スポーツ栄養学とは?現場で活用できる栄養の考え方について

  • 2000/11/23
スポーツ栄養学

栄養学とは何か?先日お伝えした分子栄養学とは?高タンパク高ビタミンと活性酸素の除去が重要になるでは、一般的に知られる栄養学ではなく、分子栄養学という新しい学問について魚住先生がニュースレターで書かれていたことをまとめてお伝えしています。

現代のスポーツ栄養学は、不足してる、もしくは必要とする栄養素を個人の身長や体重などから算出し、その計算から出された栄養素を補うためにどのような食事を摂ればいいのか、どのような食品をとればいいのかを指導する学問です。

三大栄養素と言われる、炭水化物・タンパク質・脂質。またビタミンやミネラルなど身体の中で必要な栄養素をとるという感覚が強いスポーツ栄養学は、果たしてどれだけ現場で役立つのか、魚住先生のニュースレターから考えることはたくさんあると思いますが、今回はこのスポーツ栄養学、また栄養学について考えていきたいと思います。

 

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スポーツ栄養学について思うこと

魚住先生が、ニュースレターNO.11でスポーツ栄養学にこのように考えを述べられていますので、まずはこちらをご覧ください。

以前に分子栄養学で紹介した斎岡明子先生からFAXが入りました。スポーツ現場での食事指導や栄養に関する指導内容について状況を聞かせてほしいと言うものでした。そこで私が思うがままに書いたものをお送りしましたが、それに加筆したものを今回紹介します。

栄養に関する考え

『現在の一般の栄養学とスポーツ栄養学の違いは、特にないように思います。いわゆる栄養学の基本が、食品や食べ物の摂取量とそのバランスでしかないと言うことです。従って、スポーツ選手と一般人の栄養学の違いも本質は変わるものでなく、両者の違いはその摂取量の差(栄養素の一部を増やすと言うようなこと)にあるとしか言えないように思います。

このような栄養学は、数学的・算数的、机上の理論であって、1+1のように誰にもできる、効果があると言うように上手くいくはずがありません。選手も一般人も同じ人間であり、一人ずつ特性、体質も異なると言うことが理解できていないように思います。

その違いは、やはり食べたものをいかに消化し、吸収できるか、優れた消化・吸収器官を持っているかどうか、一人ずつ違うと言うことです。
そして基本として行われている食事調査についても、食べたものを机上のバランス表と比較して、何をたくさん食べて、何を減らすと言った食事指導がパターン化された最たるものと思います。

食事の指導がまるでジクソーパズルのような、抜けた部分の埋め込みスタイルになっているのではないでしょうか。

新しい視点を持つこと

重要なことは、身体の中、臓器、血液の中の調査が必要だということです。例えば、メジャーリーガーのシーズン中の食事は、チーズバーガーとポテトフライがほとんどのようです。ナイターが終わって深夜に家に帰ってからステーキは食べられないはずです。

それでも大きなパワーのある肉体になるという事実を見れば、スポーツ栄養学の視点をどこにおけばよいのか、新しい見方が必要になるのではないでしょうか。

またテレビで痩せるために1日3食きちっと食べて、低カロリーの食事に抑え、運動をやっているのに、机上の計算通りに痩せないで悩んでいるというのがあります。それでも机上の算数理論にこだわることが理解できません。昨年12月から私がトライしている「ライフスタイル革命」の方が理論を読んでも説得力があり、その効果も著しくリバウンドも見られません。』

結局、「栄養学はこうである、こうでなければならない」といった、誰かが標準化した固定概念から離れなければ「真のスポーツ栄養学」(一般人の栄養学もそうですが)は確立されないのではないでしょうか。

その意味では、日本のスポーツ界のトレーニングについても同じ状況だと思います。机上の理論、実験室のデータの現場への直接の移行だけでは、生きたトレーニングで生きた競技で結果を出しつづけることは難しいと言うことです。一人一人違った人間がやることですから。

トレーニングに限らず、物事の発展性、改革意識がないと言うことがなければ、「まぐれ・偶然」の結果にしかなり得ません。だからオリンピックや世界大会で勝てる選手が少ないのです。結果を出せなかった選手に対して見方を変えれば、素質のある選手が山の頂上まで登りつめることができないで、どこかで止まったり、戻ってしまったりと言うことになるのでしょう。

「頭を柔軟にして、逆転の発想をすること、ものごとを360度から見直すこと」という考え方です。そして何事にも疑いを持ち、直ぐ否定することなく、指導者としてその実態を理解して結論を出す努力が必要です。

ただ待っていたり、人のまねをしたり、本を読むだけでは選手個人に見合った真のトレーニングは生まれません。応用としての発想が不可欠です。そこから生まれるものは、当然間違いもありますが、新しい理論を生み出す可能性もあるのです。

ホームページで紹介した「ソビエト・スポーツ・トレーニング」と「読んでわかる見てわかるベースボール・トレーニング」は、正しくその手がかりになるものです。ぜひ読んでいただきたいと思います。それが理解できれば、新しい発見・発想が生まれると思います。

ニュースレターNO11より引用

 

現場でアドバイスを送っていて感じた疑問

先生がこのようにニュースレターでお伝えされていましたが、僕自身が栄養学がどうかと偉そうに語れる立場にはありませんが、現場でレベルで感じていたことは、「炭水化物を何gとりましょう、タンパク質を何gとりましょう。」と伝えていても、それが果たして適切かどうかは個人の生活によるということです。

セッションから感じる原因をみつけることの大切さ

僕はパーソナルトレーナーとして痛みの改善やシェイプアップなどの目的で来られるクライアントさんとセッションを行っていますが、まず必ず行うことは原因をみつけることです。

原因をみつけないと、今なぜこのような身体になったのか、このような状態になってしまったのかが見えてきません。

これを栄養学に言い換えると、指導対象となる方の生活はどうなのか、生活習慣や仕事、個人の性格、当然食生活を調べることが必要になり、そこから現状が見えてくるはずです。

ただ、栄養学を学ぶ中で、魚住先生から学んだようなことを一切聞いたことがありませんし、そのように僕自身も指導されたことがなく、「タンパク質を何gとってほしい。卵でいうと○個分」と食品を指定されるぐらいでした。

これは、机の上で計算された栄養素を元に、それを食材に変換され提案されたものです。僕と読者の方は当然吸収率も違えば、身体の状態も違う。それを考慮せずに導き出される食事は、どのような価値を持っているのでしょうか。

数字だけでは判断できないこと

僕は常々栄養素を数値化することに対して疑問がありました。

お菓子で書かれている【たんぱく質1g】と卵からとれる【たんぱく質1g】は、果たして同じなのか。

もしたんぱく質という栄養素だけを見ると、どちらも同じなのでしょうが、果たして身体に対してはどうなのか。またカロリーもそうです。

カロリーだけで何かを判断することはいいものかと。

栄養学の観点で言えば、おそらく同じと判断されてしまいますが、実際には身体に与える影響は同じではないはずです。そう考える現場レベルであっても、現在の栄養学には疑問が思う所があったり、現場で活用できないところも多くありました。

そういった視点で栄養学と、分子栄養学を比べると、どちらの方が実用的か、はっきり見える部分がありました。

 

現場で活用するために参考になる書籍

先生もニュースレターの中で書かれていましたが、現場で食事や栄養についてアドバイスを送るとき、以下の書籍が参考になると思います。

 

最後に

スポーツ栄養学も学びがある学問だと思います。ただ、現場で活用していくためには、これまで当たり前に見てきたような視点では足りず、360度から物事を見渡す視野を持つことが大切になると思います。

1つの事柄がすべてになってしまうことではダメですし、全てを否定することでもいけない。

先生も書かれていたように、頭を柔軟にし、自分中で物事をかみ砕き、そこから冷静にその物事の本質を掴むこと。

この訓練を日々することで、栄養に対してどのように考えるべきか。それが見えてくるように思います。

今回の内容が少しでもお役に立てる内容であればうれしく思います。

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