腰痛|ニュースレターNO.243

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

Izuru プロフィール
お問い合わせ シェイプアップ
痛みの改善 スポーツ
ニュースレター 無料体験

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

腰痛については様々な考え方や対処方法がありますが、腰が痛いとやっかいなのですが、病院に行って診察を受けるほどではないけれど、どうも体調がよくないという人は多いのではないでしょうか。そんな身近な体の悩みや病気について、免疫学の立場から解明した本があります。

安保徹著:こうすれば病気は治る-心とからだの免疫学-(新潮社2009)です。からだの悩みや病気については驚くほど明快で、実は単純な体のしくみが隠されているといいます。今回は、腰痛に関するところをピックアップして紹介したいと思います。免疫学からの解説は非常に興味深いものです。ぜひ原著もお読みになることをお勧めします。

『腰痛を訴える人も非常に多い。そして、腰痛は病院に通っても治ったためしがないといわれるほど厄介な病気である。

では、なぜ病院に行っても治らないのか。答えは明快である。腰痛には、必ずといっていいほど痛み止めが処方されている。だから、治らないのだ。もし肩こりに悩んで病院に行ったとしても、痛み止めまでは処方されないと思う(たまには処方されているが)。しかし、腰の場合は痛みで歩けなくなったりしてしまうから、とにかく痛みを抑える薬が出される。

腰痛が治らない原因はもう一つある。コルセットである。治療の最初からコルセットを使うことはあまりないと思うが、なかなか治らないと、患者は焦るだろうし、どうにかしてほしいと懇願された医師は、何とかしなければいけないと思って、コルセットを使う。痛み止めを処方して、その土にコルセットである。この二点セットをやれば、腰痛はひたすら悪化する。

それはなぜかというと、腰痛が起こる原因と結果の認識が、完全に逆転しているからなのだ。腰痛は、筋力低下による筋肉疲労で起こることが多い。筋肉疲労のときには、老廃物質が出て血管が閉じるので、血流が悪くなっている。その後、体を休めたときに血流障害が回復して、血流が増えて痛みが出てくる。

つまり、腰痛自体は筋肉疲労を治癒するための血流回復反射なのである。しかし現在の治療では、せっかく体が回復しようとしているのに、消炎鎮痛剤で血流を止めようとしているのだ。消炎鎮痛剤は湿布薬にも使われている。

薬で血流を止め、そのうえに、コルセットで身動きできないようにするわけだから、さらに血流は低下する。二つの治療法によってダブルで血流を止めているのだから、筋力はさらに低ドしていく。腰痛はますます悪化するわけである。

また、筋力の低下ではなく、精神的なストレスが原囚で腰痛になる場合もある。ストレスは血流を抑制する。それから解放されたときに、痛みが発生するのである。心身症などの心の病気によって、腰椎に障害が起きる可能性もあるし、白分では気づかないうちに、頑張り過ぎによるストレスが.腰痛を招いているケースもある。

腰痛と、椎間板ヘルニアと、腰椎すべり症は、同じメカニズムで起こる。筋肉疲労で血流が悪くなって腰痛が起こり、血流の途絶えが持続すると、組織が壊れて、椎間板の弾力が失われ、その周りの骨が破壊されて、いろいろな変形痛が起こるのである。

骨の変形と椎問板の突出が起こっているところに、さらに体重がかかって、椎骨がずれるのが腰椎すべり症である。診断名はいろいろと違っていても、原因はすべて血流障害による組織破壊なのである。

これらを治すには、血流を増やすしか方法はない。血流が増えれば、組織はその時点から修復されはじめるから、いずれは痛みもとれてくる。腰痛やヘルニアなどの痛みを、神経の圧迫という概念ばかりで捉えるから、痛みをとるために消炎鎮痛剤を処方したり、あるいは圧迫を取るために牽引したりする。

しかし、この治療法で治った例はほとんどないのである。つまり血流を増やさなければ、筋肉疲労も治らないし、組織障害も治らない。腰痛ほど間違った方法が蔓延している医療はないと思う。では、どうすればよいか。

まず消炎鎮痛剤をやめる。コルセットを外す。そして、動かせる範囲からでよいので、少しずつ体を動かして血流を増やす。運動を続けているうちに、だんだん動かせる範囲も広がってくるから、筋力もついてくる。きちんと続ければ、大体三週間でどんな難治性の腰痛でも治癒できる。五年、十年と治らなかった腰痛が、この方法を実行すれば、長くても一ヶ月で治っているのだ。

引っ越しなどでたんすのような重い物を持って腰を痛めてしまうこともあるだろう。そのような場合は、二、三日の安静で治るかもしれない。いわゆるぎっくり腰も、それまで徐々に筋力が低下していたために、無理な姿勢や重い物を持ったことをきっかけとして起こることが多い。低下した筋力は、安静にしていても回復しないのは当然である。

腰の痛みに耐えかねて病院を訪れると、多くの場合、レントゲン写真を撮られて、「ここに変形があるから、痛みが出ているのですよ」と説明される。写真を見ると確かに変形があるから、患者は衝撃を受けてガックリしてしまう。これほど悪かったのかと落ち込んでしまい、あきらめムードになる。

しかし、そうではないのだ。年を取れば、誰でも大抵変形が出ているものなのである。みんなあちこちの骨が変形したりつぶれたりしながら、知らないうちにそこがまた自然に修復されて、不都合なく日常生活を送っているのである。

だから腰痛も、関節を動かすなどして血流を増やし、組織を修復すれば、ゆがんだなりのいい形で治るのである。お年寄りには、猫背になったり腰が曲がっていたり、いろいろな体形の方がいるけれども、それなりに健康に暮らしている。組織修復はX線照射で見ただけでは分らない。

最近では、整形外科医のなかにも、レントゲン写真と病気は一致しないと考える人が多くなった。整形外科に行くと、十人に九人は痛み止め、その後はコルセットという経過を辿るけれども、やはり、これではいけないという整形外科医も出てきて、「日本関節運動学的アプローチ医学会(AKA)」「日本カイロプラクティック医学会」などの組織が活動を始めている。

こういうグループが出来たのはとてもいいことだが、重要なのは、ちゃんと痛み止めをやめているかどうかである。消炎鎮痛剤の弊害に本当に気づかなければ、意味がない。一番問題なのは、長年にわたって痛み止めを使用することなのである。

腰痛の原因のほとんどは、総体的な筋肉量の低下、筋力低下と、運動不足、あとは体重増加である。筋肉が体重を支え切れないのだ。若い人の場合は、肥満によるものが多い。そして、三十代、四十代で腰痛に悩んでいる人には、若いときにスポーツをしていた人が意外に多い。

スポーツをしていた頃は、筋力を鍛えているし、骨格も大きくなっている。運動していれば、筋力と骨格がふさわしい状態に保てるのだが、スポーツをしなくなってからが闇題である。骨格は大きくなったまま変わらない。運動をやめてエネルギーを使わなくなっているのに、昔の習慣を変えずに食べる量は減らない。

すると、立派な骨格に今度は脂肪がつく。その一方で筋肉は鍛えていないので、どんどん弱っている。そしてついに腰痛になるのだ。六十代、七十代になって起こる腰痛は、老化による筋力低下が原因である。

ところで、ここで特に強調しておきたいことがある。それは、七十歳になっても、八十歳になっても、九十歳になっても、筋肉は使えばつくということである。だから、鍛えなければいけないのだ。年をとったからといって、運動しないと腰痛になってしまうのである。

激しい運動である必要はまったくない。体操などで体を動かすだけで十分である。ときには、ふだんの生活で無理な姿勢をとることもあるだろう。高いところにある物を背伸びして取ったりするような動作である。私は、筋力はふだん使うよりも二割増しに鍛えておくように勧めている。そうすれば、無理な姿勢を取ったとしても、筋肉は耐えられるだろう。

体操は、ラジオ体操のような簡単なものがいい。腰を揺すって負担をかけるのも効果がある。腰を左右に揺すりながら、手でお尻を触るような運動がいいのだ。体を傾けるのもいい。つまりは腰に負拉を掛けるようにすればよいのである。散歩もいいが、姿勢が変わることがないので、大臀筋は鍛えられるが、腰の筋肉はあまり鍛えられない。

腰のまわりには骨盤を支えるいろいろな細かい筋肉がたーさんある。それを鍛えるには、揺すること。体を揺すると、体重の三分の一から二分の一の力が腰の筋肉にかかるので、効率よく鍛えられるのである。

腰と背骨。あとは首。これら全部を左右に動かして揺すってやる。こうして筋力を二割増しにしておけば、腰痛も起こらないし、腰椎すべり症にもならない。

腰痛についてはもうひとつ加えておきたいことがある。腰痛になってしまったときに、とりあえず患部を冷やす人が多いのではないだろうか。冷やした方がいいということは、常識になっているかもしれない。しかし、血流回復のしくみを考えれば、答えは自ずと出ている。温めたほうがいいのである。お風呂にも入っていい。ただし、痛さは増すかもしれないが。

痛みは血流回復によるもので、その組織が治されているのだという認識がないと、慌てて湿布薬を貼ってしまうことになる。消炎鎮痛剤の宣伝は、テレビなどでも盛んに行なわれている。「インドメタシン使用で、筋肉にじかに効く」などと成分を強調されて、いかにも効くというイメ~ジがあるから、一般の入が信じてしまうのも当然であろう。

湿布薬も血流回復を止めようとしているわけだから、使えば治癒への道は遠のいてゆく。しかし、市販の薬を自分で湿布しているうちはまだいい。整形外科に行くと、今度は飲み薬になるから、これは決定的である。塗り薬のうちはまだしも、飲み薬では、全身の血流に影響が出るから、あちこちの具合が悪くなる。

痛み止めを服用していると、全身性の交感紳経緊張の状態になるので、あらゆる病気が上乗せされる。例えば高血圧、糖尿病などだが、加えて交感神経緊張で興奮しているから不眠症になる。心臓にも負担がかかってくるから、心肥大にもなる。

そして、痛み止めを内服して三年もすれば、おそらく十種類の薬が上乗せされるだろう。まず、高血圧を抑えるために降圧剤が処方される。降圧剤は、必ず三つか四つ出される。次に糖尿病になったら、経口糖尿病薬が加わる。眠れないと、今度は睡眠導入剤と抗不安剤などが増える。

そうやってあっという間に薬が増えていく。白内障や緑内障にもなるかもしれない。高齢者の薬漬け医療のきっかけは、腰痛による痛み止めの使用だと言ってももいいくらいなのだ。

この記事が気に入ったら
いいね ! してね!

Twitter で
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*