ランニング障害の原因と改善方法を部分別に解説!【まずは緩めること】

根本原因の着地を変える
スポーツ選手の痛み
クライアント
以前から走ると膝に痛みが出て、整骨院に行って電気治療をしてもらいました。一時的には良くなりましたが、走ると痛みます。安静にした方が良いと言われ、安静にしていましたが、走り出すと痛みが出ます。この膝はもう治らないのでしょうか?どうすれば痛みを改善することができるでしょうか?

今回は、そんな疑問にお答えします。

ランニング障害というと少し難しく聞こえるかもしれませんが、現場でスポーツ選手から相談で最も多いのがこのランニング障害です。

走っていると脚が痛い、膝が痛い、足首が痛いとさまざまな箇所の相談を受けますが、この原因は筋力ではなく身体の使い方が問題になっていることがほとんどです。

身体の使い方というのは、いわゆる走り方です。いろんな情報がある中で、それを鵜のみにしてしまって実践すると、それがかえって痛みの原因になってしまうこともあります。

こういう場合、いくら筋肉を鍛えても痛みを改善することができません。重要なことは、筋肉を緩めて根本原因である走り方を改善することです。

この記事では、できるだけ原因を明確にしていただき、そこから改善できるように筋肉を緩めること、そして走り方の改善についてお伝えしていきたいと思います。

 



現場で経験したランニング障害について

ランニング

これまで現場でトレーナーとして活動する中で、さまざまなランニング障害のご相談を受けてきました。

その中で見えてきたことは、筋肉を鍛えることが最善の策ではないということです。というのは、筋肉を緩めることをすればそのときに痛みの改善が見られます。

ただ、筋肉を緩めるだけではまた走れば痛みが出てしまう。なぜなら痛みの根本原因は走り方が問題だからです。

どういう走り方をしているとランニング障害になるのか。

  • 脚をどのように使おうかと考えすぎている
  • 細かい部分に意識を向けすぎている
  • つま先で地面を蹴る
  • 踵から着地をしようとしている

こういったことを走るときに考えていたりしますが、これはすべて痛みにつながる可能性があります。できるだけ症状の原因と改善までの流れをより詳しくお伝えしていきたいと思います。

今回お伝えする症状は、

などの痛みについてご紹介していきたいと思います。もし、先にそれぞれの痛み別の原因、改善方法を知りたい方は、リンクをクリックして記事をご覧ください。

また、ランニング障害の基本的な改善の流れは、

  • 原因の発見
  • 筋肉を緩める
  • 着地の仕方をインプット
  • 走り方の改善

という流れになるので、ご自身が悩む痛みの箇所へ飛んでいただき、そこから着地の記事をクリックしていただくと、後に走り方の記事へ飛べるようになっています。

筋肉を緩めた後は、まず着地の仕方の記事をクリックしていただくと、スムーズに改善に近づけると思います。

 

ランニング障害|膝周辺の痛み

まずお伝えするのは膝周辺の痛みについてです。

ランニングをした後に出る膝の痛みは、主に大腿四頭筋と言われる太ももの前側の筋肉が大きく関わっています。

膝周辺の痛みの原因

主な原因は、筋力が弱いからということではなく、身体の使い方、走り方に問題があります。言い方を変えると、痛いように走るから痛くなるということです。

ランニングによって膝が痛くなる方の場合、地面を突くような走り方をしていたり、ブレーキをかけるような着地の仕方をしている可能性が高いです。

大腿四頭筋は、太ももの前側の筋肉で、黄色い線で示しているのは、外側から

  • 外側広筋
  • 中間広筋
  • 内側広筋

という筋肉です。大腿四頭筋は、これに赤色で示している筋肉、大腿直筋の4つを合わせて呼ばれる筋肉になります。

大腿四頭筋

大腿直筋

これらの筋肉は、膝蓋骨という膝のお皿の骨を通って脛骨と言われるスネの骨に付着しています。

走っている時に、脚を前に出す意識をもっていたり、着地の位置が身体の前にありすぎると地面をつつくように着地をしてしまいます。

身体の前で着地

この画像のまま着地をすると、つま先から着地し、ブレーキをかけるように着地をしてしまいます。このとき、大腿四頭筋がブレーキをかける役目を果たし、非常に大きなストレスが大腿四頭筋にかかってしまいます。

このストレスに耐えられなくなると膝周辺に痛みが出てきてしまいます。

問題はこの走り方になりますが、膝のお皿の外側・内側・上下と痛みが出る箇所が違うことがありますが、これはストレスをどこの筋肉が一番受けているのかによって痛みが出る箇所は変わります。

小趾(小指)側から着地する場合、膝の外側に痛みが出ますし、母趾側から着地をする場合、膝の内側に痛みが出てきます。

痛みの箇所の違いは、こういった走っている時にどこで着地をしているのか、それによってストレスを受ける箇所が変わり、痛みの出る箇所が変わるということです。

このように考える、痛みの原因はストレスに耐えられる筋力をつけることより、大腿四頭筋にストレスを受けないように脚全体で衝撃を吸収できるような着地をすることが重要です。

関連記事:ランニングで膝の痛みが発生する7つの原因と改善について

改善について

膝周りの痛みの改善は、まず大腿四頭筋を緩めることです。

一般的には、筋肉を緩める方法としては、ストレッチングが勧められると思いますが、本来は筋肉を“揺らす”方が緩みます。

これは非常に簡単で筋肉を緩めることができるので、ぜひ行ってみてください。

大腿四頭筋を緩めるテクニック-その1

  1. 片脚は楽に保てる位置へ、逆側の脚を伸ばす
  2. 伸ばした脚の膝裏に手を入れ、軽く脚をバウンドさせる
  3. これを2分間行う

このとき、このタイプの「アセチノ」を使って揺らすと簡単に筋肉が緩むので、こういう電動のアイテムを使うのもありだと思います。

大腿四頭筋を緩めるテクニック-その2

  1. テクニックその1と同じ体勢になる
  2. 大腿四頭筋を擦る
  3. これを2分間行う

この2つをきちんを行えると大腿四頭筋が緩み、柔らかくなっていることがわかると思います。時間を伸ばせばさらに緩みますので、これは個人によって変えていただければと思います。

そして筋肉を緩めた後は、着地の仕方を習得し、そこから走り方の改善に移っていきます。

着地の仕方については、こちらの記事を参考にしていただければと思います。
>>ランニングの着地を考える|ケガのリスクを下げるフラット着地を3つのステップでご紹介

また、ランニングの膝の痛みの原因と改善について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
>>ランニングで膝の痛みが発生する7つの原因と改善について

 

ランニング障害|ふくらはぎの痛み

走り終わった後にふくらはぎが痛くなる原因は、

  • つま先で地面を突く
  • つま先で地面を蹴る

こういった意識を持っている場合によく起こります。

つま先から着地

地面を蹴る

一般の方であればよく地面を蹴るような意識を持って走っている方をみかけますが、地面を蹴ることでふくらはぎにストレスがかかりますし、回転の力が働きます。

そうすると、地面を蹴った反動で脚が後方で跳ね上がり、その反作用で身体は前に倒れるようになってしまいます。

作用・反作用

すると、また地面を突くように着地をしてしまい、この繰り返しでふくらはぎに大きなストレスがかかってしまいます。これがランニング後にふくらはぎが痛くなってしまう主な原因です。

結局このときにかかるストレスに耐えられなくなると、ふくらはぎの筋肉が痛くなってしまいます。

改善について

改善するためには、ふくらはぎの筋肉を緩めることです。

そして、ふくらはぎにストレスがかかるような走り方をやめることです。そうすれば走った後にもふくらはぎに痛みが出なくなります。

ふくらはぎの筋肉を緩めるテクニック

  1. 片膝を立てる
  2. ふくらはぎに手を当て、呼吸を繰り返す
  3. そして、ふくらはぎの筋肉を揺らす
  4. これを2分間行う

そして、この後は走り方の改善を行うことが必要になります。

着地の仕方については、こちらの記事を参考にしていただければと思います。
>>ランニングの着地を考える|ケガのリスクを下げるフラット着地を3つのステップでご紹介

また、ふくらはぎの痛みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしていただければと思います。
>>ランニング後に感じるふくらはぎの痛みの7つの原因と改善について

 

ランニング障害|足底筋膜炎

足の裏には踵から指先の方へ広がる筋膜という膜が存在しています。これらの筋膜は自然な足の使い方や着地ができていれば炎症を起こすことはありません。

足底筋膜

ただ、親指の付け根や小指の付け根など、足の付け根部分で地面を突くような着地をすると、足底筋膜は伸ばされるような刺激を受け、炎症が起きたり剥離したりします。これによって足底部に痛みを訴えることがあります。

先ほどお伝えしたふくらはぎの痛みの発生原因と非常に似ています。

足底

これは足の使い方が問題で、つま先で地面を引っかくような意識を持っていると足底筋膜は縮まり、ストレスを受けます。このような動きを続けることで痛みが発生します。

また足底筋膜炎の場合、足のどこを使っているかで痛みを訴える場所が異なり、母趾球側で地面を突いたり蹴ったりすると足裏の内側が、小趾側で地面を突いたり、蹴ったりすると外側が痛くなり、真ん中あたりに痛みが出ることもあります。

これは着地や足の使い方を改善し、足底筋膜を伸ばしてあげ、緩めると問題は改善されます。

関連記事:速く走るためにはつま先で走る?イメージと実際の動きの違いについて

改善について

足底筋膜炎の場合、足底筋膜がストレスを受けて縮まっている状態ですのでこれを緩めてあげれば痛みは改善していきます。

筋膜を緩めることが必要ですので、このような形で緩めていきます。

1、正座のような状態で足の指を反らせるように座ります

足底

2、2~5分間ストレッチングする

このポージングを2~5分ストレッチングさせていきます。筋膜が緩むまでは90秒以上時間がかかり、炎症が行っている方は硬くなっていますので、2分以上を目安にストレッチングさせていきます。

これだけ足底筋膜は緩んでいきます。筋膜を緩めることができれば、次はそもそもの原因の足の使い方、着地の仕方を改善していきます。

着地の仕方については、こちらの記事を参考にしていただければと思います。
>>ランニングの着地を考える|ケガのリスクを下げるフラット着地を3つのステップでご紹介

また、足底筋膜炎の具体的な原因と改善方法については、こちらも参考にしていただければと思います。
>>足底筋膜炎の原因は筋力不足?おさえておきたい原因と改善について

 

ランニング障害|腓骨筋腱炎

スネの骨を脛骨(けいこつ)といいますが、この脛骨の外側にあるのが腓骨(ひこつ)と言われる細い骨です。

腓骨

この腓骨の外側に腓骨筋と言われる筋肉があります。

この筋肉は外踝(そとくるぶし)の後方を通って、足の外側(小指側)の真中辺りに腱を介してついています。ふくらはぎの外側から足の外側までつながっているということになります。

腓骨筋腱炎は、足の外側で着地をしたり、地面を蹴るような形で足首を使うと過度にストレスを受けてしまい、筋肉が緊張し、そのストレスに耐えられなくなると腱に炎症が起き痛みが出ます。

外踝が腫れている場合、腓骨筋腱炎が疑われますが、この場合腫れている部分は冷やし、腓骨筋を緩めることで改善することができます。

現場で相談にきた選手の場合、O脚気味で立っているときに足元を見ていると少し親指側が浮いているような状態で、足の外側で立っている状態でした。

このような状態で走れば足の外側にストレスを受け、腓骨筋もパンパンに張ってきてしまうため炎症が起こります。

O脚

改善について

腓骨筋腱炎の改善については、スネ周りの筋肉がパンパンに張っており硬くなっていますので、これを緩めることです。そうすれば痛みは改善されていきます。

足首回し

  1. 椅子に座った状態で、脚を組み足首から先を出す
  2. その状態で、つま先付近を持ち足首を回す
  3. もう一方の手で足首を抑え、ぐりぐりならない程度に気持ち良く回す
  4. これを2分行い、逆回しも2分行う

また、ふくらはぎの痛みでお伝えしたふくらはぎを直接揺らすようなテクニックでも緩むので、合わせて試してみてください。

そして、スネ周りが緩められると、そこから着地や走り方の改善に移っていきます。
>>ランニングの着地を考える|ケガのリスクを下げるフラット着地を3つのステップでご紹介

また、腓骨筋腱炎の原因や改善についてより深く知りたい方は、こちらを参考にしていただければと思います。
>>腓骨筋腱炎かも?足首の外側の腫れや痛みの改善は腓骨筋を緩めることで改善できる

 

ランニング障害|鵞足炎

鵞足炎も現場で何度も経験したランニング障害のひとつですが、鵞足炎とは半腱様筋、縫工筋、薄筋の3つの筋肉が付着する部分であり、膝下の内側に位置する部分です。

鵞足

これらの筋肉は腱に移行して、そして鵞足に付着しますが、3つの筋肉がストレスを受け硬くなるとこの鵞足の部分に炎症が起こり、痛みます。これが鵞足炎です。

主な原因は、膝を曲げ、膝が捻じれるような形で着地をすることでハムストリングスなどにストレスを受けます。また地面を蹴り上げ脚が外側に流れるように走ることで鵞足に付着する筋肉が緊張し、結果鵞足炎となる可能性があります。

改善するためには、痛みの場所をマッサージしたり熱を加えることではうまく改善しません。改善のためには3つの筋肉を緩め、大腿部の緊張をとることです。

改善について

ハムストリングスを緩めるためにはいくつか方法がありますが、ストレッチングと筋肉に揺らぎを与えて緩める方法をご紹介したいと思います。

ハムストリングスのストレッチング

  1. 長座になり、軽く膝を曲げて脚を伸ばします。
  2. 気持ちよく筋肉が伸びるぐらいまで前屈し、保持します。
  3. このポージングを2~3分キープします。

ストレッチ

筋肉を揺らして緩める

筋肉を揺らして緩める方法はこちらを参考にしていただければと思います。

これらで筋肉を緩めることで鵞足炎を改善することができます。そして、根本改善を目指すために、この後は着地、走り方の改善に移ります。
>>ランニングの着地を考える|ケガのリスクを下げるフラット着地を3つのステップでご紹介

また鵞足炎についてはこちらにも詳しくまとめていますので、参考にしていただければと思います。
>>鵞足炎の原因とあまり知られていない改善方法とは?

 

まとめ

今回は、ランニング障害についてまとめていきましたが、このように文章に起こすと簡単に改善出来そうな感じもありますが、そもそもの原因をみつけるためには、細かく見る必要があり、教科書的なことだけでは改善は難しくなります。

あくでも今回の記事は一例として、また考え方としてまとめていますので、痛みの原因は、走り方だけではなく環境や道具なども問題も考えられるかもしれません。

痛みの原因は何かしらあるはずで、そこを見つけることが最も重要であり、方法論はその後です。原因を発見するきっかけになり、改善のヒントになればうれしく思います。

もし、走り方の指導を受けたい方はお気軽にご相談いただければと思いますし、「EPARKスクール」というサイトでは、走り方の指導が受けられる場所が検索できます。

ぜひ専門的な指導を受けてみたい方は、使ってみてください。特に東京方面の情報が多いので、関東の方は使ってみると便利だと思います。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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走り方について

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