シドニー五輪女子バレー|オリンピックに出場できなかった理由について

  • 2000/7/13
シドニー五輪女子バレー

シドニー五輪に日本女子バレーの姿はなかった。東洋魔女とまで言われた強豪国がまさかの敗戦。

誰よりも選手のみなさんが一般の僕らにはわからない感情を抱き、そしてまるで犯罪を犯した人のような扱いをされた日々を過ごされたと思います。

今回は、シドニー五輪をかけた日本女子バレーがなぜオリンピックに出場できなかったのか、魚住先生のニュースレターをご覧頂きながら見ていきたいと思います。

 

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竹下佳江元選手のインタビューより

2012年、引退をされてかた当時セッターであった竹下選手がスポーツ紙のインタビューでこのようなことを答えられています。

――ここまでにいたる長い道のりの中で、竹下選手は本当にいろいろな経験をされています。多くの人に聞かれているとは思いますが、シドニー五輪予選で女子バレー史上初の五輪不出場となってしまった際に思ったことは。

竹下 よく聞かれますけど、そうそう言葉にはできないですよね。そこに立った人間にしか味わえないことを味わっていますし、いろんな人に叩かれましたし、とにかく周り中、みんなが敵に見えました。

――シドニー予選敗退後、一時バレー界からは引退されました。

竹下
 シドニーのことがあってから2年経ってやめたのは、いろんな事情があったから。チーム事情もあったので、自分だけではどうにもできない問題もあった。このときの2年間は義務感だけでバレーをしていました。心には大きな傷を負っているのに、チームに迷惑をかけたくないからコートに立つ。コートに立ったら勝たなくてはならない。苦しくてたまらなかった。オリンピックには未練がありましたけど、あのときは切り捨てるしかなかった。

――バレーから離れて、どんなことをして生きていこうと思っていたのですか。

竹下 一度バレーから離れようというのが一番で、具体的なビジョンはなかったです。世の中の人がみんな敵に見えるし、人間不信になったので、離れて時間をおきたかった。それまでは家族と暮らしていたり、NECの合宿所暮らしでしたから、初めて一人暮らしをしたので、新鮮でした。ハローワークにも通いました。

――確かに、当時は竹下選手への風当たりは相当なものだったと記憶しています。

竹下 そのときにそうやって批判的なことを言ってる人に対しても、私の中では恨んでいるわけではなかったです。だから、見返してやろうとも思わなかった。みんな人間なんで、そのときそのときの状況で言うことは変わってくる。仕事からいろんなことを書かなければならないでしょうし。

――そんな中で、V1に降格していたJTで復帰を決めた。

竹下 私は、私のことを純粋に必要としてくれる場所があって、そこに戻ることができました。JTの当時の部長さんと、一柳昇監督が何度も何度も私の所に来て、「うちでやってくれないか」と。最初は「うん」とは言えなかったのですが、本当に何度も足を運んでいただいた。それで、たとえ少ない人数でも、自分を求めてくれる人の期待に応えられるようにしようと思いました。だから、おふたりには、自分が閉ざしていたものを開いてもらったという意味ですごく感謝しています。

Web Sportiva Love Sports【女子バレー】竹下佳江が語る「銅メダルまでの道のりと現在」より引用

 

シドニー五輪女子バレー|なぜ敗れたのか?

日本はメダルの常連国でしたが、近年外国勢の高さと力に押されてしまう勝てない時代が続いています。

シドニー五輪をかけた予選で負けた日本では、後にこのような番組が放映されています。

選手や指導者の裏側に迫ったものですが、非常に胸にささるものがあります。

さて、結果的にはシドニー五輪に出場できなかった日本ですが、魚住廣信先生はニュースレターの中で勝てなかった理由をこのように書かれていました。

 

女子バレーボールオリンピック最終予選の敗退

■女子バレーボールオリンピック最終予選の敗退

6 月 25 日、対韓国戦を1対3で敗れ、シドニーオリンピックの出場が断たれました。1964 年の東京オリ ンピック以来続けていた連続出場も今回で途絶えることになりました。この敗退について、私自身は予想通 りと思っていますが、皆さんはどうでしょうか。

私には勝つ下地が見られませんでした。1980 年のモスクワ オリンピックに不参加以来、オリンピックではメダルが取れなくなってしまったとともに、世界の二流国 になってしまったのです。

それもいまだ下降を続けているとしかいいようがありません。女子だけではなく、 男子も同様で、男子のほうはもっとひどい状態でしょう。 なぜこのような下降を止められないのかということが問題です。

監督は何人も変わりましたが、指導内容 についてはそれほど変わったところが見られません。恐らくバレーボールばかりの練習をしていることが 原因だと思います。

世界のトップレベルの選手と比較すると、体格で劣ることは今も昔もかわりがないのです。それをレシー ブやクイック、フェイント、時間差などのごまかし戦術によって世界のトップに位置してきたのですが、 ロサンゼルスオリンピックの頃から通じなくなってきました。

アメリカ、キューバの台頭によって世界のバレーボールは、完全に高さとパワーのスポーツに変わって しまいました。それについていけなくなっているのです。

いつまでもレシーブや戦術といった技術的なこと にこだわらないで、一度体力面に目を向けてみたらどうでしょうか。 体格で劣っていても、スピードやパワーは鍛えることが出来ますし、世界のトップレベルに持っていけ る可能性は高いと思います。

ます体力面で互角に持っていく努力をどれだけやってきたかと言うことが問 題だと思います。そのことは、ゲームを見ていれば良くわかります。女子もそうですが、男子においては体 つきが子どもと大人ほどの違いを感じずにいられません。

日本の選手達は、ほとんどの選手が1年前と変わらない体つきをしています。いつも不思議に思います。 どれだけ計画的に体力づくり、コンディショニングを進めているのか、そこを知りたいものです。

もし、き ちっとトレーニングも行っていると言うのなら、そのプランや内容も知りたいものですね。 後1つ気になるのは、バレー界で今も続いているように思われる長時間の練習や、休みのない練習です。

確かワールドカップのときは、リーグ戦中にも練習をしていたようです。不安やミスを練習で補おうとする ことは解らなくもありませんが、ピークの時期にどうしてそのようなことをする必要があるのか理解できません。

指導者はもっと練習・試合・トレーニング計画について勉強すべきです。そうすれば如何に休養さ せることが大切か、誰にでも理解できるはずです。休養の取り方が、選手の体をつくり、精神的にも技術的にも成長させることになるのです。

またバレーボールのために、高くジャンプするために、素早く動くために、パワフルにアタックするた めに、安定したレシーブをするために必要なトレーニングが出来ているのか、もう一度見直すべきです。

単なるウエイトトレーニングに終わっていないとよいのですが・・・。「人の振り見てわが振り直せ」

ニュースレターNO.002より引用

 

コンディショニングについての理解

これは僕自身が魚住先生から最も学んでいる内容のひとつでもありますが、選手を指導する上で、練習だけではいつかスキルの向上は頭打ちになります。

なぜならスキルのベースにあるのは、コンディショニングであり、基礎体力です。

基礎体力の向上無くして、スキルの向上もある程度までしかなく、世界と戦うためにはこの理解や実践が必要になります。

ただ、現状としては筋肉をつけるとスピードが落ちる、スポーツ選手はけがをしやすくなるなどといったことも言われており、そういった誤った認識が日本のスポーツの発展を遅くしているのかもしれません。

今回、女子バレーが負けていまった敗因も、このコンディショニングが他国に比べ劣っていたこと。それが大きな要因として考えられます。

また、シドニー五輪水泳の選考基準の不透明性によって起こった問題でもあげたピリオダイゼーションの理解が不足しているために、適切な計画がなされていないことも要因のひとつです。

僕も含めたスポーツ選手にかかわる人がもっとコンディショニングやピリオダイゼーションへの理解を深めることが、日本全体のレベルを上げる第一歩となるはずです。

コンディショニングについては、こちらを参考にしていただければと思います。

体調だけではないコンディショニングという言葉が持つ本来の意味とは?

 

まとめ

選手側からの声を聞くとそこには本当に苦悩な日々があり、想像もつかないようなプレッシャーの中で戦っている。

指導者がそんな選手にしていくべきことは、科学的に実証されている、根拠のある指導を通じて、選手のコンディショニングを向上させること。

そして、スキルなどをコーチや監督が向上させることで、世界でも通用する選手が育つ。

魚住先生のニュースレターを読んでいてもそのように感じますし、現場で仕事をする僕自身ももう一度学び直さなければいけないと感じる内容でした。

今回の記事が、少しでもスポーツ現場での指導を考えるきっかけになれば嬉しく思います。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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