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子どもの筋トレ|ニュースレターNO.259

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最近は子どものころから筋トレなるものをやらせている指導者も多いようですが、子どもを大人のミニチュアだと勘違いして筋トレをさせていることも多くみられます。子どもの特性を理解し、適切な指導が求められます。

石井直方著:子どもの能力を伸ばす筋力トレーニング(マイコミ2010)は、子どもに筋トレを指導するような環境にある方には、ぜひ読んで十分理解していただきたいと思います。相手のレベルに見合った適切な指導という中で、最も気をつけなければいけない年齢層ですから、プロの指導者にとって当然の理解が必要なことばかり書かれています。以下にポイントとなる一部を抜粋して紹介したいと思います。

『子どものころにしっかりつけられなかった筋力を高校生や大学生になってから強化することはできます。トレーニングによって弱いところを補っていくことは、大人になってからも可能だと思います。ただし筋肉は、解剖学的に大きな分類で分けても身体の中に400、細かく分けると600くらいあり、その400以上ある筋肉を個別に強化することはできません。

基本的なトレーニング種目で集中的に鍛えられる筋肉は、わずかに20くらいでしょう。残りはどうなの?というと、トレーニングの動きの中で、補助的に使われることで強化されたり、多様な動きをする中で強化されたりします。

これらの補助的な役割の筋肉を鍛えることが、果たして全身のパフォーマンスや全身の動きにとって、どれだけプラスになるかというと、すぐに効果が現われることはないと思いますが、筋力のバランスを考えると鍛える意味があります。大人になってからこれらの筋肉を鍛えることは可能ですが、大人になってから行なう筋トレでは、子どものころに行なう筋トレで得られる効果が期待できません。

大人になってからの筋トレでは、ターゲットにした筋肉が重点的に鍛えられますが、子どものころに行なう筋トレでは、それに加えて補助的な役割の筋肉にも刺激を与えられます。

小さいころに筋トレである動きをすると、さまざまな筋肉が働き、本来の正しい筋肉の使い方を覚えられます。そうすれば、大人になってから20程度の筋肉を鍛えたときに、動きの中で補助的な筋肉も働き、バランス良く強化されることになります。

たとえばAという筋肉を使うときはB、C、Dという筋肉も使うことが正しい筋肉の使い方だったとします。それをしっかり身体で覚えておくと、トレーニング種目のターゲットがAだけであっても、Aをトレーニングすることによって、B、C、Dも強化することができます。さらにAを使うスポーツの練習や動きの中でも同様にB、C、Dを強化することができます。

小さいころに正しい筋肉の使い方を覚えることは、バランスのいい筋肉をつくるためにも、すごく大事なことなのです。』

『筋トレ=身長が伸びない、というのは間違いです。逆に身長をより伸ばせる可能性があるのです。もちろん、子ども筋トレで身長が伸びるかどうかと聞かれれば、必ず伸びるとは言い切れません。身長は、そもそも遺伝的な要素が大きく影響します。設計図の範疇を超えて伸びるかと言われると難しいでしょう。ただし、全く効果がないというわけではありません。

骨の縦方向の伸長は成長ホルモンの影響を大きく受けます。

たとえば成長ホルモンの分泌が異常に高くなると、末端肥大症のようにどんどん骨が伸びて身長が高くなることがあります。成長期に、負荷になり過ぎないように筋トレを行なわせると、その子が持っている遺伝的な限界まで身長を伸ばしてくれる可能性があります。もちろん、すべての子どもが遺伝的な限界まで伸びるわけではありません。

必要なときに必要なホルモンが分泌されるという環境があってはじめて、そこまで伸びることになると思います。

成長期に合わせて、上手に筋肉を使ってあげると身長が伸びるということは十分に期待できます。

気をつけることは、成長期のときにジャンプを繰り返すような激しい運動や、重いバーベルや強度の高いマシンを使ったトレーニングは避けることです。骨に対して無理な負荷をかけてしまうと、成長軟骨がつぶれて骨の成長を妨げることになります。外から重い負荷をかけるよりは、自分の体重を使ってじっくり筋力を発揮できるトレーニングをする方が、内分泌系も強く活性化され、背が伸びる刺激になると考えられます。』

『最初に、子ども筋トレには4段階のステップがあることを理解しましょう。発育段階にある子どもの身体は、大人の身体とは全く違うものです。そして同じ子どもといっても、小学校の低学年のころの身体と高校生の身体はやはり違う状態にあります。子ども筋トレの内容も、その発育段階に合わせて変えていく必要があります。ターゲットとする主な筋肉は足、お尻、体幹であることに変わりありませんが、身体の発育段階に合わせて目的も負荷のかけ方も異なってきます。

子ども筋トレのステップは、次の4段階に分けるとよいと思います。

第1段階 幼児期から小学校に入学するまで
第2段階 小学校低学年から中学年(ゴールデンエイジ)
第3段階 小学校高学年から中学生(成長期)
第4段階 高校生

幼児期から小学校に入るまでの第1段階の目的は、立ち上がる、しゃがむ、歩く、走る、ぶら下がる、押す、引くといった基本的な動作での筋肉の使い方を覚えることです。

ジャンプする、転がるといった応用動作まで身につけることができれば完壁です。筋肉を鍛えるというよりは、正しい筋肉の使い方や関節の使い方を脳にプログラムし、そのために必要な筋力をつけることを目標とします。そして、筋トレをさせた後は、できるだけ外で身体を使って遊ばせるようにしましょう。

この時期の筋力アップのポイントは、どれだけ身体を使って遊ぶことができたかどうか。単純動作を何度も繰り返すことが苦手な時期なので、筋トレだけで筋力をつけるのは難しいと思います。

小学校の低学年から中学年のころの第2段階は、ゴールデンエイジの時期と重なります。たくさんの運動プログラムを獲得できるピークのころなので、幼児期以上に身体を使って遊ばせることが大切になります。スポーツを始めさせる時期としても最適です。

幼児期に基本的な身体の動かし方を身につけていると、驚くほどのスピードでいろんな動作を身につけることができるでしょう。この時期の筋トレの目的も、幼児期と同じように正しい筋肉の使い方や関節の使い方を覚えることになります。この段階でも、まだ負荷をかけるということは意識する必要はありません。

小学校の体育の授業やスポーツの中で行なう動作は、幼児期のころに覚えた基本的な動作とは異なる人工的な動作が多くなります。跳び箱もマット運動も、縄跳びもそうですし、スポーツではそのスポーツ独特の動きが求められるようになります。そうした動作から、新たな運動プログラムを獲得するためにも、基本的な動作を繰り返すことが大切なのです。

小学校の高学年から中学生の第3段階になると、速筋線維と遅筋線維という筋肉の機能分化が生じた後になるので、大人と同じような筋トレ効果が尐しずつ期待できるようになります。といっても、成長期と重なる時期ですから、いきなり大きな負荷をかけると成長を阻害することになるし、ケガをすることもあります。

自分の体重以上の負荷をかける場合は、まず水を入れたペットボトルやチューブを使うことから始めるべきでしょう。中学校に入ったら、バーベルを利用しても構いません。それでも、できるだけ軽い負荷にとどめ、正しいフォームを身につけることを心掛けましょう。

第4殺階の高校生になったら、大人と同じような筋トレにシフトして構いません。この段階になったら、筋肉を強化することをしっかり念頭においてトレーニングするようにしましょう。バーベルを使っても、マシンを使っても構いません。ただし、正しい知識を持った指導者が必要です。筋トレによって、筋肉が太く、強くなっていくのが自分で確認できるようになります。

大人と同じような筋トレの効果が期待できるようになります。ただし、第4段階でそうした効果が期待できるのは、幼児期の第1段階からステップアップしてきた人や、子ども筋トレの必要性がないくらいに十分な身体をつくれてきた人たちに限ります。高校生になれば誰でも大人のような筋トレができるというわけではないので注意しましょう。』

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