーニングに関して教えを乞うようになりました。それまでは米国のスポーツトレーニング理論をやっていましたが、マトヴェーエフ氏との出会いからロシアのスポーツトレーニング理論と方法論を探求し始めました。

マトヴェーエフ氏は、ご承知のようにマトヴェーエフ理論といわれる“ピリオダイゼーション理論”を確立された方ですが、ピリオダイゼーション理論の本質は、直接話を聞かなければわからないもので、8回のロシア訪問でいろんなことを理解することができました。

ロシアではトップアスリートを育成するシステムが出来上がっており、「トップアスリートは生まれるものでなく、育てるものである」というほど、考えられた段階的システムになっています。トレーニングの一つ一つの考え方・理論が明確で、いつ、何のために、何をどのように、どの程度やるのか、ということまで考えられています。

そのような部分のトレーニングを長期計画のピリオダイゼーションにマッチさせることによって、トップアスリートが育てられるということが解りました。

マトヴェーエフ氏には、2003年に日本に招待し、大阪体育大学と日本体育学会で講演もしていただきました。しかし、2006年5月に私が心臓の手術をした後、7月に胸腺癌で亡くなられました。マトヴェーエフ氏から学んだ“スポーツトレーニングの考え方”、“選手の育て方”、そして“木を見て森を見ず”は、私の宝ですが、その考え方を広め伝え、優秀な選手を育てたいと思っています。

2004年、体調を壊したこともあり、大学を辞め、平成スポーツトレーナー専門学校の校長に就任しました。

大学では会議などが多くなり、管理職になりそうな状況になったこともあり、残りの人生は夢であるアスリートの指導をしたり、本物のスポーツトレーナーを育てたりすることに時間を使いたいという思いから、今日を迎えています。その年、教育学名誉博士を授与されました。

しかし、専門学校も社会情勢の変化から四年制大学へ移行することから、後1年となりましたが、これからも私のやりたいことに変わりはありません。人に教えることが私の転職であると聞いています。事実、私自身も人に教えているときが一番楽しいです。

だれに何を教えるか、教える内容は多種多様ですが、これまでの経験から実証できているものを一つでも多くの興味のある、そして理解力のある人たちに伝えていきたいと思っています。

一番大事なことは、「どうするか」、「何をすればよいか」ということではなく、まず「どう考えるか」「どう理解するか」ということから始まらなければ、本質が理解できていないので結果は期待できません。しかし、ほとんどの質問が「何をすればよいのか」「どうすればよいのか」というように、具体的なやり方や結果を求めてこられます。

そうではなく、考え方が理解できればやり方・方法論はいくらでも出てくるはずです。考え方が理解できなければ、ただ何かをやっているだけで、指導にはなっていないので、よい結果がえられることはないはずです。

筋力にしても、スピードにしても、柔軟性にしても、そして膝の痛みにしても同じことです。筋力とはどういうものか、スピードとはどういうものか、柔軟性とはどういうものか、そして膝が痛いとはどういうことか、何をしたいのか考えてみれば、そしてその目的に照らし合わせばいくらでも方法は出てきます。

先に述べた自然体とはどういうことか、理解できていれば自然体が崩れ、どこかが痛いのだから自然体に戻せば問題は解決するはずです。当然、その方法は一つだけではありません。いくつもの引き出しを持てるようになるには、その考え方を理解しなければいけません。

本書は、コンディショニングとリ-コンディショニングの分野において、私のこれまでの体験・経験からその考え方をまとめたものです。いかにシンプルに考えるか、いかにシンプルに伝え、またいかにシンプルに直すか、それが私のポリシーですが、それしかできないといえるかもしれません。

本書に書きまとめた内容は、けして押し売りするようなものではありません。このような考え方もあるというように理解していただければ、必ず自分流のものが発見できるはずです。そんなバイブルになることが著者の願いでもあります。』

推薦のことば

『本書を手に取り、もくじに目をやりますと「コンディション」「リ・コンディション」「ストレッチング」などスポーツトレーナーであれば当たり前に知っている用語が次々と飛び込んで来ます。本文も専門家だけがわかるような難解な用語の羅列ではなく、わかりやすい言葉で解説されています。

しかし、各々の項目を読み進めていくに連れて、それまで当たり前に思っていた事柄が次々と正されていくことに気づかれるのではないでしょうか?「虎の巻」と題された本書ですが、実際は現在のスポーツトレーニングの世界を広く見渡し、丁寧に解説した本となっています。

魚住廣信先生はスポーツトレーナーの世界ではおよそ知らない人間がいない「ストレッチング」「PNF」というトレーニング手技や「ピリオダイゼーション」というトレーニング理論を日本に取り入れたパイオニア的存在です。本書ではパイオニアである魚住先生があえてこれらの項目をタイトルに据えて、正しい概念を真っ向から解説されております。

トレーニングの手技・理論は本来その概念を正しく理解し、適応を見極めて実践していかなければならないものですが、物真似好きな日本人はこのような理論の都合のよい部分だけを取り出し、自己流のアレンジを加えた誤ったトレーニング方法で選手を指導したり、中には「××ダイエット」「○○健康法」とネーミングして、ダイエットや健康関連の商売につなげて行く人間がいます。

本書はあくまでも読む人に親切に書かれた解説書ですが、軽薄な「健康業界人」に対して、先生の厳しい警鐘の音が打ち鳴らされている側面もあります。これから真のトレーナーを目指す方々はまずこの本でトレーナー用語の正しい意味や本当の概念を知っていただきたいと思います。

また、すでにトレーナーとして第一線で活躍している方々はこの本を読み、ご自身の活動を一段階、二段階上のステージまで押し上げていただきたいと思います。

優れたトレーナー実践書である本書ですが、最後にあります「魚住の考え方について」だけではなく、魚住先生の哲学で埋めつくされていると言っても過言ではありません。私自身、年に数回は魚住先生にお会いして、直接、教えを頂いている人間の一人ですが、先生にお会いして学ぶことはスポーツ障害やトレーニングのお話だけでなく、その先にある人生哲学や人間そのものを知る人間学です。

この本には実際にお会いして教えていただく時と同じ魚住先生の哲学や人間学がふんだんに盛り込まれています。魚住先生の哲学が染み込むまで繰り返し、繰り返し丹念にお読みになることをお薦めします。』

もくじ

1.コンディショニングとは
2.なぜスポーツ外傷・障害が起こるのか
3.リ・コンディショニングについて
4.クライオセラピーについて
5.ランニング障害について
6.スローイング障害について
7.ウォーミングアップについて
8.ストレッチングについて
9.PNFについて
10.サーキットトレーニングについて
11.ピリオダイゼーション理論とは
12.トップアスリートの育て方
13.わが国のアスレティックトレーナーの歴史
14.スポーツトレーナーになるためには
15.魚住の考え方について

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