世界水泳と世界陸上から|ニュースレターNO.126

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この夏、世界水泳選手権と世界陸上選手権が開催されましたが、特別感想を書くこともありませんでした。しかし、何か気づいたことを書き残しておきたいと思います。世界水泳選手権では日本選手が活躍しました。世界のトップレベルに数多くの選手が進出している状況を見せたように思います。この結果が、2008年の北京オリンピックにつながることを期待したいものです。

陸上のほうは、期待した室伏選手が体調を壊して出場しなかったのですが、これまでの金属疲労のようですから、今年、来年を移行期間としてコンディションを整えてほしいと思います。メダルは、為末選手と男子マラソンの尾方選手の銅メダルだけでした。

私が関心を持ってみていたのは、中国選手の活躍です。昨年のギリシアオリンピックから中国は、2008年の北京オリンピックを目指して若手選手に切り替えました。その若手の選手がどれほど出てくるのか、非常に関心がありました。水泳では男子の200mバタフライで3位、自由形の200mと1500mで入賞しています。

女子は50m背泳ぎで2位、4x200mリレーで3位、その他5種目で入賞しました。何れも20歳前後の若い選手でした。陸上では、男子110mHにオリンピックチャンピオンの劉選手に続いて、13”38の選手が出てきました。男子は、110mHと投擲と競歩に力を入れているようです。

女子は、7種目で入賞し、長距離とハードル種目、投擲と競歩にポイントを置いているようです。このように、2008年に向けて、確実に長期計画を実施していることがみてとれます。北京オリンピックでの中国選手の活躍が今から想像できそうです。

陸上で話題の末績選手は、なぜか100mを棄権して、200mに出場しました。今回200mに出るのなら、なぜオリンピックで200mでなく、100mに出たのかよくわかりません。本人に、何か感じるところがあったのでしょうね。結局は、何れのレースも後半失速して普通の選手になってしまいました。

「新なんば走法」と、これまたどこから出た言葉でしょうか、結果に結びつきませんでした。

彼の走りは、昨年の走りと確かに違ったものとなっていました。おとなしい迫力のない走りになっていました。それまでは上体をゆすったりひねったりしながら腕を振っていたのですが、今回の走りは、まるで腕振りが前後にピストン運動しているだけのような走りで、その分上体のゆれも見られませんでした。

腕を振りながら進んでいくというようなダイナミックな動きに欠けるものでした。いわゆる上体がぶれないようにして普通に走っているという感じで、その結果も普通の結果でした。

なぜあのような走りになったのか、どこをどうしたのか、なにが「新なんば走法」なのか、わけがわからなかったのですが、先月発売されたTarzan特別編集「100m 末績慎吾」(2005.07)の中に、そのきっかけ、何をしようとしたのか、そのポイントとなるところを見つけました。

その本の中に、「速く走るための理論と技術とは?」というところがあります。その記事はTarzan425号(2004年8月11日発売)の記事を加筆修正されたものです。それを読むと、昨年のオフから取り組んだ新しい走りの方向が見て取れます。そして、今回の走りを見て、その走りはその考えどおりに出来上がっていたものと思われます。その走りの結果も出ていたと思います。

何か、取り違えや勘違いがあるような気がしてならないのですが、気づきが違う方向にいってしまっているように思えて仕方ありません。そして、上記の本の後半に、年間計画についても書かれていますが、準備期が11月中旬から3月中旬までのわずか4ヶ月しかありません。

100mで9秒台、200mで19秒台に入るには、準備期間が短すぎることは明確なのですが、この点にも気が付いていないようです。レベルが高くなればなるほど基礎づくりの準備期は大切なのですが、この程度の準備期間でレベルアップができると理解されているのでしょうか、おそらくトレーニング計画について指導者が理解できていないのでしょう。

8月4日の世界選手権直前の記者会見で、末績は次のように語っています。

末續:今年はケガの影響もあって、本格的に仕上げたのが南部記念からということになって、それからの経過や現地入り後のコンディションと練習内容を見て、今回は200mに専念することに決めました。

ヘルシンキでは200mで、持っている力を出し切りたい。あと、追求している走りを、得意の200mで、自分自身、納得できるようにしてみたい。
末續:決めたのは昨日です。練習の流れと、気持ちの盛り上がり方とを考えました。春先には9秒台、19秒台、ファイナルと色々と言っていましたが、それらが削がれてきました。

自分の求めている走りを北京で実現するために、技術やスキルが世界を舞台にどれだけ発揮できるか、得意の200mで納得のできる走りをしたい。

高野進コーチ:今回の走法と200mの感覚が、末續本人の中で合っている。アテネ五輪のあと、純粋な100mランナーでなく、200mランナーとして100mに挑戦するスタンスになった。仮に両方出ていても、200m狙いになっていたと思う。アテネ五輪後のスタート。

あまり欲張らずに、1歩1歩、200mで積み上げていきたい。新走法はまだ、自動化できるところまで行っていません。アッと言う間に終わる100mよりも、200mの方が確認する時間がある。

上記の本の中から、末績が求めた走りはどのようなものであるのか、関連するところを紹介したいと思います。
『70年代に輸入されたマック式ドリル。ポーランドの名コーチ、ゲラルド・マックの来日によりまたたく間に日本に浸透したトレーニング法だ。読者の方もほとんどはこのトレーニングを体験しているはずだ。腕を前後に力強く振って、膝を高く上げる。体育の時間に幾度となく言われたことだろう。実は、これが一歩間違うと日本人には適さない走法になってしまうと高野は言う。

「外国人の骨盤は前傾していて、日本人は後傾している。マック式というのは外国人の骨盤に合ったトレーニングで、日本人向きではない」

前傾した骨盤を持つ外国人は、膝を高く上げるように意識しないと本当に膝が上がらない。意識することで膝がちょうどよく上がり脚が前に出て、その脚に重心を乗せていける。いっぽう後傾した骨盤を持つ日本人は、膝を上げろと言われると、本当に高く上がってしまう。

そのためカラダが反って重心が後方に残る。しかし、前進しなくてはいけないから、脚で地面を引っ掻くように蹴り、それを推進力にしたのである。この引っ掻くように蹴ることで起こる脚の動きがリーチアウトなのだ。

「これでは体力ばかりを使ってしまい、スピードはそれほど上がらない。で、私たちの言葉で言う乗り込むような走りを目指したんです」

乗り込むとは、着地した脚に重心を乗せて進むこと。膝を高く上げると重心が後方に残ってしまうので、膝上げはあまり意識しない。そして着地した脚に即座に重心を乗せる。と、慣性の法則で重心はさらに前に進むから、逆側の脚を前に出して、そこへ重心を乗せていくのだ。

「重心が脚に乗ったときに地面を押す感覚ですね。真下に押すのですが、実際は重心が前へ移動しているから地面に対して斜め後方に押すことになる。それが推進力になるんです。押した脚はすぐに前に出す。決して蹴らない。地面から離れた後はもう用なし。蹴ろうとすると重心が残ってしまう。

ちょっと難しい話ですが、位置エネルギーと運動エネルギーがあるでしょ。位置エネルギーを利用して、宙に浮いたカラダを接地のときに落とし込み、その後地面反力をうまく受け取ることで運動エネルギーを得るのです。重力を利用して走るんです。だから、とても楽に走れる。スッスッと脚を運ぶような走りですね。上半身は上下動が少なく平行移動するような感じになります」』

『ところで末績の走りは“ナンバ走り”と形容されてきた。ナンバとは同じ側の腕と脚が出る走り方で、昔の日本人の歩き方はこんなカタチだったらしい。このナンバ走りのヒントとなったのは相撲の鉄砲という稽古だった。振り返って高野は言う。

「鉄砲では同じ側の手と脚が出る。相撲は重いものを前に押すわけでしょ。ということは自分の重心を思い切り前に持っていっているわけです。短距離も同じ。前方に自分の重心を運ぶのだから、相撲の強力なパワーを取り入れたいと思ったわけです。で、鉄砲のタイミングの取り方を似せて作り上げたのが、最初のいわゆるナンバ走りだったのです」

ところが今年アリゾナで筋力アップした末績のカラダには、この走り方が合わなくなってしまった。

「大きな問題は腕の振りでした。これまでの振りは、前方に振り出すとき腕を上方へ突き上げるような感じだった。相撲の張り手で相手を上へ浮かせるような動きですね。ところが、筋力がついたために、この上方へ振り上げる動作をすると、拮抗筋と主働筋、上半身と下半身が同時に働いて、喧嘩してしまうんですよ。

記録もそれほど伸びないし、ケガの心配も出てきてしまったのです」

今年、5月3日にその兆候が表れた。静岡県の草薙陸上競技場で行われた世界選手権代表選手選考会で男子200mに出場した末績は終盤に失速し、20秒80という平凡なタイムに終わった。そして、走り終えたときにハムストリングスに違和感を覚え、大阪国際グランプリ陸上を棄権してしまったのだ。

「上半身の使い方が、力強いけれど硬くなっていた。もう少し柔軟な腕や肩の使い方をしなくてはと、ずいぶん考えました。動物のように四つん這いになって、前足、後ろ足で走ってみたり、いろんな方向に腕を動かして走ってみたり。で、5月の中盤になった頃、コレだという腕の振りを見つけ出したのです」

それが腕を振り上げる動作を止めることだった。足の接地時に腕を振り出して、瞬時にその力を脚に伝えたら、あとは腕を自然に前に出し下ろしていく。

こうすることで筋肉の喧嘩が解消され、流れるような上半身の動きを作り出すことができるのだ。カタチとしては竹馬に乗って走ったときの腕と脚の動きに似ている。竹馬では同じ側の腕と脚が同時に出て、なおかつ腕は前に出るだけで決して上へは振り上げられないだろう。

「もうひとつ大切なのは肩をカムのように使うということ。これまでは両肩にピストンがあるような走りだった。左右のピストンが交互に圧縮し、一回一回爆発するような。けれど、今度の腕の振りは左右の肩の動きを連動させている。

両肩にカムがあって肩と肩をシャフトが結んでいるイメージです。片側のカム(肩)が上がっているとき、もう一方は下がっている。片側が前方に出ているときは、もう一方は後方にある。そんな感じで左右の肩が回転することで動きが滑らかになってくる。同時に、腕を振り上げないから、上体が反ってしまうことがない。

腕を上げると必ず上体は後方に起きてしまいますから。腕を前に出す走りであれば、カラダは起きずに低い前傾姿勢を長い間保っていられるんです」

この考えを得てすぐに高野は末績に話した。そして末績は翌日にその走りを具現化してみせたのである。

「シーズン中に走りを変えることには末績ほどの選手なら抵抗を示すもの。が、彼は“積極的にモノにします”と言っている。うまくいけば近々パーンとやってくれそうですよ」』

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