投手が理解しておきたい脚を上げる理由と身体を捻る理由

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脚を上げる
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全国高校野球が甲子園にて開幕し、創設100年を記念する大会となっています。熱戦が繰り広げられていますが、いつみても自分の高校の頃を思い出します。

よくこの炎天下の中で練習や試合をしたもんだと思ってしまいますが、みなさんも熱中症には十分気をつけてくださいね。

甲子園球児に限らず、全国の球児の投手を見ていると、プロ野球選手を参考にしたようなフォームの選手がおり、非常に似た投球フォームをしている選手がいます。

最近では松坂大輔選手に似た投球フォームで話題になった選手がいたり、一時期はヤクルトスワローズの小川投手の脚の上げ方を真似たフォームが流行っていました。

今日はそんな投手が理解しておきたい投球フォームについて触れていきたいと思います。脚を高く上げることで何が変わるのでしょうか。また元メジャーリーガーの野茂投手のように身体を捻ることはどのような影響があるのでしょうか。

今日はこの投球フォームについて書いていきたいと思います。 

こちらの記事も参考にしていただければと思います。

ピッチング・バッティングは足元の環境を整えれば良くなる

野球選手が肩・肘を痛めない投げ方と痛みの原因について

前でボールを離そうとすると肘を痛める理由

 

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エネルギーの60%が下半身で生まれている

野球選手は下半身が重要だ!とよく言われていますが、この言葉の理由はどのようなところからくるのでしょうか。

投手も野手も基本的には同じような身体の使い方をしますが、下半身で最も大きなエネルギーをつくり、骨盤、体幹、肩、腕、手、ボールもしくはバットという順にエネルギーを伝達していきます。

各関節がスムーズに動くことで関節を跨ぐごとに加速され、より大きなエネルギーを作り出し、ボールに対して大きな力を加えることができます。

全体で作り出されるエネルギーが100%だとすれば、下半身で作り出されるエネルギーは約60%と言われており、この数値から見ても下半身の使い方で結果が大きく変わることがイメージできると思います。

このようなことから野球では下半身が重要だといわれています。

 

下半身をどのように使えばいいのか?

では、60%のエネルギーを生み出す下半身をより効率的に使うためにはどうすればいいのでしょうか。

投球動作については以前、投手が知っておきたい3つに分けた投げ方の基本の考え方について でもお伝えしましたが、3つの動きである立つ、前に(体重移動)、投げるに分けると考えやすいと思います。

その中の立つという軸足に体重の乗せる局面は、投手にとっては非常に重要な局面になります。

軸足に体重を乗せ、一度静止することで位置エネルギーを蓄え、そこからプレートを押すように前方への力を得ることで加速をつけることができます。この段階では位置エネルギーを運動エネルギーへと変換しています。

もしこの位置エネルギーをより多く蓄えることができれば運動エネルギーも大きくなり、より加速することができます。

以前もお伝えしていますが、この段階で踵ではなく足の小趾側に体重がかかってしまうと、エネルギーが前方ではなく上方に向いてしまうため、投げたボールは高めに浮きやすくなるか、それを腕でコントロールした場合力のないボールが低めに沈むようになります。

また足場をきちんと整えることも重要ですが、これはピッチング・バッティングは足元の環境を整えれば良くなるを参考にしてみてください。

ここで今日のテーマのひとつである投手の脚の上げる理由について出てきます。

 

投手が脚を高く上げる理由

メジャーリーガーの中には、膝で顎を蹴るぐらい脚を高く上げる選手がいますし、前出のヤクルトスワローズの小川投手もその一人です。

なぜ脚を高く上げる必要があるのでしょうか。それは脚を高く上げることによって位置エネルギーが大きくなるため、その後の運動エネルギーも大きくなり、前方へより加速することができます。

これは実際に経験していただくと非常にわかりやすいですが、脚を高く上げることで球速が上がったり、投球の質が変わることが実感できます。これは位置エネルギーが大きくなることで起こります。

ただ、ここでひとつ重要なことは球速を上げたいと思ってこのようなフォームにした場合、全体の投球フォームのバランスを崩してしまい結果的にマイナスになることもあります。

脚を上げることは位置エネルギーが大きくなり、プラスになることもありますが、投手のフィーリングも重要です。自分に合っていればそれでいいでしょうし、もし合わない場合はコントロールが乱れてしまったりする可能性があるので、投手は全体のバランスが整っていることも注意する必要があります。

脚を高く上げる理由は位置エネルギーが大きくなり、より加速できるというプラスの面があるということです。ですので、シンプルな投球動作であっても脚を高く上げる選手がメジャーには多くいます。

脚を骨盤の高さまで上げる場合

投げ方

脚を高く上げた場合

投げ方

 

身体の捻る理由

球速をアップしたい、より速いボールを投げたいと思い、現役時代によくやったのが元メジャーリーガー野茂投手のようなトルネード投法の真似ですが、このように身体を捻ることで勢いをつけられるような気がしてよく試していました。

結果は気持ちだけ速く投げられた気分になっていたり、とんでもないところにボールを投げてしまったり・・・。

このように身体を捻ることは投球時にどのように影響を与えるのでしょうか。

結論から言うと、特に大きな影響はないということです。脚を高く上げることは位置エネルギーがより大きくなるとお伝えしましたが、身体を捻ることはエネルギーが大きくなることもありません。

タイミングをとりづらくするという点では効果的な部分もありますが、エネルギー的にはあまり大きな変化がないということです。

身体を捻って同じところにステップする確率は、セットポジションから真っすぐ踏み出すだけのシンプルなフォームと比べれば確率が悪くなるので、その日のコンディションによってもコントロールにバラつきが出る可能性があります。

このようなリスクもありますが、これも個人の特徴のひとつですのでしてはいけない動作ではありませんので、無理に矯正する必要もありません。ただ、コントロールが悪くなるリスクがあるということだけを理解しておいた方がいいかなと思います。

シンプルな投球フォーム

 投げ方

身体を大きく捻ったフォーム

投げ方

 

重心を低くするリスク

今書いているとちょうど思い出したので書いていきますが、高校生の頃背の低かった僕はバッティングピッチャーをしていて、かなり打ちやすい球を投げるそうでみんなに面白いように打たれていました。

ちょっと悔しかったので、試しに重心の位置を低くするように膝を大きく曲げて投球したところさらに打たれるという経験と共に肩を痛めてしまったことがあります。

これをシェアしたいと思いますが、重心の位置を低くすることで相手打者にとってボールの軌道が地面に水平となり、ボールが見やすくなります。そのため打者としては非常にボールが見やすいため打ちやすくなります。

それで面白いように打たれてしまいました。また重心の位置を低くするとボールをリリースした後、腕が身体に巻き込めず前方に放り出す格好になり、前方に腕が飛んで行くような動作となります。

そのため肩の後方にある腱板が引っ張られ、この繰り返しによって炎症が起こり痛みが起こる可能性があります。軸足を伸ばして立ってしまうとプレートを押すことができず、加速しづらくなりますが、膝を曲げすぎることもこのようなリスクを伴うことがあります。

膝は5cm程度曲げるぐらいでプレートも押すことができますし、リリース後は腕を身体に巻き付けることもできます。重心の位置を下げすぎることも注意が必要です。

膝を深く曲げた投球動作

投げ方

次の局面で肩の腱板が前方に引っ張られる。

投げ方

右肩の後方が引っ張られているのがわかると思いますが、これが肩を痛める原因になります。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。投球動作というのは、さまざまな要素が複雑に絡み合い、ひとつの動作となっていますが、少しの違いで大きな変化をもたらすのも野球面白いところなのかもしれません。

小さな変化が良くも悪くも自分を大きく変える可能性があるので、投手だけに限らず野球選手は感性を磨くことも重要になると思います。

日頃から自分の身体をどのように動かしているのか、どのように動かした方が自分に合っているのか、そういう自分の感覚との対話も必要になってきます。

今日の内容が少しでも野球選手の参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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