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先日、出張であるジムに行ってきましたが、そこで改めて目的ありきの方法だということ、刺激と反応の関係を知ればバリエーションは作れる、ということを感じました。
人間の身体は与えられた刺激に対して反応します。筋肉が緊張したり、緩んだり、弾力が出てきたり、膨らんだり。
どのような変化をさせたいのか、その目的に応じて刺激を変化させる必要があります。
慣れない環境の中での指導は、どのような道具があるのか、場所があるのか、そういうものが把握しきれずぶっつけ本番ということもあります。
そういうときに頭を柔軟に、目的に応じて指導をすると、やっていることが異なっても結果としてはだいたい同じ着地点に落ち着かせることはできます。
有名なマシンがあっても、1kgのダンベル1個しかない場所であっても、どのような環境であっても刺激と反応を関係を考えるとクライアントさんのご要望には応えられるのかなと思います。
今回の記事の内容
マシントレーニングについて
ジムに通われている方は、ランニングマシンで走ったり、ジムフロアにあるマシンでトレーニングをしたりすることが多いと思います。
それぞれの目的は違っていても、やっていることはみなさんほとんど同じだったりもします。
「●●さん、どのくらいの重さでやってるの?すごい10kgもあげられるの?」
と、重量がその人のレベルを表しているんじゃないかというぐらいに思い、自然と競い合うように重量を確認する姿もまたにみかけます。
ジムでは、主にこのようなマシントレーニングを同じような使い方で身体を動かしているのではないでしょうか?
ラットプルダウン
- 椅子に座り、パットに膝を当てる
- バーを持ち肩甲骨を寄せるようにバーを引き下ろす
- このとき肩がすくまないように注意する
チェストプレス
- 椅子に座り、背中をパットに当てバーを持つ
- 手首が曲がらないようにし、バーを押す
- 胸を意識し、胸を寄せるようにする
レッグエクステンション
- パットの足を当て、脚を肩幅に開く
- つま先はまっすぐに向ける
- 膝を伸ばし切らないように膝を伸ばす
説明通りにマシンを使う
多くの方の場合、「このマシンをこのように使いましょう!」という説明が書かれているとそのように動かすと思いますし、その例が上記の3つです。
この説明通りに行うと、10人いれば10人だいたい同じような動きになってきますが、果たしてそれでいいのでしょうか?
ここで考えていただきたいことは、そもそもマシンを使う目的は何かということです。
なぜこのマシンを使おうとしているのか。肩こりを改善したいから、身体を柔らかくしたいという目的があれば、どのようなマシンでもいいのですが、どのような刺激を加えると身体が柔らかくなるのか。
言葉だけで表現すると、
- グーッ!!グーッ!!
- スッ。スッ。
どちらの方が筋肉が緩み、柔らかくなるイメージがつくでしょうか?おそらく後者の言葉だと思います。
今使っているマシンをどのような目的で使うのか、どのようにバーを引くのか、肘の位置は、どこまで下げるのか、呼吸などさまざまな条件があり、それらは目的によって変えます。
1つのマシンであっても同じです。1つのマシンだけでも数多くのバリエーションがあり、ただ鍛えるだけではありません。
マシントレーニングを行う場合、マシンは決まった使い方があるのではなく、ご自身の目的ありきで使い方を変えるということを理解していただきたいと思います。
同じマシンを使用しても結果は異なる
先日、出張先で指導させていただいたクライアントさんは、マシンを使うとどうしても肩周りが緊張し、緩ませたいけど思ったように緩まないということで悩まれていました。
この方は、以前肩こりはマシンでトレーニングしても改善しない理由でお伝えした方ですが、ジムでのマシンの使い方をひとつひとつ見直していきました。
負荷設定が高すぎた
まず気になったことが、負荷の設定が高すぎるということです。
ジムのスタッフの方も親身になって考えてくれたそうですが、実際にマシンを使おうとスタートポジションをとると、負荷が高すぎるためそのポジションがとれない。
ここですでに筋肉が緊張してしまっていました。
このようなスタートでは、その後に行う動きも緩むことはなく緊張しっ放しになってしまいます。
目的は筋肉を緩めることですので、効果を実感できないのは当然だったと思います。
負荷を設定し直し、マシンを使ってみると気持ちよく動かすことができ、筋肉も緩み、弾力が出てきて膨らんでもきました。
使い方を理解させ、実感させる
マシンが十数台あるようなジムでしたが、ひとつひとつのマシンの使い方が理解できておらず、半信半疑の状態で使われていたことにも問題がありました。
セッションでも最も大事だと感じるひとつに、“相手に理解させ、実感させる”ということがあげられます。
今回はそれをうまく伝えることができたと思いますが、以前教わったマシンの使い方は非常に複雑で実感があまりできていなかったそうです。
そこで、使い方をシンプルにし、「気持ちよく伸ばされて・・・ポンッと戻す。」このような表現などで使い方を実感していただき、なぜこのような動かし方をするのかを理解していただきました。
そうすると、セットを重ねるごとに筋肉の緩みを感じるようになり、身体も温まってきました。
この部分は僕自身まだまだ課題が残るところですが、相手に意図を理解していただき、それを実感してもらう。この繰り返しが良い結果を生んでいくと思います。
関節の構造を理解する
お話をする中で少し気になったことがありました。関節の構造上、人間のできる動作というのは決まっています。
それ以上の動きをすると、組織が損傷したり、傷ついたりするため、そのようにはならないように防御装置も備えています。
この関節の自然な動きから外れた動きを求めていました。これはジムのスタッフさんから言われたそうですが、実際に求められた動きはできないというか、構造上無理な動きでした。
そのため、それをご説明し、関節の動きを理解していただき身体を動かしていただくと、スムーズに動きましたし、それが原因で過度に緊張していたことも理解されていました。
すべては刺激と反応の関係
先週は東京で、先日は大阪で来週は2日ほど東京でセッションを行いますが、出張でスタジオを離れて常に感じることは、柔軟さを持つこと。
自分が普段行っているところでは、自分が使いやすいように整理されている空間ですが、出張先などでは何もありません。
持っていくものもありますが、基本的には物はあまり使いません。
今回のように初めて使うジムやマシンをどのように使えばいいのか、誰かに説明を受けないとできないというのでは困ります。
最先端のマシンがあったり器具があったりすると、その目新しさに使ってみたくなることもあるのもしれませんが、そのマシンでどのような刺激を身体に加えるのか。
身体に加えられた刺激によって反応が起こり、身体は変わっていきます。
ですので、周りの“物”や“空間”も大事ですが、一番大事なのは“刺激”です。
物で結果をコントロールしようとすると、物がなくなると結果が出せなくなります。ただ、刺激をコントロールできると、物がなくても十分身体を変えることができます。
最終的には、いかに物事の本質を捉え、理解できているのか、それが試されるのがそういう慣れない場所に行ったときだと思います。
すべては刺激と反応の関係にあるのだと思います。
まとめ
今回一番お伝えしたかったことは、マシンの使い方にしてもそうですし、道具を扱う場合はすべてに言えることかもしれません。
どのような物を使うのではなく、どのような刺激を加えるが重要で、その刺激によって身体は変わります。
普段行っているマシントレーニングやエクササイズは、どのような目的を持ち、どのように身体を使おうとしているのか。
身体を動かす手順や方向、さまざまな条件がある中で、それらはすべて目的に応じて変化します。
少し立ち止まって、今やっていることは何のためにやっていることなのか?を考えると少し違った見え方がするかもしれません。
最後に今日のまとめをしていきたいと思います。
- マシンは使い方が決まっているのではなく、目的に応じて使い方を変える
- 同じマシンであっても、使い方によって結果は変わる
- ●●でなければならないということはなく、頭を柔軟に考えること
- 身体を変えるためには、“物”ではなく身体に与える“刺激”が重要である
このような内容でお送りしていきました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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