ストレッチングの話題|ニュースレターNO.265

いずるいずるが書いたよ! →最新記事一覧

セッションをご希望の方はこちら!

お問い合わせ

スポンサーリンク

1980年代に我が国に紹介されたストレッチングですが、いまだに注目を浴びるテーマになっています。アスリートから一般人まで幅広く活用されているわけですが、その本質を間違って理解している人も多いようです。実際ストレッチングの勉強会をしても、ストレッチングを本当に理解している人は皆無です。

それは仕方のないことでもあります。ストレッチングの方法や形だけで教えられたり教えたりしているだけで、ストレッチングの本質を教えられる人がいないからです。

どんなスタイルでどこを伸ばすかという単純なものではなく、ストレッチングを何のためにやるのかという目的を理解し、その目的を達成するために、どのような手段を用いて、どの筋肉をどのようなつながりで、どのように伸ばすのかという理解が大切なのです。その理解がなければ、結果も明確です。

今回紹介するのは、コーチング・クリニック(2011年7月号)に掲載されていた谷本道哉氏の記事です。ストレッチングの目的を明確に理解できる内容なので、ピックアップして紹介したいと思います。興味ある人は原文をお読みください。

『ストレッチングの行い方によって多少は変わりますが、その強度は2~2.5メッツ程度、つまり安静時の約2~2.5倍の酸素消費量(エネルギー消費量とほぼ同義)の運動とされます。一般に健康・維持増進のためによく行われる軽めの運動を見ると、ウォーキングで4メッツ、軽いジョギングで6メッツ程度ですから、それと比べるとかなり低い強度となります。

健康維持・増進のための運動の目安として、古くからアメリカスポーツ医学会(ACSM)の健康維持増進(心疾患との関連を背景とする)のためのガイドラインがよく参照されます。その概要は、「50%VO2max(5~7メッツ程度に相当)以上の強度で20分以上を、週3~5回程度」とされています。このガイドラインから考えると、2~2.5メッツという値は健康増進を目的とするには強度としてはかなり足りないものと考えられます。

厚労省の運動基準2006では活発な身体活動量を増やすことを推奨していますが、身体活動量としてカウントされる運動強度は3メッツ(普通歩行程度)以上としています。しっかりとした運動ではなく、活発な身体活動でも効果を認めるとするこの基準から見ても、ストレッチングは強度的に不十分ということになります。

また、ストレッチングで筋にかかる力は受動的なものであり、これも方法によりますが、その大きさは通常の場合で10~20%MVC(全力のアイソメトリック筋力発揮の20%)程度と大きくありません。ストレッチングによって、ギプス固定などの長期間の不活動時の筋委縮を抑えられるという報告はありますが、筋を強く大きくするという報告はありません。与えられる張力負荷からも、そのような効果が得られるとは考えられません。

どのレベルからを「運動」と呼ぶかという定義はありませんが、健康の維持・増進という目的に対して見た場合、以上からストレッチングは運動と呼ぶには「強度としてはかなり足りない」という結論になるでしょう。』

『体重の増減は基本的に「エネルギーの出納」で決まりますので、ストレッチングのエネルギー消費量から計算してみます。ストレッチングの運動強度を2.5メッツとし、体重60kgの女性が毎日念入りに10分間を1ヵ月実行したとします。

酸素摂取量とエネルギー消費量の関係から計算すると、消費力ロリーは、{2.5(メッツ)-1(メッツ)}×10/60(時間)×60(kg)×30(日)×1.05で約470kcalとなります。体脂肪(脂肪組織中の中性脂肪のこと)は1gで9.5kcalのエネルギーをもちますので、この消費エネルギーがすべて体脂肪の減少につながったとして、減量できる体脂肪は1ヵ月の実行で約50gになります。

ストレッチングの実行でキレイに痩せられると思っている女性は多いようですが、このあたりの数字の現実を知っていただく必要があると思います。ちなみに、瞑想しながらストレッチングと同様の動作を行うヨガも、エネルギー消費量、減量効果は同じくらいです。

ストレッチングは行っていて息が上がったり、疲労を感じたりすることはないのですから、ストレッチング自体には「直接的」な大きな減量効果や、先に触れた健康増進効果が見込めないのは当たり前といえば当たり前すぎることでしょう。ストレッチングなら低強度の運動でも高い効果が得られるなどという、都合のよい話はありません。』

『この筋肉を伸ばすことで身体に起こる主な変化は、大きく2つあります。1つは筋肉が伸びやすくなることで関節の可動域が大きくなる、いわゆる柔軟性が増すという変化。もう1つは筋肉のこわばりをほぐし、血液循環をよくしてコンディションのよい状態にするという変化です。

ストレッチを行うことで関節の可動域が広がると、動作の幅に余裕ができて、身体をスムーズに大きく動かせるようになります。また、筋肉のこわばりをほぐしてコンディションをよくしてあげれば、身体が快適に動くようになります。

大きく快適に動く身体の状態ができれば、日常の活動量も上がりやすくなるという「間接的な効果」が期待できるでしょう。身体が快適に大きく動くようになり、日常の活動量が増えてくれば、運動の実行に対する敷居も低くなるのではないでしょうか。さらに運動を始めてみようというところまでいければ、間接的にかなり大きな効果につながります。

肩や腰がカチカチにこわばって、手足も大きく動かせないようでは、日常からてきぱきと身体を動かすのも億劫になりますし、運動を始めようという気にもなれないでしょう。また、そのような状態で運動を始めるのも危険です。

「まずはスタートとしてストレッチングで動ける快適な身体づくりから」という位置づけでストレッチングを行うのは大変よいことだと思います。ただし、ストレッチングには健康増進・体形改善の「直接的な効果」はほとんどありません。快適に大きく動ける身体になったところで日常から活動的に身体を動かす、運動を始めるという「間接的な効果」にまでつなげていかなければいけません。』

『週23エクササイズ…というのはちょっとわかりにくい表現ですが、具体的な運動でいい換えるとおおむね「毎日8000~10000歩くらいの“生活活動”(日常の活動で最も大きいのは歩行運動)と、週に1回、30分~1時間くらいのジョギングなどのある程度以上の強度の“運動”を行いなさい」といい換えることができます。

この基準値の注目すべき特徴は、「意図的な運動」も大事ですが、それ以上に日常において「活発な生活活動を行うこと」の重要性を呼びかけていることです。

運動の実行は週に1回1時間くらいでよく、普段から活動的にキビキビと日常を過ごすことでも生活習慣病の予防になる、というのです。ですから、ストレッチングの間接効果を得るために、快適になった身体で日ごろからてきぱきとよく身体を動かしましょう、週に一度くらいは運動もしましょう、ということになるわけです。

なお、この基準は、「ほとんど日常で身体を動かさない人に比べて生活習慣病の発症リスクが有意に下がる最低ライン」に基づいています。ほとんど動かない人に比べて生活習慣病の発症リスクが有意に下がる身体活動量は「23エクササイズ(8000~10000歩相当)以上」、発症リスクが有意に下がる運動量は「4エクササイズ(30~60分の軽い運動に相当)以上」という疫学研究を基にしているのです(2つの最低ラインの両方を満たす基準としている)。』

スポンサーリンク

目的別記事

お問い合わせはこちら

お問い合わせ

カテゴリー

シェイプアップ ダイエット トレーニング 痛みの改善 スポーツ選手 健康 学生向け おもしろ 魚住廣信 家族


Izuru Style
Tweets by izuru_style
Copyright 2017 神戸パーソナルトレーニングスタジオ Izuru Style