スイングスピード向上のためにはウエイトトレーニングではなくバットを振ること

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スイングスピード

スイングスピードを速くしたい、プロ野球選手を見ているとそう思うのは自然かもしれません。

スイングスピードを向上させるためには、まず身体の動きそのものがスムーズに動く必要があります。

そして、その中で練習やトレーニングの工夫をすることでさらにスイングスピードを上げることができます。

あたり前のことすぎて忘れてしまうことですが、スイングスピードを上げるためにはバットを振ること。今回はスイングスピードを 上げる考え方についてお伝えしていきたいと思います。

 

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まず最初に

2013年、ヤクルトスワローズのバレンティン選手が年間最多本塁打記録を塗り替える記録を樹立し、130試合の出場にも関わらず、60本塁打を放ちました。

このとき年使用したバットの重さは、850~880gという話をメディアが掲載。この重さというのは、高校生が使っているバットが約900g以上。その軽さがわかると思います。

ホームランを打つためにはさまざまな条件が必要ですが、スイングスピードが速くなることでボールに対する衝撃力が増します。

そうすると打球はより飛ぶことになる。だとすれば、いかにスイングスピードを速めることが重要か、野球選手だと感じるところだと思います。

決して重いバットをスイングしたり、使用するからいいのではなく、自分の持つ能力を十分に発揮できるバットを選ぶか、そこが最も大事なところになります。

プロ野球選手のスイングスピード

以前ある番組でこのような企画がありました。

プロ野球選手の中で最もスイングスピードが速いのは誰かと言う企画で、非常に面白かったです。

スイングスピードの順位は、

1、柳田悠岐(ソフトバンク):163.6km
2、哲朗(楽天):161.9km
3、雄平(ヤクルト):160.9km
4、筒香嘉智(DeNA):160.2km
5、中川大志(楽天):160.1km
6、森友哉(西武):160.0km
7、山田哲人(ヤクルト):157.9km
8、梅野降太郎(阪神):156.0km
9、松田宣浩(ソフトバンク):149.6km
10、平沢大河(ロッテ):148.7km

参加していない選手もいますので、一概にこの通りにはならないと思いますが、参加者の中ではこのような順位になりました。

ここからわかることは、やはりスイングスピードが速い選手というのは、ホームランバッターという印象を受けます。

野球選手としてレベルを上げるためには、このスイングスピードを上げることはひとつの目標のひとつになるのではないでしょうか。

 

スイングスピードを上げる考え方

では、スイングスピードを上げるためには、どうすればいいのでしょうか?

それは、

スムーズな動作でスイングができること、コンディショニングを向上させる

などが考えられます。この辺りについて詳しくお伝えしていきたいと思います。

一般的に行われるスイングスピードを向上させるためのトレーニング

よく見かける光景ですが、スイングスピードを向上させるためにまずウエイトトレーニングをするという発想です。

これは間違いではないんですが、ウエイトトレーニング=スイングスピード向上という直接的な関係をイメージしていればおそらく結果は思ったように出ないと思います。

なぜなら、

筋力向上=スイングスピード向上とは、必ずしもならない

からです。ウエイトトレーニングをする目的は、筋力の向上です。スイングスピードを向上する目的ではありません。

わかりやすい例で言うと、ボディビルダーはプロ野球選手よりも筋力レベルは高い。でも、プロ野球選手のようなスイングスピードは出ません。なぜならスイング動作がスムーズではないからです。

筋力を向上させることで、一時的にスイングスピードが向上する時期がありますが、それは一時的。

まずスイングスピードを上げるためにおさえておきたいことは、リラックスした状態でスムーズにスイングができる身体の使い方を理解することです。

どんなに筋力が高まっても、それをうまく使いこなすような身体の使い方ができなければ最大限のパフォーマンスを引き出すことができません。

パワーの向上=スイングスピードの向上?!

ウエイトトレーニングをする目的は筋力の向上だと思いますが、筋力を高める目的がパワーの向上の場合があります。

野球選手はパワーを高めることで、パフォーマスが上がると言われていますが、そもそもパワー【power】はどうすれば向上するのでしょうか?

パワーの向上

日本では、パワー【power】という体力要素は、最大筋力1/3×最大スピード=パワーの向上という式が成り立ちます。

これがどういうことかというと、例えば、ベンチプレスを1回できる重量が90kgだとします。その1/3の負荷は、30kgになります。

30kgの負荷を使用し、最大スピードでベンチプレスをすると上肢のパワーが向上します。上肢のパワーが向上するということは、上記でお伝えした式通りに結果が現れるということです。

ただ、どのような効果が現れたかというと、

上肢のパワーが向上した

ということです。言い方を変えると、“30kgで行うベンチプレスのパ ワーが向上した”ということです。

トレーニングの原則のひとつに特異性と言う原則があります。

特異性とは?

トレーニングはその種類によって効果が変わり、トレーニングをした部位や動作に効果があらわれると言うもの。

行ったトレーニングの形式は、ベンチプレスで仰向けの状態でバーを押し上げています。その形式のパワーが向上したということです。

ここが混同してはいけない部分で、ベンチプレスをして上半身の筋力が向上したからと言って、スイングスピードは直接的に向上しません。

スイングスピードを向上するためには、直接バットを振ることが必要になります。ただ、ここで問題が生じてきます。というのは、日本で言われるパワーを向上させる式に当てはめるとこのようになってしまいます 。

硬式バットの重さは約900g。
つまり、300g×最大スピード=パワーの向上?

実際に高校球児などが使うバットは900g前後なのに、300gのバットを振ればパワーが向上する?本当に向上するでしょうか ?おそらく難しいと思います。

このように日本のパワーに対する考え方のままでは、どうしても行き詰ってしまいます。そこで、ロシアのトレーニング学に目を向けると解決策が見えてきます。

スピード筋力という考え方

もし陸上選手のような自重で競技をするスポーツでは、パワーを向上させる場合なぜ数十キロの重りを担いでトレーニングをする必要があるのでしょうか?野球選手も同じです。

ロシアには、パワーという概念がないと言われ、変わりになるのがスピード筋力と言う考え方です。

スピード筋力とは?

運動動作中に筋によって生み出される爆発力。

発揮する筋力が最大に近づけば近づくほど、スピードは遅くなります。逆にスピードが速ければ速いほど発揮する筋力は低くなります。筋力とスピードは反比例の関係にあります。

スイングスピードにこれを置き換えると、バットが1gだとスイングスピードは速いが、ボールを打てば簡単に折れる。逆に3kgぐらいの重さだと重すぎてスイングスピードが出ない。

この真ん中辺りを探す必要があります。高校生、社会人では約900gのバットがひとつの目安になるのではないでしょうか。

スピード筋力を高めようと思うと、900gのバットスイングを速くする目的の場合、

900gだけでなく、その上下の重さのバットをスイングすることで900gのスイングスピードは向上する

と言われています。つまりスピード筋力を高める目的の場合、目的とする重量の上下の重さでもトレーニングをする必要があるということです。

例ですが、

850g
900g ↑
950g

このように3つの種類の重さを活用することで、真ん中の900gのスピード筋力が高まると言われています。

スイングスピードを向上させる考え方

ここまでのことをまとめると、スイングスピードを向上させるためには、

1、スムーズなスイング動作
2、3つの重量を使ったトレーニング

が必要になるということになります。

ただ、ここからが最も大事なことですが、スイングスピードを向上する目的で3つの重さを活用する場合、重量の設定の基準がないということです。

先ほど、わかりやすく、上下の重さを850g、950gと表現していますが、実際にはこんなに簡単に数値は出せません。

現場で実際に選手のスイングスピードを計測しながらトレーニングを重ねていきましたが、実際はもっと厳密で、

・835g
・1055g

など、細かい数値になります。これは実際にある一定期間トレーニングをし、実際にスイングスピードを計測する。

そして、その結果から、正しかったのか間違っていたのかを判断しなければいけません。すべての答えは、客観的に見える結果からしか得られません。

ここが一番の難点です。3つの重量を使ってトレーニングすることがわかっても、安易に成果が得られないのはこのためです。

現場で重量の調整をするために、木のバットをやすりを使って重量を調節していき、実際に細かい数値を管理していきました。

スポーツDEPOさんなどでは、重量が微妙に違うバットを売っていたり、バットにつける重りも売っていますので、こういうスポーツ店でまず3種類のバットを用意してください。

では、難しいところは置いといて、スイングスピードを向上させるためには、日頃どのようなことに取り組めばいいのかをお伝えしていきたいと思います。

 

スイングスピードを向上させるために行うこと

ここからはより実践的なことをお伝えしていきたいと思います。

スムーズなスイング動作を習得する

スムーズな身体の使い方ができると、関節が動く際にブレーキがかからず減速しないため、スイングスピードも上がってきます。

そのためにまず行うことは、ゴルフスイングのような動作です。

ゴルフスイング

これは画像でお伝えしていますので、動きが硬いですが、全体のイメージとしてはこのようなゴルフスイングを行っていきます。

まずこのような位置にグリップを構えます。

ゴルフスイング

このとき右足に体重が乗り、上体は気持ち引き上げられるイメージです。

グリップの位置を高く持っていき、そこからグリップを落とすように下げていきます。

ゴルフスイング

ゴルフスイング

このときのイメージは、グリップを下げるという感覚ではなく、落とすイメージで、バットの重さも感じないほどリラックスしてく ださい。

すると、グリップを落とした勢いでゴルフスイングのようになり、逆側にバットは振りあがっていきます。

ゴルフスイング

逆側に振りあがったときには、グリップの位置が高くきて、左脚に体重が乗ってきます。

先ほどのスタート位置の逆側に来るようになり、同じ要領でグリップを落とすようなイメージでスタート側へスイングしていきます 。

ゴルフスイング

ゴルフスイング

ゴルフスイング

ゴルフスイング

バットのヘッドの重さを感じながら、ボワ~ン、ボワ~ン、というイメージでリラックスした状態でゴルフスイングを行っていきま す。

うまくリラックスができていると、身体はスムーズに動き、グリップを落とした後、ヘッドが自然と加速されていくことが掴めてく ると思います。

こういうゴルフスイングから徐々に実際のバットスイングへ移行させていけば、身体の使い方が変わることでスイングスピードが速くなることが実感できると思います。

3つの重さのバットを使ったトレーニング

続いてお伝えするのは、3つの重さのバットを使ったトレーニングです。

実際に社会人野球選手に行った内容はこちらです。

OFF
素振り(軽・重)
素振り(軽・重)
ウエイトトレーニング
素振り(軽・重)
練習(普通)
試合(普通)
ウエイトトレーニング
・軽=835gのバットを使用

・普通=900gのバットを使用

・重=1035gのバットを使用

このように3つのバットを使用してスイングを行っていきましたが、ポイントは1週間の中で3つの重さのバットの数が同じになるようにスイングすることです。

これだけがひとつの目安ですので、上記のメニューを参考に使用するバットを変えていただき、同じ数をスイングすることで結果的 にスイングスピードが向上する可能性があります。

軽いバットを使用したスイングの仕方

3つの種類のバットを使用する際、当然重さが違いますし、それぞれの目的も異なります。その意味を理解した上でスイングを行うことで、より成果を得られるようになります。

軽いバットを使用をする目的は、

普段よりもスイングスピードは上がり、その速くなったスイングスピードを身体に体感させること。

言い方を変えると、その感覚を脳にインプットすることです。そうすると、これまでに経験していないスピードでスイングを行いますので、身体もその速い動きに慣れていきます。

軽いバットを使用したスイングの仕方は、

速い動きを身体にインプットすること

です。ただ、ここで注意しておきたいことは、「速く振ろう!」とすると、それが緊張となり、スムーズに身体は動きません。

あくまでも、身体はスムーズに動かすためにリラックスさせておく必要があります。この辺りを整理していつもより速いスイングスピードを身体に体感させてください。

重いバットを使用したスイングの仕方

マスコットバットなどになると思いますが、重いバットをスイングするときの注意点は、全力で振ろうとしないことです。

重いバットでのスイングの目的は、

スイング動作を確認するような意識でバットを振ること

です。野球選手だとわかると思いますが、マスコットバットでバッティングをすると若干タイミングやフォームが変わってしまいます。

一見小さな変化のように思われることも、フォームを崩してしまう原因になってしまう可能性があります。

重いバットを使用する場合、

全体の動きを確認するように、全力でバットを振らないようにスイングしてください。

このように、スイングスピードを向上するためには、全体の動きがスムーズになること、そして、3つの重さのバットを使用してトレーニングすることだとお伝えしていきました。

ただ、それでも人は即効性を求めがちです。ここからは別の視点でスイングスピードを向上させる考え方をお伝えしていきたいと思います。

関連記事:野球選手がバッティングを向上させたいときに覚えておきたい12のこと

 

柔軟性を向上させることでもスイングスピードは上がる

弓を放つ時、一度弦の部分を引くことでそこから矢が勢いよく飛び出します。

もしこの弦が硬く、ほとんど引けなかったらどうなるでしょうか?弓はほとんど飛ばなくなります。

これは何を示しているのかというと、人間の身体が硬くなってしまうとその分だけ勢いをつけることができず、スイングスピードは落ちてしまいます。

逆を言うと、柔軟性を向上させることでスイングスピードを上げることができます。

柔かい弾力のある筋肉

柔軟性というのは、どれだけ長座をした状態で前屈できたかということがひとつの指標になりますが、スイングスピードを向上させるためには筋肉を緩め、弾力のある筋肉にすることです。

そのためには、身体を気持ちよく動かすことです。動かす手順を知ることで筋肉は緩み、弾力のある柔らかい筋肉になっていきます。

この弾力のある柔らかい筋肉にするためには、こういった体操を行っていきます。

前屈

  1. へその位置を重心とする
  2. 重心を後にずらす
  3. 上半身は、骨盤にぶら下がっているようなイメージでリラックスさせる
  4. 息を吐きながら前屈し、元に戻る

体操

後屈

  1. へその位置を重心とする
  2. 重心を前にずらす
  3. 上半身は、骨盤にぶら下がっているようなイメージでリラックスさせる
  4. 息を吐きながら後屈し、元に戻る

体操

側屈

  1. へその位置を重心とする
  2. 重心を横にずらす
  3. 上半身は、骨盤にぶら下がっているようなイメージでリラックスさせる
  4. 息を吐きながら側屈し、元に戻る

体操

これらはひとつの例ですが、このような体操を行い、気持ちよく身体を動かすことで柔軟性が向上してきます。

筋肉が緩んだ状態でスイングしてみるとわかると思いますが、いつもよりバットが軽く触れ、スイングスピードが上がっていることがわかると思います。

スムーズな動作やトレーニング以外でも、このように、

筋肉を柔らかい弾力のある状態にすることでもスイングスピードを向上させることができます。

ここでお伝えしていることは、ウォーミングアップの中にとり込めばその後に行う練習なり、試合で良いパフォーマンスが発揮できるはずです。それだけウォーミングアップは重要になっていきます。

 

野球選手や親御さんにお伝えしたいこと

今回お伝えした内容は、スイングスピードを向上させる考え方です。スイングスピードが変われば、それだけボールに対しての衝撃力が大きくなるため、打球の質も変わるはずです。

ただ、前提として技術が伴っていることが必要です。スイングスピード向上=うまくなるではなく、当てる技術が別で必要になります。

この部分は別で学ぶ必要があり、イチロー選手のトレーナーでもあった松尾祐介さんが解説されている松尾祐介のPOWER LINE打法~「タメ」と「カベ」を作り、飛距離をアップさせる方法~が非常にわかりやすく、イチロー選手や多くのプロ野球選手に指導したバッティング理論を知ることができます。

ぜひこちらも参考にしていただき、今回お伝えしたこととバッティング理論を知ることで、より高いパフォーマンスを発揮できるようになります。

今よりも少しでもレベルアップできる内容になっていればうれしく思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はスイングスピードについてお伝えしていきました。

スイングスピードを上げるためには、

  • スムーズな動作や3つのバットを使ったトレーニング
  • そして柔軟性の向上をすること

です。そうすればスイングスピードは上がります。

スイングスピードが上がれば、バットからボールに伝わる衝撃の大きさが変わり、スイングスピードが速ければ速いほど打球は飛んで行くことになります。

野球人としてよりうまくなりたいと思う気持ちをずっと持ち続けることは素晴らしいことです。そういう方に今回の記事が参考になればうれしく思います。

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