歩き方がおかしいと感じる方に伝えたい下駄を利用した歩き方の改善方法

どのような歩き方を正しい歩き方といい、どうすればそのような歩き方ができるのでしょうか。今の自分の歩き方はちょっとおかしいなと感じる方は、どうすればいまよりも良い歩き方ができるのでしょうか。
そのヒントはまず、歩き方を整理し、脚で歩こうとするのを辞めることです。そうすれば今よりもスムーズに、気持ちよく歩くことができます。
下駄を履いて歩くことでべた足、フラットに着地する感覚が得られ、歩きやすくなります。下駄をどのように活用するのかを含めて、今日は歩き方についてお伝えしていきたいと思います。
ざっと内容を知りたい方はこちら
歩くとは?
そもそも歩くというのはどういうことでしょうか。脚で移動すること、今の位置から脚を使って、別の場所に移動する手段。いろんな考え方ができると思います。
歩行とは?
歩行(ほこう)とは、足(脚)を持つ動物が行う、足による移動のうち、比較的低速のものをいう。急いで移動する場合は走るという。厳密に区別する場合は、すべての足が同時に地面から離れる瞬間を持たない動作を言う。
Wikipediaより引用:歩行
このようなことを歩くといいますが、ほとんどの方は歩く=脚で移動するというイメージを持っているのではないでしょうか?
実際には移動するためには脚が動くことになりますが、この脚の使い方によって気持ちよく歩けたり、すごく疲れたりします。
僕は歩くという行為は、脚を前に出すのではなく、
重心を運ぶこと
だと考えています。重心を運ぶことで自然と脚が出てくるため、非常に楽に脚が動き疲れません。ここから少し歩くことについて考え方をお伝えしていきたいと思います。
歩くとは、重心を運ぶこと
マラソン選手などの陸上選手は、決められた距離をいかに速くゴールにたどり着けるのかを競い合いますが、最短でゴールにたどり着こうと思えば、自分の重心が左右にブレルことなく、一直線に運ぶことが求められます。
そうすればより速くゴールにたどり着けることになります。
自分の身体を目的とする場所まで移動させることは、重心を移動させることであり、歩くというのは重心を移動させることになります。
関連記事:歩き方と重心の関係|楽に歩くために重心を引き上げる理由
一般的に言われる重心位置
では、重心というのはどこにあるのでしょうか。一般的に言われる重心の位置というのは、へそ辺りを指すことが多く、丹田と言われる場所を指すことが多いように思います。
この位置に重心を置くと安定して立てたり、バランスをとりやすくなると言われています。
先ほど歩くときには重心を移動させるとお伝えしましたが、丹田と言われる位置を前に移動させるように歩くことがいいのでしょうか。ここで理解しておきたいのは、位置エネルギーと運動エネルギーについてです。
位置エネルギーと運動エネルギーの関係について
スマホを立てた状態で考えてみたいと思いますが、このスマホを倒そうと思うと、どこを押せば倒れやすいでしょうか。お分かりだと思いますが、上の方を押せば簡単に倒れます。
少し質問を変えて、立っている状態のスマホとこのようなスマホだとどちらが動かしやすいでしょうか?
スマホだとちょっと軽いのでわかりづらいかもしれませんが、答えは立っている方です。
何がいいたいのかというと、
位置エネルギーが高くなれば運動エネルギーは小さくなります。
人間の場合、重心位置をより高くすることで、身体を動かすためのエネルギーは小さくなるということです。つまり、より重心の位置を高くした方が楽に歩ける、走れるということになります。
位置エネルギーと運動エネルギーは反比例の関係にあり、ブロックを横向きに置くと位置エネルギーが低いため、動かすためのエネルギー、運動エネルギーが高くなり、それだけ労力がかかるということになります。
これがお伝えしたいことが伝わったでしょうか?ここで理解していただきたいのは、
楽に歩くためには、重心の位置を引き上げることが必要になる
ということです。
関連記事:歩き方と重心の関係|楽に歩くために重心を引き上げる理由
楽に歩く
脚に意識を向けて、前に出したりすると重心位置は下がってしまい、歩くだけでも疲れてしまいます。過度に意識を向けて動かすことで、その部分は緊張してしまい、それがしんどさを感じる基となります。
改めて整理していただきたいことは、
楽に歩くためには重心を高く保ち、それを前に運ぼうとすること
です!歩くということを整理できたところで、最近よくみかけるちょっと歩き方がおかしいなと感じる歩き方をご紹介したいと思います。みなさんもこういう歩き方になっていませんか?
最近よく見るおかしな歩き方
一番最初にご紹介するのは、最近に限ったことではありませんが、女子高生を中心に若い世代によくみられる歩き方です。
脚を内側に捻じって歩く
女性らしさ、女の子らしさを表現しているのかわかりませんが、脚を内側に捻じって歩く姿をよく見かけます。
“女性らしさ”というのは、こういった動作からも感じることもあるのかもしれませんが、どう見てもこのような歩き方はキレイには見えませんし、美しさも感じません。
最近に限ったことではありませんが、このような内股状態で歩く女性の姿をよくみかけます。
脚だけが動いているように見える歩き方
表現が難しいのですが、脚だけがスーッスーッと出て、足の裏がペタンペタンと着地するような歩き方の女性をみかけます。
高校生のときですが、恋愛対象にならない人のタイプが、ふくらはぎが太い人と、このペタンペタン歩きをしている女の子はNGだったのをよく覚えています。
どれだけ美人で、かわいいと評判でもこの2つのどちらかがあれば絶対に付き合うことができませんでした。
どうでもいい話ですが、無意識にこういう歩き方を感じており、今でも街中で、ふくらはぎセンサーと歩き方センサーがよく働きます。ちなみに奥さんは2つともばっちりでしたけどね。(笑)
関連記事:ヒールで歩けば筋肉がついてしまう?歩き方の再考と筋肉がつく原因について
胸を張り、肘を後方に引く歩き方
おかしいというほどではありませんが、見ていてもっと楽に気持ちよく歩けるのにと思う歩き方は、胸を張って肘を引くように歩いている方を見たときです。
人間の構造上、肩の位置は身体の前側にあり、その位置を考えると腕は後ろではなく、前に振られることが自然です。
また腕は前方への推進力を得るものでもあるため、引いてしまうと進みづらくなり、胸を張ることで肩から首が緊張し、肩こりの原因にもなってしまいます。
関連記事:腕は引く?振る?前に出す?マラソンなどの長距離を走るときの腕の振り方について
スマホを見ながら歩く
これが一番おかしな歩き方だと思っていますが、本当にスマホを見ながら歩いている方が多い。以前であれば、ポケモンGOの影響もあり、街ではスマホを見てはスライドさせ、ポケモンをGETしています。
スマホを触りながら歩いている方を見ると、身体が丸くなり、暗い印象すら感じます。
見た目としての爽快感というか、清々しさが感じられず、ん~・・・と感じる歩き方です。
人の数だけ歩き方はあると思いますし、ここに挙げたことがすべてではありませんが、こういった歩き方をしている方は非常に多いのが現状だと思います。
関連記事:スマホの触りすぎと頭痛や肩こりが起こる原因と改善について
一般的に認識されている歩き方
ここからはみなさんそれぞれの歩き方を思い出しながら、また歩き方のイメージを整理しながら読み進めていただきたいと思います。
もし歩き方を言葉で説明するとすれば、どのような説明になりますか?本当に動きが理解できていると言葉で説明できると言われるため、スポーツ選手には言葉で動きの説明をしてもらうことがあります。
一般的に理解されている歩き方をお伝えしますが、その後に伝える歩き方では以下のような意識を持ったり、歩き方をしません。
まずは一般的に言われる歩き方をお伝えし、僕自身が考える歩き方を整理していただければと思います。
脚を前に出す
見た目では、歩くときには脚を前に出して歩いているように見えますが、実際に脚を前に出すような意識を持ってしまうと太ももの前側が緊張してしまいます。
またこのように脚を前に出した時に、前脚が身体の前に着地をすることでつっかえ棒のような状態となります。すると、このつっかえた脚を後ろ足が超えるためには、さらに前に脚を踏み出すことになります。
そうすると、さらに次の脚はまた前に踏み出しつっかえてしまうという繰りかえしとなり、この着地の際にも太ももの前側にストレスを受け、この連続は太ももの前側を太くしてしまう原因にもなります。
脚の動きは、前に出すのではなく自然と出てくるようにすればより楽に歩くことができます。
関連記事:太ももの前側がパンパンに張り脚を太くする6つの原因と4つの改善方法について
関連記事:トレーナーが教える歩き方の改善方法【正しい歩き方はない】
踵から着地し、つま先で地面を蹴る
歩く姿を見ていると、踵から着地をし、つま先で地面を蹴る“ように”見えます。この見た目をそのまま表現すると、踵から着地をする。
そして、つま先で地面を蹴る。
このような歩き方をすると、太ももの裏やふくらはぎにストレスを受け、パンパンに脚が張ってきてしまいます。
見た目ではこのような動きをしているように見えますが、それを意識的に行うと緊張が生まれ、スムーズな動作の妨げになります。大切なことは、踵から着地、つま先で地面を蹴っているように見える動作ができることです。
それをするためには、リラックスをすることです。後でご紹介しますが、下駄を履いて歩くとべた足で歩ける感覚がつかめ、足首の動きを意識しなくても自然になることがわかります。
関連記事:膝に引っかかるような違和感が出る理由と改善について
大きな歩幅で歩く
少数派の意見ですが、健康のためには大きな歩幅で歩いた方がいいということを聞きますが、健康というのは歩き方だけで決定づけるものではありませんし、もっと広い視野を持つ方がいいように思います。
意識的に歩幅を大きくすると、実際にやってみるとわかりますが、自然に歩くことはできませんし、脚は非常に緊張してしまいます。
歩き方は目的によって変えますが、気持ちよく歩くためにはあまり歩幅を決めず、自然に歩ける歩幅でいいと思います。
背筋を伸ばして肘を引く
良い姿勢=背筋を伸ばしましょうと言われますが、歩くときに背筋を伸ばすように、胸を張ってしまうと背中に緊張が生まれます。
先ほども腕については少し触れましたが、肘を引いてしまうと前に進みづらくなります。基本的には腕は前にスイングされ、それによって推進力を得ることができます。
この前方への推進力は、片手に2リットルのペットボトルを持って歩いてみてください。すると、前にペットボトルが振られると、それに引っ張られるようにズン、ズン、と進むことがわかります。
腕は後ろに引くのではなく、自然の状態だと前に振られるように動いていきます。
ただ、歩くときにはあまり腕どのように動かそうかなどの意識を持たず、肩から腕がぶら下がったようなイメージで、リラックスしておけば自然に決まって方向に動いてくれます!
歩き方がおかしいなと感じる方へ|歩き方を改善しよう!
以前も歩き方についてお伝えしていますが、実際に少し難しいという声もあり、今回はよりわかりやすいように下駄を活用して歩き方をお伝えしたいと思います。
- 下駄を履く
- 重心を引き上げる
- 重心を前に運び歩く
- フラット着地を認識
- 下駄を脱いで歩く
この手順で歩き方を改善してきます。下駄は、こちらを使用しています。
下駄を履いて立つ
まず下駄を履いて、2本歯で立ちます。
下駄を履くと足裏全体を感じやすくなり、ある程度履いて歩いた後脱ぐと、べた足で歩くことができます。
前に傾き慣性を働かせる
下駄にも種類がありますが、今回の下駄の場合2本歯は後方についているため、前重心になれば身体は前に傾いていきます。
これをうまく活用しますが、動きだすときに前に傾くようにつま先に体重を軽くかけます。するとこのように下駄は傾きます。
このように身体が前に倒れるときに、慣性が働くため後は身体を起こし、リラックスして歩くだけです。イメージとしては、胸を前に運ぶようなイメージで歩くのみです。
2本歯で歩く
リラックスして歩けると、下駄は2本歯ですので踵から着地してつま先で・・・という動きがうまくできません。うまくリラックスできるとわかりますが、2本歯で歩いていきます。
2本歯で着地しようと思わなくても、リラックスすれば自然に2本歯で着地をすることができます。
意識は重心を前に運ぶ
先ほどもお伝えしましたが、歩いている時はみぞおちを前に運ぶイメージを持つだけです。少し分かりづらい方は胸元を前に進めていくようなイメージでもいいと思いますし、実際に僕も胸元を前に運ぶ意識をもっています。
このようにあれやこれや意識せず、重心を前に運び、リラックスするだけで十分です。
フラット着地が分かる
ここまでの流れを下駄を履いた状態で行いますが、それをある程度繰り返すと次は下駄を脱いで同じようなイメージで歩きます。ここではっきりとわかると思いますが、自然にフラットに着地していることがわかると思います。
踵からつま先へという意識を持たなくても、スムーズな動きができ、鏡で見てみても足首の動きもきちんと動いているはずです。
ここまでお伝えした歩き方ができていれば、楽になっているはずです。
後はその感覚で歩く
後は、その感覚で歩くだけです。どこかに意識を向けるわけでもなく、ただリラックスして重心を運ぶだけでフラットに着地もできますし、楽に歩けるはずです。
このように下駄を履いてできるだけシンプルに考えて歩いても、楽に歩けるようになります。また、その他の歩き方については、こちらを参考にしていただければと思います!
歩き方がおかしい場合、立ち方も崩れている
ここまで歩き方についてお伝えしていきましたが、歩き方がおかしいな感じる方は、立ち方も崩れている可能性があります。
座り方→立ち方→歩き方→走り方
このような順に、それぞれが影響を与え合う関係になっています。
脚を内側に捻じって歩いている場合、脚の筋肉の緊張のバランスが崩れ、脚の内側の緊張が強い可能性があります。こういう状態では、脚がX脚のように曲がってしまったり、捻じれて見えることがあります。
こういったおかしな歩き方になってしまう原因は、筋力が弱いからではありません。もし筋力が弱くてこのような歩き方になってしまっている場合、筋力を鍛えると歩き方は良くなるはずですが、おそらく変わりません。
歩き方を改善するためには、歩き方を改善したり、立ち方を直すことです。すべてが筋力の影響ではないことを改めて理解していただきたいなと思います。
関連記事:立ち方を考える|胸を張るのは間違い?!立ち方を理解するための3つのステップ
歩き方がおかしいときに矯正をしても一時的な改善に留まる
歩き方がおかしいと思った場合、歩き方以外のことをして改善を目指すことがよくあります。
- 筋トレ
- ストレッチ
- 矯正
- マッサージ
方法はいろいろありますが、冷静に考えてみてください。歩き方がおかしいのであれば、歩き方を改善されば問題はなくなるのではないでしょうか?
しゃがめない=ストレッチではない
足首が硬いことを例に考えてみるとわかりやすいと思いますが、いわゆるうんこ座りといわれる姿勢は、地面に近い位置までしゃがみ込むわけです。
ただ、この姿勢がとれず、しゃがめない方がいます。この原因は、ほとんどの場合、しゃがみ方に問題があるためにしゃがめなくなっています。
だけど、しゃがめないときの改善方法は、スクワットをしてみたり、足首のストレッチングをすることが多い。ある程度は改善できますが、おそらくしゃがみ込むことは難しい。
なぜならしゃがめないのは、足首が硬いのではなくしゃがめないような動作をしているからです。ですので、しゃがみ方を改善すればしゃがめるようになります。
しゃがめるようになりたいから、しゃがむ
ということです!
関連記事:ふくらはぎをストレッチしても1cmも脚が細くならない理由
足首が硬いと感じている方はこちらも合わせて参考にしていただければと思います。
矯正をしても改善は一時的な理由
矯正は、別名=強制とも言われていますが、矯正をすると一時的な歩き方がの改善は可能かもしれません。
これは、身体の捻れが改善された影響ですが、歩き方がおかしいのは、身体の捻れが原因ではなく、歩き方そのものの認識がまずくおかしくなっているはずです。
そのため、歩き方を改善するためには、歩き方そのものを改善する必要があります。
組織に問題があれば整形外科での治療が必要になる
ここまでお伝えしてきた内容は、基本的に身体に何も問題のない状態の方の場合であり、もし膝や股関節などに変形などがある場合、歩き方がおかしくなってしまうことがあります。
こういう場合は、いくら歩き方を改善しようと思っても改善は難しい。なぜならこの場合の原因は、靭帯や関節、骨に異常があるため、これは東京ひざ関節症クリニックなどの整形外科の先生の治療が必要になります。
明確な境界線は、
- 靭帯・骨など組織に問題がある=医者の仕事
- 組織に問題がない、かつ医師から運動の許可がおりている=トレーナーの仕事
これからもわかると通り、トレーナーの上に医師がおり、医師の診断があってはじめて僕らのようなトレーナーの仕事の出番かどうかがわかります。
組織に問題があり、歩き方がおかしい場合は整形外科の先生のお力を借りることが必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、歩き方がおかしいなと感じる方に向けてお伝えしていきました。
以前もお伝えしていますが、下駄を履くことでよりフラット着地の感覚や、楽に歩くということがわかりやすくなると思います。
今回お伝えした内容はこのような内容でした。
- 歩くとは重心を運ぶこと
- 重心が高くなれば移動するために必要なエネルギーは小さくなる
- 楽に歩くためにはみぞおちを前に運ぶイメージ
- 自然に身体が動けば、踵から着地しつま先で地面を蹴るような動作になる
- 下駄を履くことでフラット着がわかりやすくなる
このような内容でお送りしました。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
✔歩き方の改善はシンプルに考えるべき【ぶらぶら・スーでOK】
✔トレーナーが教える歩き方の改善方法【正しい歩き方はない】
✔ヒールを履いたときの歩き方|太ももは細くしてヒップアップさせる