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膝の痛みとその原因|ニュースレターNO.277

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膝の痛みにもさまざまなものがあります。いつまでたっても痛みが消えず、機能している人も多いはずです。特に、変形膝関節症で悩んでいる方もパーソナルトレーナーの世話になられている方も多いようですが、なかなかその痛みからの開放というところまではいかないようです。

膝の痛みについては、その原因究明から始まりますが、膝に痛みを覚えたらどう対応して行けばよいのか、そんなことも心得ておく必要があります。

膝の悩みについて分かりやすく解説された本がありました。宗田大著:ひざ・股関節の痛みをとる安心読本(主婦と生活社2008)です。非常に分かりやすい本ですので、ぜひ原著をお読みください。今回は、膝の痛みに関するところをピックアップして紹介したいと思います。

『膝の痛みは1期、2期、3期、4期という4つの時期に分類することができます。ただし、これは1期から2期とか、2期から3期というように段階を経て、進行するという意味ではありません。4つの時期は、関節軟骨の状態によって分類されたものです。

1期:関節軟骨はすり減っておらず、厚みが正常な状態です。この時期に膝が痛い場合は、主に膝の使いすぎが原因です。関節周囲の腱や筋の痛みで、スポーツによる障害など、若い人にも見られます。

2期:膝の痛みがピークに達します。急性期の炎症によるもので、関節軟骨の表面がすり減り、それが刺激となって痛みが起こる状態です。関節軟骨がすり減ると、その破片の刺激によって炎症が起こり、膝が腫れたり、熱を持ちます。水がたまるのも、この急性期の炎症によるものです。

3期:急性期の炎症が治まったあとに起こる、慢性的な炎症による痛みです。急性期の炎症後、関節包が硬く変化して膝の柔軟性が損なわれた状態で、膝の曲げ伸ばしの動作がしにくくなります。痛みを避けてかばった結果、膝周囲の筋肉や腱が固くこわばって、膝の動きが悪くなったものです。

4期:関節軟骨が完全になくなり、関節周囲の骨(大腿骨、脛骨、膝蓋骨)の隙間が極端に狭くなったり、表面が露出したことによる、骨の痛みです。関節軟骨がないため、関節の機能が低下して、踏み出したり、歩くと強い痛みが起こります。治療には、手術が必要なこともあります。』

『すでに述べたように、1~4期までの分類は、順番通りに進むわけではありません。膝の痛みを感じたときには、すでに3期の人もいますし、2期から1期に戻ることもあります。はじめて膝が痛くなってなかなか治らない場合は、かなり多くの人が4期になっている傾向があります。

そこで重要なのが、自分の膝の痛みが、どの状態にあるのかを正確に知ることです。なぜ、痛みを正確に把握する必要があるかというと、どの程度改善できるかのめやすをつけるためです。ストレッチに最も効果があるのは、1期と3期です。

つまり、自分の膝の痛みがどの段階かを正確に知ることで、ストレッチなどが、どの程度効果的か、ストレッチと薬といった保存的な治療でどの程度改善できるかどうかが、わかるというわけです。

この2つの時期の特徴は、痛みの原因が関節内ではなく、膝関節周囲の筋肉や腱が固くなってこわばっていることにある点です。それによって、膝関節がスムーズに動かないために、痛みが起こっているのです。

こうした痛みは、ストレッチによって固くなったところをほぐし、血行を促すことによって柔軟性を回復させることで将来的に改善できます。膝の曲げ伸ばしがスムーズにできるようになると、徐々に痛みもとれてきます。

2期の急性期の痛みや4期の骨の痛みには、薬による治療が有効で、ときに必要です。特に2期は、関節内で炎症が起こって腫れたり、熱をもっているので、鎮痛剤などの薬がよく効きます。膝に水がたまっている場合は、水を抜く治療もします。

こうした治療を行えば、ほとんどは1週間程度で痛みは治まります。急性期を過ぎると、慢性的な炎症が起こってきますが、これはストレッチで改善できます。

4期にまで進行した場合は、薬で痛みを抑える他、手術で治療することも考えられますが、実際に手術を必要とする例は多くはありません。』

『膝の痛みには、その人の脚の形も影響しています。O脚やX脚という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。膝の痛みには、こうした脚の形が関係しているのです。O脚とX脚のチェック法で、自分の脚の形をチェックしてみてください。

以前に行われた調査では、若い人の脚の形は、男性では圧倒的にO脚が多く、女性では約60%が比較的まっすぐで、残りの半数ずつにO脚とX脚の傾向が見られました。注意が必要なのはO脚です。人は二足歩行をするようになったため、膝の内側に特に体重がかかりやすくなっています。

O脚の人は、そうでない人に比べて、膝の内側にかかる負担が、より大きいのです。そのため、膝の内側に痛みが起こるケースが多く見られます。X脚で膝の内側が痛いときは、膝が引っぱられることによる痛みです。O脚では体重による圧迫が痛みの原因ですが、X脚の場合は、膝の内側の筋肉が体重によって引っぱられて痛くなることが多いのです。』

『膝の痛みに関係するもう1つの要因として、脚の軸方向のねじれがあります。脚のねじれは大腿骨で起こることが多いと考えられ、ねじれが強いほど、歩いたり走ったりするときに各関節が余計にねじれながら屈伸をくり返すことになります。これによって、膝関節に負担がかかり、痛みを起こしやすいと考えられます。

脚のねじれは、女性に強く見られます。ちなみに、大腿骨のねじれを予防するには、子供のころから女性もあぐらをかく練習をするとよいかもしれません。』

『膝の痛みの原因として、決して見過ごせないのが肥満です。中高年になって太ってくると、膝が痛くなる人が多いことでもわかるように、太りすぎは膝にとって大きな負担となります。

歩くとき、膝には体重の2~3倍の負荷がかかるといわれます。階段の上り下りでは、なんと6~7倍もの負荷がかかります。そのため、肥満によって関節軟骨に大きな負荷がかかると、膝の内側の関節軟骨がすり減って、O脚が進みます。すると、ますます膝の内側に負担がかかるため、悪循環に陥ることになるのです。

さらに良くないことに、膝が痛くなると運動量が減るため、ますます太ってしまうことが多く、これがまた膝関節に負担を強いるという悪循環も呼び込んでしまいます。』

『長年にわたって負担がかかり続けると、しだいに関節軟骨や半月板などの軟骨の弾力性が損なわれ、変形してすり減っていきます。軟骨には、膝にかかる衝撃を吸収するクッションの役目があるため、それが働かなくなると、立ち上がったり、階段の上り下りなどで膝に負荷がかかるときに痛みが起こるようになります。これが「変形性膝関節症」で、日本人の膝痛の原因としては最も多いものです。

変形性膝関節症は、下表のような要因がある人がなりやすいことがわかっています。膝に痛みがあり、これらの要因に当てはまる人は、変形性膝関節症が疑われます。』

『変形性膝関節症では徐々に軟骨がすり減って、変形していくのが一般的です。正確な進行度については、エックス線検査を行って関節軟骨の状態を調べます。これによって、健康な状態、軽度、中等度、重度の4段階に分類されます。また、自覚症状でも進行度がほぼわかります。

軟骨関節の表面がまだ滑らかで、健康な状態では、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。軽度になり、関節軟骨のすり減りがエックス線検査でも確認できる状態になると、炎症が起こり、徐々に痛みが出ることもあります。

たとえば、立ち上がったり、歩きはじめに痛くなったり、膝がこわばる感じがします。痛みは膝の前や内側に出ることが多いのですが、歩き始めると痛みは軽くなってきます。中等度になると、関節軟骨のすり減りがひどくなって、骨の表面の一部がむき出しになります。すると、骨に直接負担がかかるため骨の変形が進み関節のすきまは狭くなり、とげのような形の骨もできて(骨棘)、エックス線でも確認できるようになります。

この段階になると、膝の痛みが強くなって階段の上り下りがつらくなります。また、膝関節の可動域も狭くなり、正座をしたり、しゃがむのがむずかしくなってきます。さらに、炎症によって膝に水がたまりやすくなります。

この水の正体は関節液です。関節は関節包という袋に入っており、その関節包の内側には滑膜という内張があります。関節液は、この滑膜から分泌され、余分なものは滑膜が吸収しています。

関節軟骨がすり減って、その破片によって滑膜が刺激されて炎症が起こると、滑膜から大量の関節液が分泌されるようになります。その結果、膝に水がたまってしまうのです。水がたまったときは抜く治療をしますが、炎症が治まらないかぎりは、再び水がたまってしまいます。』

『さらに進行して重度になると、関節軟骨はすり減ってほとんどなくなります。大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)がぶつかるようになって、その影響で半月板も薄くなっていきます。半月板も膝のクッションの役目があるので、薄くなったり、なくなるとますます衝撃に弱くなり、強い痛みが出やすくなります。

この段階になると、じっとして安静にしているときでも膝がひどく痛むこともあります。痛みで夜も眠れなかったり、目が覚めることもあるほどです。また、歩くたびに強い痛みが起こるだけでなく、関節を固定する靭帯がゆるんで、膝が横揺れしてうまく歩けなくなる例もあります。

さらに、可動域が狭くなって、膝を曲げ伸ばしすることがむずかしくなります。正座はもちろんのこと、膝をしっかり伸ばすことが苦痛になります。』

『変形性膝関節症による膝の痛みの原因は、関節軟骨がすり減ってしまうことがそもそもの原因です。

私たちの体は年とともに老化していきますが、関節軟骨や半月板にも当然、老化が訪れます。加齢に伴って弾力性が失われ、徐々に強度も損なわれてしまうのです。そこにさまざまな要因が加わると、軟骨のすり減りが加速されてしまいます。たとえば、肥満や過度のスポーツなどによって、関節軟骨や半月板が加速度的にすり減って摩耗してしまうのです。

軟骨がすり減ると、骨の表面がむき出しになります。関節軟骨は内側か外側のどちらかに偏ってすり減る特徴があり、そのため関節が変形して、O脚(またはX脚)がひどくなります。脚の形の変形が進むとますます膝に負担がかかり、痛みが出たり、日常の動作が困難になります。』

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