皮膚と運動|ニュースレターNO.268

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昨年発刊されたSportsmedicine 2010.No.126.を読んでから皮膚に興味を持ち、皮膚に関していろんな本を探して読みました。その結果、これまで見逃されてきた皮膚の大きな役割、すなわち皮膚を扱うことでいろんな効果が得られるということが解りました。

私たちは、これまで皮膚の下の筋肉ばかりに目が行っていたと思います。しかし、皮膚は我々の身体の最も表面にある優れた感覚受容器なのです。わざわざその下にある見えない筋肉の固有受容器を刺激することを考えなくても、見える触れることのできる皮膚を扱うだけでいろんな効果を期待できることが解りました。

事実、これまで皮膚に関してあまり突っ込んだ研究もされていなかったようですが、これから皮膚の研究が進むにつれて、体の表面を触るだけでいろんなことが起こることが発見されそうで、非常に楽しみにしています。

皮膚に興味を持つ入門編として、ぜひ上記の雑誌を読まれることをお勧めします。また、中で紹介されている著書も大いに役立つものです。今回は、上記の雑誌から抜粋して紹介したいと思います。

『「皮膚運動学」に示されている図をみていて、筋肉が収縮するとき皮膚はその反対の方向に動くというのは、動く量としてはそれほど大きくないのではないかと。
福井:そうなんです。物理的にはあまり大きく動いてはいない。筋収縮を邪魔しないようにしている程度のようにも感じられます。

皮膚が皺をつくる本を調べていたら、緊張線というのが参考になりました。「クリニカルマッサージ」に、ランゲルラインという線が出てきます。これも緊張線なのですが。Wrinkle lineという概念や、図4はRSTL(relaxed skin tension line)というもので、皮膚にかかった緊張を緩めた肢位でもっと緊張が掛かっている方向を示しています。

Borgesは、皮膚を局所的につまんでできる皺を観察してRSTLの走行を調べました。つまり、つまんだ皺と皺の間が平行になればRSTL、平行にならなければRSTLではないとしています。緊張線に合わないと皺の走行がS字になってしまう。形成外科手術時の皮切方向に関係し、術後の手術痕に負荷をかけないよう方向を考慮しているということです。

とくに美容的配慮から重要なことですが、なぜこの方向にメスを入れないと手術痕がきたなくなるかということが緊張線との関係から言えるということです。
-緊張線を横断しないようにする。

福井:そういうことですね。緊張線を横切る方向にメスが入ると広がってしまう。それで手術痕が綺麗にならない原因だろうということです。かなり古い話ですが、遺体に直径2mmの穴を全身に開けたような実験があって、その場合でも円が楕円になっていくというのです。要は長径になるほうに引っ張られているのだろうと。

それを全身で調べたのがランゲルラインらしいのです。

-それはまたすごい研究。

福井:それから変遷があって、今の話はご遺体での研究ですが、生体にメスを入れたとき瘢痕が大きくなりすぎてしまうということがあります。今でもある種の手術では、手術の特牲から緊張線と皮切方向が異なり創部が広がりやすい手術もあるように感じます。もちろん皮膚のみのことを考えた場合の話ですが、いずれにしても皮切の方向があるのだろうというのがこういう一連の研究です。

もう1つRSTLというのは、relaxed skin tension lineであって文字通りリラックスしているときの寄せたときに皺が横に一番広がるものです。その方向には緊張が強いということで、私たちの仕事にも使える概念だと考えるようになりました。

たとえば、前腕を回外させると、前腕屈筋側の皮膚は、橈側のほうが末梢方向へ引かれます。緊張線を調べてみるとそうなっています。しかしながら回内位では逆に尺側の皮膚が末梢方向へ移動するのです。指二本で形作るものがRSTLなのですが、回内位と回外位ではこのように方向が異なる。皮膚の緊張線が肢位によって異なるということのようなのです。

リラックスしているときの皮膚の緊張線がRSTLなのですが、関節可動域の最終域ではとくにその緊張線の方向が異なり、さらにはその緊張線自体が運動を止めているように考えられる。

-う一ん。なんともはやという感じですね。

福井:で、これは臨床に使えるなという実感があったのは、先ほど足底にテーピングを貼った例ですが、あれで立っている人の姿勢が変わるからなのです。外側から内側方向への簡単なテープを張るだけで、骨盤の外方移動が止まり、反対側へ動く、さらに片脚立ちだと移動が止まるために骨盤の位置が下方移動し、安定します。

こんな微力なテープなので皮膚が物理的に移動するだけで変化するというのはとても考えにくい。しかし、誰でやってみてもみなさん同様の変化が起こるというのは事実なので、その理由を解明したいと思っています。たぶん皮膚というのはまず外胚葉由来であるため、他の臓器と少し異なることがある。

皮膚自体が判断し反応しているということは傳田光洋氏の「第三の脳」(朝日出版杜)や「賢い皮膚」(ちくま新書)などの書物にも書かれています。そのため何らかのリセプターからの求心性の信号があるのはたぶん間違いがないだろうと思うのですが、その経路などについて、いずれ明らかにしなければいけないと思っています。』

『-動きが変わるということのほかに、たとえば痛みが軽減するとかということもある?

福井:あります。私も頚部周辺の不定愁訴を有する患者さん、たとえば手が痺れるとか、そういう人に皮膚へのアプローチを行い始めたのですが、よい結果が得られています。それは実感としてあるのですが、まだ根拠はおみせできない。

-それはどういうふうにする?

福井:皮膚の他動的な移動時の左右差などを評価しています。ある部位の左右差があるということは、皮膚はどうしてもつながっているから何らかのバイアスが左右どちらかに行ってというように、いろいろな治療方法で、同じようなことが言われていると思うのですが、そういうことは皮膚にも当然あるんだろうなと思います。

もともと皮膚には溝と丘があり、高齢になると手でも皺がたくさん生じてきます。その皺が寄る方向が運動方向によって異なる。たとえば、図7は前腕です。前腕での緊張線は前述のように方向性がとくに2方向になっているようにみえます。回外時と回内時の緊張線が異なるため運動にあった方向を緩めるほうが運動自体が大きくなる。

その緊張線を緩めた状態で筋収縮を起こして関節運動を生じさせれば、皮膚と筋の間の中間位置が変化しやすくなる。あるいはこの緊張線自体が運動を制限していることもある。たとえば、肩関節水平外転を大きくしたい場合があるとします。

ベッドに仰向けに寝ていただいて、腕をベッドの外にダランと垂らして伸ばしていただくと、肩の前方に突っ張る感じがありますが、この場合は皺が寄るのは肩の裏側なので、そこを皺を伸ばしてあげればいいので、その上肢の裏側は指方向へ、表側は肩方向へ誘導したい。その折り返し地点が指ですので、中指に背面から掌の側にテープを貼ります。示指と薬指も含め中3本くらいに同じようにテープを貼ります。

手による刺激でもいいのですが。少し筋収縮を起こしてもらったほうがよいので、指の屈伸をしてもらいます。これだけでも、水平外転角度が変化します。
-かなり違う。

福井:何か、突っかかりが取れる感じがあるんですね。抵抗がなくなるみたいな感じです。先ほどのエンダモロジーは手術後の瘢痕組織に用いることが可能ですが、フランスのいくつかの医療機関の理学療法部門をみせてもらった際にもその傷が目立たなくなり、たしかにそれは地についた治療になっていると思います。

ただ、私はあまりそれ自体には興味がなく、エンダモロジーだけでも筋肉の緊張が落ちますから、何人かスポーツ選手でも驚いていました。「何ですか、これは?!」とか言って、自分で購入する人も出てきているみたいです。』

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