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太らない体のつくり方|ニュースレターNO.236

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先週末、平成スポーツトレーナー専門学校最後の卒業式がありました。実に良い卒業式でした。学生たちと一緒に私の卒業式でもありました。大学を出てから組織に属してきましたが、それも終わりです。本当の旅立ちになります。3月もあと一週間、心身ともにリフレッシュして4月を迎えたいと思います。

各地での勉強会も順調に開催されています。やはり物事の本質を知ることが指導者にとっては何より大切なことです。本やDVDで読んだり見たり、また講演や講習会に参加するだけではなかなか本質を知るところまでいきません。学んだことを実践でそのまま使うのでは発展性もなくすぐに壁にぶつかってしまいます。


 本質が分かれば、実戦では応用が利きます。その応用がさらに活用の範囲を広げることになります。そういうことから、4月からは積極的に勉強会を開催して本質を伝えていきたいと思います。レベルアップを図りたい方や自分の知識や実践力を確認したい方はぜひ一度勉強会に参加してみてください。少人数でしか得られない勉強会の価値がきっとわかっていただけると思います。

今回のニュースレターは、メタボリックシンドロームについてです。一時メタボ対策として社会現象的にもなりましたが、今はなぜかあまり言われなくなってしまいました。一つには、腹周りが何センチ以上の人は・・・・という腹周りの基準があやしくなってきたこともあるようです。

いずれにせよ、余分な脂肪は健康に生きるためには支障をきたすことは確かです。どのようにして痩せるのかではなく、どのようにしてシェイプアップするのかという考え方でなくてはいけません。それを示唆してくれる著書が石井直方著:一生太らない体のつくり方(エクスナレッジ2008)です。シェイプアップに興味のある方は基礎知識として知っておくべき事柄がたくさん書かれていますので、是非著書をお読みください。今回は、ポイントを抜粋して紹介したいと思います。

『メタボリックシンドロームの定義を押さえておきましょう。これは、2005年4月に、日本肥満学会、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会など、8団体によってつくられた診断基準です。

まず内臓脂肪型肥満であり、そのうえで、血圧、血糖、血中脂質の三項目のうち、二つ以上が規定の値を超えた場合を、メタボリックシンドロームといいます。

内臓脂肪型肥満とは、内臓脂肪断面積が100平方cm以上の状態です。正確にはMRIなどで検査しますが、その目安としては、ウエストまわりが男性の場合で85cm以上、女性の場合は90cm以上としています。測るときは、お腹を無理にひっこめたりせず、軽く息を吐いた状態でへそまわりを測ります。服のウエストサイズとは違いますので注意しましょう。

ちなみに、脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪があります。内臓脂肪は内臓の周囲につく脂肪、皮下脂肪は皮膚の下にある皮下組織という部分につく脂肪です。ウエストまわりが太いわりに、あまり皮膚をつまめないというのも内臓脂肪の特徴です。女性の場合は、太っていても皮下脂肪ということも多いようです。

また、とくに男性の場合、一見痩せているように見えても、実際には内臓脂肪がついているという人もいます。こういう人をいわゆる「隠れ肥満」といいます。気になる場合は、体組成計などで体脂肪を測定してみることをお薦めします。成人の男性で19%、女性で25%より値が大きいと肥満とされています。ただし、電気抵抗を用いる体組成計を利用しても、正確に体脂肪、とくに内臓脂肪を測定することは困難なため、目安としての利用ということになります。

メタボリックシンドロームの定義を説明しましたが、メタボリックシンドローム、イコール、即、生活習慣病というわけではありません。しかし、その予備軍(選択項目三つのうち、ひとつだけがあてはまる場合)も含め、緊急に現状を改善する必要があるのは確かです。』

『脂肪組織をつくる脂肪細胞は、脂肪の蓄積量が増えると、20種類以上の生理活性物質を分泌します。これらの物質は「アディポサイトカイン」と総称されますが、内臓脂肪は皮下脂肪にくらべ、その分泌活性が数倍も高いという特徴をもちます。

アディボサイトカインは、本来は体に有用な物質として働くのですが、その量が度を超すと、さまざまな「悪さ」をします。たとえば、アディポサイトカインのなかのTNF-αという物質は、動脈壁に炎症を引き起こし、動脈硬化になりやすくします。さらに、白血球に働いて、「レジスチン」という物質を分泌させますが、この物質は、脂肪、肝臓、骨格筋などに作用して、インスリンによる糖の取り込みをブロックします。

その結果、インスリンがやってきても、これらの組織がそれに抵抗して糖を取り込んでくれない、すなわち、血糖が下がりにくい「インスリン抵抗性」を生じ、糖尿病へと進みます。血糖が高くなると、血管のさまざまなたんぱく質が「糖化」し、動脈硬化も進みます。くわえて、PAI-1というアディポサイトカインは、血液凝固を促進し、血のかたまり(血栓)をできやすくします。

これが、内臓脂肪型肥満から糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞へと至るシナリオの一部です。ということは、現在は予備軍ですらない人でも、加齢による代謝の減少を強く意識していただかないといけないということになります。なぜならば、年齢を重ねることで、誰でも代謝が落ちる、すなわち体に蓄えられた脂質や糖質をエネルギーとしてうまく使えなくなってくるからです。

つまり、何もしなければ、どんな人でもメタボリックシンドロームに近づいていってしまうということです。脅かすつもりはありませんが、事実なのです。

これが一番恐いことです。厚生労働省が2007年に発表した資料によれば、30歳から60歳代の男性、および60歳代の女性の三分の一が肥満に該当。さらに、40歳を過ぎた男性の場合、予備軍も含めれば、二人に一人がメタボリックシンドロームに該当します。

なお、現在、メタボリックシンドロームの診断基準については議論がなされていますので、今後、基準値が変更されることがあるかもしれません。男性でウエストまわり85cmというのは多くの人が該当してしまうこと、また臨床的に有用性がないのではないか、というのが基準値の変更を求める大きな理由となっているようです。』

『40歳を過ぎると目立って代謝が落ち、それにともなって脂肪の増加も際立つようになります。これは、筋肉量の減少によって起こります。筋肉量が落ちるため、それによって基礎代謝が落ち、徐々に体内にため込まれる脂肪が増えるのです。

基礎代謝は、筋肉量に正比例しています。誤解されている人が多いようですが、代謝、すなわち、人間が消費するエネルギーで、もっとも大きな割合を占めているのが基礎代謝です。その割合は、消費エネルギー全体の60%から75%におよびます。運動などの活動によって消費されるエネルギーは、20%から30%程度に過ぎません。

基礎代謝とは、生命を維持するために最低限必要なエネルギーのことです。つまり、何もしなくても、「普通に生きていれば消費するエネルギー」、あるいは、「生命を維持するために最低限必要なエネルギー」のことをいいます。

「痩せるためには、運動しましょう」と、よくいわれます。そのためか、エネルギーを消費するというと、ついつい運動によってエネルギーを消費することを思い浮かべてしまうかもしれません。しかし、実際には、私たちが毎日消費しているエネルギーのうちの、6割以上は基礎代謝が占めているのです。

個人差はありますが、最低でも6割は基礎代謝だと考えられます。もちろん、運動は運動で、とても重要です。しかし、もし消費エネルギーの量だけを考えるなら、せいぜい基礎代謝の半分くらい、という事実を知っておいていただかなければなりません。

そして、その基礎代謝の6割は、筋肉による熱生産のためのエネルギー消費にあてられます。基礎体謝が筋肉量に正比例するというのは、こういった理由からです。
残りは、肝臓や腎臓が2割と、褐色細胞と呼ぼれる脂肪組織が2割です。ちなみに、褐色脂肪とは、熱を発生する脂肪のことです。成人で40g程度とそれほど多くはないのですが、脇の下周辺に位置し、この褐色細胞は太りやすい、太りにくいという体質に非常に強く関連しています。

数字が重なりましたので、ここで一度整理しておきましょう。

エネルギー消費の6割が基礎代謝によるもので、その基礎代謝の6割が筋肉によるもの。すなわち、0.6×0.6=0.36。つまりエネルギー消費の36%が、筋肉によるものなのです。また、基礎代謝の6割は「最低で」ということですから、「エネルギー消費の約4割が筋肉によるもの」といっても、さしつかえないと思います。

40歳を過ぎると代謝にもっとも大きな比率を占める、筋肉の量が目立って減ってくるのですから、代謝量が落ちるのは当然のこと。そして、その結果、脂肪が増えるのも当然のことです。』

『筋肉と代謝の関連を考えるうえで、「安静時代謝」のことをお話ししておく必要があるでしょう。基礎代謝は正確に評価することが難しいため、一般的には、私たちがおこなう実験も含めて、安静時代謝の数字を使います。安静時代謝とは、普通に静かに座っているときの代謝のことです。

たとえば背筋をピンと伸ばしているかどうかなど、座りかたによりますが、少なくともどんな態勢でも、座っているという姿勢を維持するために活動している筋肉のエネルギー消費が上乗せになります。姿勢を維持するために活動している筋肉もあるのです。その筋肉の活動分などが、基礎代謝に上乗せされ、基礎代謝の20%増しくらいの数字になります。

この安静時代謝という見方からすると、筋肉が減少することによって、ますます代謝が落ちてくるということになります。姿勢を維持するだけでも筋肉を使っているのですから、筋肉量の減少はそのまま安静時代謝の減少となってあらわれます。

ただ座っているときなどは、とくにその姿勢を維持するために筋肉を使っている、などとは意識していないと思います。しかし、体の幹、すなわち僻轍、あるいは、体の中心〈コア〉といってもいいのですが、間違いなく筋肉〈マッスル〉を使っています。コアマッスル、つまり、体幹の筋肉を使っているのです。

基礎代謝だろうが、安静時代謝だろうが、細かいことはどうでもいいと思われるかもしれません。しかし、実は、安静時に姿勢を維持するために活動するコアマッスルを鍛えることが、脂肪を燃焼させるためには大切なのです。コアマッスルを鍛えることこそ、真のダイエット道の鍵を握っているといっても過言ではありません。』

『筋肉量が増えるまでには時聞がかかるからと、あるいは効果が実感できるまでが長いからと、つらい筋トレを最初から諦めてしまう人は少なくありません。しかし、もし、「筋トレ、即、代謝が上がる」としたらどうでしょう。筋トレを最初から諦める必要はないはずです。

即、代謝が上がるというのは、筋肉をよく動かすような運動をしたあと、つまり筋トレのあとは代謝の高い状態が続くという意味です。もちろん、即、筋肉量が増えるということではありません。そんなことはあり得ません。ただ、筋トレなどをおこなって筋肉をよく動かしたあとは、筋肉量に関係なく、一時的に代謝が高い状態になり、それがしばらく続くのです。

なぜこうしたことがおこるのかというと、筋トレによって筋肉に負荷がかかり、その負荷によるストレスを修復しようとする機能が体のなかで働くからです。

私の研究室の実験結果から確かめられている範囲では、少なくとも運動後6時間は、代謝のやや高い状態が続くことがわかっています。アメリカの研究グループからは48時間続くという報告もあります。だとすると、まる二日間、代謝の高い状態が続くということになります。

しかも、その代謝の高い状態の間に脂肪の使われ方が上がることもわかりました。普段なら糖と脂肪が使われる割合は五対五ですが、それが、四対六、あるいは三対七と脂肪が使われる率が明らかに高くなるのです。その状態で有酸素運動をすればどうなるでしょう。

代謝が上がり、しかも、脂肪がエネルギー源として使われる率が高い状態で有酸素運動をする。脂肪を消費する効率がよくなることは明らかでしょう。

中略

大切なのは、「順番」ということです。まず筋トレをし、代謝の高い状態、脂肪が使われやすい状態をつくり、そのうえで軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動をすると効果的だということです。

筋トレと有酸素運動の順番を間違えてはいけません。順番を間違えると、脂肪の消費が上乗せになる、効果的な有酸素運動とはならないからです。さらに、もうひとつ大切な理由があるのです。

最近の研究の成果なのですが、筋肉に負荷をかける、つまり、筋肉トレーニングをすると、筋肉からさまざま物質が出てくる、分泌されるということがわかってきました。

筋肉はエネルギーの一番の消費者であるだけではなく、内分泌器官としても働いているのです。筋トレ後に分泌される物質は、おもしろいことに脂肪組織に働きかけ、その分解を促進するものもあることがわかってきました。たとえば筋肉をよく動かすと、交感神経が活性化し、副腎からアドレナリンが分泌され、脂肪の分解を促進し、代謝を高めます。筋トレ後に代謝が高くなる理由のひとつです。筋肉運動を先におこなうほうが効果的である理由はここにもあります。』

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