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枕革命|ニュースレターNO.252

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テレビでよく取り上げられるのが、腰痛、肩こり、肥満です。先日のテレビでは、女性が一番悩んでいるのが、「肩こり」ということでした。頭の位置がずれることで、頸椎の弯曲が偏位するようです。いろんな対策があるようです。熟睡ではない人に、肩こり、首こりが多いはずです。

私も熟睡できるように、からだが沈み込むマットを購入してみましたが、熟睡にはいきつきませんでした。短時間リラックスするのには最適なのですが、我々のからだは睡眠中に寝返りを打つことで正常な状態に戻していると言われますから、沈み込むマットはむしろマイナスだったのですね。

それで熟睡できる枕ということで、最近よくテレビに出てこられる医師がおられます。枕外来を開設され、適切な枕を作成してくれるということで、1年待ちになっていると言います。そこでその方の本を購入し、枕について勉強し、自分に合った枕を作成したところ、不快な寝返りを打つこともなく熟睡できるようになりました。

その本は、山田朱織著:枕革命 一晩で体が変わる(講談社+α新書2008)です。睡眠や首こり・肩こりに悩んでいる方は一度ご覧いただいたら参考になると思います。

今回は、参考になるところを一部抜粋して紹介したいと思います。

『本来、横たわるのは、脊椎動物にとって唯一、脊椎に負担のかからない姿勢です。脊椎動物のなかでも、2本足で立ち上がって活動する人間の場合、重い頭部を支えるため、ただでさえ首の骨(頸椎)や背骨、腰の骨(腰椎)に大きな負荷がかかっています。とくに頸椎には常時6~8キロもの頭の重みがかかり、それを支えているのが抗重力筋という筋肉です。

大きな負担から骨や筋肉を解放してやるには、静かに横たわってゆっくり休息するほかありません。さらに、休息中も大きな寝返りと小さな寝返りを存分に打って、血液やリンパ液、関節液などの体液をまんべんなく循環させることで、ようやく疲労は回復。心身ともにすっきりとリセットされた状態になるのです。

ところが、ベッドのスプリングが軟らかすぎたり、逆にフローリングの床に薄い敷布団だけで硬すぎたりすると、せっかく横になっても背骨や腰椎を解放してやることができません。むしろ、さらなる圧力がかかってしまいます。枕の高さが合わなければ、頸椎が無理な角度で折れ曲がり、その影響が背骨や腰椎、腕の神経にまで広がっていきます。

じつは、背骨全体の傾きは、ほんのわずかな首の角度で影響を受けます。つまりこれは枕の高さで決定するわけです。私たちの睡眠に影響を与える物理的な条件はたくさんありますが、なかでも枕は、もっとも単純で、直接的で、影響力の大きい要素なのです。』

『「私はどんな場所でも、どんな格好でも、眠たければすぐに眠れる」

ときどき、こんな自慢をする方にお会いします。しかし、そういう人でも、ソファでえびのように丸まって寝入ってしまった翌朝、身体のあちこちがこわばって痛かったり、だるかったという経験はあるはずです。あるいは、旅行先のホテルで、洋画に出てくるような2段式の羽毛枕に頭を沈めて眠ったところ、寝苦しくて困ったとか、朝になったら腕がしびれていたなどという経験はありませんか。

寝姿勢の悪さは、熟睡をさまたげるだけでなく、身体の痛みやしびれといった症状を引き起こすのです。そして、寝姿勢を決定する大きな要素が、布団やベッドなどの敷物と枕。とくに上半身、つまり頭、首、肩、上背部、腕、手に与える影響が大きいのが枕です。なぜなら枕は、一見、頭を置くだけの道具に見えますが、じつは睡眠中の首の角度を決定する大切なもの。首の位置や角度によって背骨全体のポジションが決まり、寝返りの打ちやすさまで左右されるのです。

このあたりで、頸椎や脊椎の構造についてちょっと勉強しておきましょう。少し専門的でむずかしいかもしれませんが、骨の仕組みがよくわかると、正しい寝姿勢や枕の重要性が理解できるはずです。

首の骨、つまり頸椎は7つの小さな骨から成り立ち、7つの骨の中を脊髄神経という重要な神経の束が走っています。そして、この脊髄神経から1本ずつ枝分かれした計8本の細い頸神経が、頭や首回り、肩甲骨の周囲、腕や指先まで、左右に分かれて支配しています。つまり、左右別々に運動、感覚、痛みなどを司っているのです。

枕が高すぎたり、低すぎたり、軟らかすぎたりすると、首が不自然な角度で傾くので、これらの頸神経は根元で圧迫されて障害を受けます。また、直接、圧迫することはなくても、不自然な寝姿勢のせいで首の後ろの筋肉が緊張すれば、神経に栄養を運ぶ血管が締めつけられて血液循環が悪くなり、やはり神経は痛みます。

もう少し詳しく、上から順番に頸神経の場所と障害を見ていきましょう。

第1頸椎と第2頸椎の間から頭のほうへ伸びている第2頸神経後枝が「大後頭神経」。この神経が締めつけられたり、傷んだりすると、頭痛や後頭部痛の原因となります。また、大後頭神経は髪の生え際あたりで三叉神経にリンクしているので、三叉神経痛として目の奥の痛みや、目頭がきりきりするといった症状が出ることがあります。

第2頸神経前枝、および第2頸椎と第3頸椎の間から出ている第3頸神経前枝は「小後頭神経」です。この神経は、耳の後ろから顎の関節、首の付け根あたりに分布します。寝ている間に耳がちぎれそうなほど痛くなったり、朝起きたら耳がしびれている、顎のあたりに違和感があると訴える患者さんがいますが、そういうケースでは、まずこの神経の異常が考えられます。

第3頸神経と第4頸神経は、喉や首回り、そして前胸部を支配しています。寝姿勢が悪いためにこれらの神経が傷つくと、喉が締めつけられるように感じたり、胸に圧迫感を覚えたりします。』

『下部に入り、第4頸椎と第5頸椎の間から出ている第5頸神経は、ちょうど肩の後面から腕に向かって伸びています。夜中に肩の痛みを感じて何度も目が覚めるとき、ちょっと年輩の方だと「いよいよ40肩だろうか」とか「50肩なんだからしかたない」などと考えがちですが、じつは合わない枕で寝ているために首が傾きすぎて、第5頸神経を圧迫していることも考えられます。

次の第6頸神経は、肘の周囲に伸びています。したがって、起きたときに肘が痛いとか、肘の曲げ伸ばしがうまくいかないという方の場合は、この神経が傷んでいることを疑ってみる必要があります。

そして、いちばん下部にある第7頸神経と第8頸神経は、指先にまで到達しています。とくに第8頸神経は、肘の内部にある細い骨の隙間を縫うようにして小指の先にまで伸びているため、圧迫を受けやすい構造にあります。朝起きるたびに小指がしびれているとか、なんとなく手がはれぼったい、手に力が入らないなどという場合にも、首の神経を圧迫していることが原因かもしれないのです。

もちろん、あらゆる症状がすべて枕のせいだとは言えません。ほかの病気による症状であることも十分考えなければなりません。また、頸椎に年齢変形や外傷の後遺症があるような場合には、枕や寝姿勢に関係なく同様の症状が出ることがあります。

しかし、合わない枕で寝続ければ、いずれは誰にでも何らかのつらい症状が出てくる可能性はあるのです。なぜなら、合わない枕で眠るのは、首の骨にとって拷問も同じだからです。誰だって、ひどい拷問を受けたり、残虐な暴力行為にさらされれば、無意識のうちに防御姿勢をとるものでしょう。枕の拷問を受けたときも同じです。

合わない枕を当てて眠った夜、私たちの身体はどんなふうに対応していると思いますか?無意識のうちにも自らの手を動かして、頭の下の枕をずらしたり、はね飛ばしたりします。身体全体が枕から逃れよう、逃れようと動き回ることもあります。枕の代わりに自分の腕や肩を不自然な形に曲げて頭を預けることもあります。いずれにしても、朝起きてみると、頭の下に枕はありません。

はたから見れば、「なんて寝相の悪い人」などということになってしまうかもしれませんが、じつはそれもこれも、拷問から逃れるための適切な行動なのです。だって、考えてもみてください。無理な姿勢で首の骨を圧迫したまま6時間も8時間も眠り続けるとしたら、どうなってしまうのか。ちょっと考えただけでも恐ろしい話です。寝違えを起こす人も、ひどい頭痛に悩む人も、腕のしびれや肩こりに苦しむ人も、はるかに増えるに違いありません。

合わない凹凸枕の上で首がぐらぐら拷問を受けるよりは、枕を使わず平らな敷物の上で眠るほうがまだましです。少なくとも、首が安定して寝返りが打てます。』

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