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口呼吸について|ニュースレターNO.276

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以前紹介した著書山下久明著:背筋は伸ばすな-姿勢のメカニズムとその治し方-(にしきデンタルオフィス2010)の中に口呼吸について書いてあります。私は学生時代長距離をしていましたが、ランニング中の呼吸は追い込むと口呼吸になっていました。そのせいか現役を止めた後も口呼吸になっていました。

その後、鼻呼吸も試してみましたが、定着するに至らず知らぬ間に、口呼吸をしていました。この本を読んでから、鼻呼吸を意識するようになってきました。まだジョギング中もできるだけ鼻呼吸にするようにしています。確かに鼻から息を吸った方が空気を吸い込む感覚があるのですが、私が鼻呼吸ができなかったのは、鼻が詰まり気味で、吸いにくかったことも原因していました。

口呼吸について、適切な解説がなされているので、ぜひ紹介したいと思います。興味のある方は原著をお読みください。

『普段は閉まっていても、何かに夢中になると無意識に口が開いてしまう人がいます。こういう人は時々口内炎に悩まされることがあります。口内炎の原因としてはストレス説、偏食説、感染説などがあります。しかし口内炎の原因としての認知度は低いのですが、粘膜の乾燥が真っ先に挙げられるべきものです。つまり口が開いてしまって粘膜が乾燥すると、抵抗力が下がって口内炎ができるのです。逆に口内炎ができやすい人は、無意識に口を開いていないか注意する必要があります。

人ごみの中で息苦しさを感じてつい口を開いてしまう人もいます。人は本能的に酸素不足を極端に嫌うものです。ちょっとした人ごみでも酸素不足を懸念して口を開いて呼吸せよという命令を脳が出すようです。人ごみや教室で、あるいは職場で口を開いて息をすれば、風邪ウイルスを積極的に吸い込むことになります。毎年風邪を引く人は、人ごみで口を開いていないか今一度確認すべきです。

時々口元が緩くなるだけでも不都合が起こるのに、世の中には常に口を開いている人がいて、それは珍しいことではありません。口が開いていても、舌が上顎にくっついていれば口で息はできませんが、唇は舌と連携しています。そのため、唇が開いていれば舌もダランと下顎の中で遊んでいます。すると、歯は閉じていても、唇からのどまで空気が通過してしまいます。

口を開いているからと言って、口呼吸をしているとは限らないのですが、疑ってかかる必要があります。例えば激しい運動をしている時は口で息をしています。なぜなら鼻より口で息をした方が楽だからです。同じ原理で、口を開いている人は、鼻より口で息をした方が楽なので、必ずと言って良いほど口呼吸をしています。

常に口を開いている人の口元は、不思議と魚の口に似ています。魚は常に海水を取り入れるために口を開いています。常時口から空気を取り入れている人も、魚も、下唇はまっすぐ直線的なのに、上唇は真ん中が鼻に向かって開いた三角形になっています。私たちは何億年も前に魚の時代を終えているはずですが、魚も人も常時口を開いているとなると同じ形になるのが不思議です。

なぜわれわれが口より通りが悪い鼻で息をしているのかというと、鼻で息をするとまず鼻毛で大きなゴミがろ過されます。さらに粘膜のヒダと鼻水で小さなゴミまでろ過されます。それと同時に空気への加湿と加温が行われます。加湿はほとんど百%まで行われ、湿度に弱いインフルエンザウイルスはこれだけで感染しにくくなります。そして鼻の上には脳があります。

体全体の5分の1から4分の1のカロリーを脳は独り占めしてしまうほどの大食い臓器です。ですから排熱だってたくさん出ます。そこで脳を冷却するのにも鼻呼吸は都合が良いのです。肺の方も加湿加温された空気の方が酸素交換の能率がよくなります。また口の奥にはアデノイド(咽頭扁桃)、耳管扁桃、舌扁桃、口蓋扁桃などが輪状に配置されています。

これをワルダイエル輪(ワルダイエル扁桃リンパ輪とかいろいろな呼び方がある)と呼んでいます。ここで作られる白血球は、唾液や鼻水に含まれる成分の助けも借りて、入ってきた空気の細菌やウイルスを一網打尽にします。

つまり人は鼻から呼吸することでゴミ、細菌、ウイルスを除去し、肺でのガス交換が能率的にできるように温度湿度を調整しているのです。もし口呼吸をすれば、ゴミも、ホコリも、細菌も、ウイルスも、アレルギー物質も、すべてそのまま吸い込むことになります。

そんなことをすればワルダイエル輪も過剰負担で壊れてしまいますので、細菌やウイルスに対して無力になってしまいます。また肺は一度入れてしまった小さなゴミは、なかなか排出されないというデリケートな器官でもあります。

口呼吸を続けるとアデノイドに炎症が起こりやすくなり、炎症による腫れで鼻の通りが悪くなって、ますます口呼吸を助長することにもなります。アデノイド肥大を患ったお子さんのお母さんは、鼻の通りが良くなればまた鼻呼吸をしてくれると思い込んでいるものです。

なぜなら呼吸は鼻でするのが常識だからです。しかし鼻呼吸より口呼吸の方が楽なので、一度口呼吸を始めると鼻呼吸に戻ることなく、そのまま一生口呼吸を続けることになりかねません。

ですからアデノイドの具合の良いときに、鼻呼吸の訓練をしないと、アデノイド肥大は治らないと考えるべきでしょう。同じ事は口呼吸の人にも言えて、常識が先に立ち、自分も鼻で息をしていると思い込むあまり、治そうとする努力をしないものです。

ワルダイエル輪が壊れてしまうと、バイ菌を取り込んだ白血球が全身をめぐることになります。そうなれば体のいろいろな所で炎症を起こしますが、その解決のためには、まず自身の白血球を壊してから中の細菌を攻撃しなければなりません。これでは自分以外を攻撃して自分を守るという基本原則が壊れてしまいます。その結果、自己免疫疾患という厄介な病気の火種になりかねません。

口呼吸はそればかりではなく、集中力にも影響します。風邪や花粉症で鼻の通りが悪くなり、頭がボーとして仕事や勉強が手につかなかった経験はないでしょうか。口呼吸をしていると年がら年中こうした状態になってしまいますので、自分の能力を引き出せずに人生を終えてしまうのかもしれません。

花粉症といえば、さすがに花粉が多いときは無理にしても、鼻のフィルタリング・システムで花粉のほとんどは取れてしまうのです。口呼吸を治せば花粉症も治るとは申しませんが、口呼吸をしていれば治るものも治りません。また、鼻のフィルタリング・システムは化学物質にもある程度有効ですから、そのほかのアレルギー体質にも言えることです。

口の中も口呼吸でやられてしまいます。唾液には抗菌作用があって歯や歯肉を守っています。口呼吸をして唾液が乾いてしまえば、虫歯や歯周病を引き起こしやすくなります。口呼吸の影響を受けやすいのは前歯ですから、一番手前の中切歯とその両側にある側切歯の根元に虫歯ができることがあります。

口呼吸から歯周病になり、二十代の若さで側切歯を抜いてしまったという極端な症例も実際に報告されています。たまたまあるセミナーでその症例の歯型の写真を見る機会がありましたが、中切歯二本が飛び出しているという、口呼吸者特有の歯型でした。

ですからその人が口呼吸者であったのは、ほぼ間違いはありません。二十代という若さで歯を抜かなければならないような歯周病になるのは通常あり得ないことです。そのため若年性歯周病として地方紙の記事になったほどです。そんなことが実際に起こるのですから口呼吸の恐ろしさがわかります。

口呼吸による口腔内の乾燥は舌の味蕾も破壊しますので、比較的濃い味付けをしなければおいしく感じなくなってしまいます。もしも来客の口元が緩く、いつも開いているようならば、味付けを濃い目にするか、子どもっぽいメニューにしてもてなした方が良いでしょう。

時々極端に化粧品の匂いがきつい女性に遭遇することがあります。若い人は化粧慣れしていないとはいえ、その原因は口呼吸をしているために、匂いが分からなくなっているからです。

ランニングなどのスポーツは単純に体に良いと思っている人もいますが、やりすぎは良くありません。筋肉は毎日酷使すると硬くなりかえってパワーダウンしてしまうのと、激しい運動をしてしまうと口で呼吸をしやすくなるからです。たとえ運動中でも口呼吸の弊害は変わりません。さらに運動中の口呼吸を日常生活に持ち込んでしまう危険もあるのです。』

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