野球選手に走り込みは必要?本当のメリットや効果をトレーナーが解説

野球選手に走り込みは必要?本当のメリットや効果をトレーナーが解説

野球選手にとって走り込みは本当に必要があるのか?よく議論されることではありますが、本当に効果やメリットはあるのでしょうか?

トレーナー歴11年の僕の考え方は「目的次第」で必要性が変わる、ということが本音で、目的と方法を適切に一致させるとプラスの効果が得られます。

ただ罰としてやらせたり、何となく行う走り込みに意味はありません。

この記事では、

  • 野球選手が走り込みを行う必要性とは?
  • 走り込みのメリットや効果とは?
  • 野球選手におすすめの4つの走り込み方法

などを解説します。

実際に今回お伝えする内容は現場でも指導しており、意味ある走り込みを指導すれば、選手のパフォーマンスも向上するんですね。

すぐに伝える具体的な方法もお伝えするので、ぜひ参考に取り入れてみてください。

 

野球選手が行う走り込みの必要性とは?

先ほども触れた通り、今回のテーマの結論からお伝えすると、

野球選手が行う走り込みは、目的によって必要性が変わる

ということが本質です。

そもそもどのような目的があって走り込みを行うのか?ここから解説していきますね。

走り込みの目的の整理が最重要

語弊を恐れず言えば、

一般的に行われているような走り込みは不要

です。

がむしゃらに走ったり、ポール間を走ってもパフォーマンス向上にはつながりません。ただ、目的を整理した上で行う走り込みは必要になります。

一般的に行われる走り込みは、

  • 下半身を安定させるために走り込みを行う
  • 投手のスタミナをつけるために走り込みを行う
  • 選手をミスをしたから走り込みを行わせる

こういったことを理由に行われていますし、高校野球ではミスをしたから走り込みをするということが非常に多いような気がします。

これは意味のないことですし、選手が行う走り込みが指導者のストレスのはけ口になっているだけですよね。

例えば、

投手のスタミナをつけるために行う

という目的で走り込みをさせようと思う場合、そもそも「投手が必要とするスタミナ」とはどんなスタミナなのかを考える必要があります。

  • 心拍数が上がりづらくなるスタミナ
  • 投げても疲れづらいような投げるスタミナ

考えるとわかりますが、投手に必要なスタミナは後者です。

野球選手に必要な体力要素とは

こうやって1つずつ紐解いていくと走り込みの必要性も見えてきますが、投手には投げるスタミナが必要です。

では、投げるスタミナはどうやってトレーニングすればいいのでしょうか?

それは、

実際にボールを投げること

です。走ることでつくスタミナは走るスタミナ。打者も同じ考え方で、バッティングを良くするためにはある程度数をこなす必要があります。

より多くのバットスイングをするために必要なスタミナは、バットを振ることでトレーニングできます。この場合も走り込みではありません。

野球選手に必要な体力要素は、

  • 筋力
  • スピード
  • 持久力
  • 敏捷性
  • 調整力
  • 柔軟性

などがありますが、これらは走り込みをしなくても別の方法でトレーニングすることができます。

体力要素については、「コンディショニングの意味を語る上で重要になる「5つの要素」とは」で詳しく解説しています。

つまり、ここまでの話で野球選手にとって走り込みの必要性はそこまで見出せないわけです。

実際に指導する走り込みの内容

ただ、実際に現場では外から見れば走り込みをさせているようなことをすることもあります。

僕が実際に走り込みの“ような”ことを指導するときは、

  1. 練習をこなせるスタミナの養成
  2. 3~6歩でトップスピードにのる
  3. 下半身のトレーニング
  4. 踵で地面を押す

などの目的意識を持って指導して、実践してもらっています。

目的と方法が一致していると、選手たちもその成果を実感することができますし、決して精神論で行っているのとは違うので自ら進んで行ってくれます。

この具体的なやり方については、後程お伝えしますね。

目的のない走り込みは不要

ここまでお伝えした通り、

目的のない走り込みは一切不要

です。

そこから得られるものは多少精神的な強化になったとしても、野球に活きる何かが得られることはあまりありません。

もし得るものがあったとしてもそれはたまたまで、意図したものではないはず。

何度もお伝えしていますが、トレーナーという立場から考えると、基本的には一般的に行われる走り込みは不要ですね。

 

野球選手におすすめしたい4つの走り込み方法

では、どのような目的を持ち、どのような走り込みを行えば野球選手のプラスになるのでしょうか?

今回は、先ほどもお伝えした通り以下の4つをご紹介します。

  1. 練習をこなせるスタミナの養成
  2. 3~6歩でトップスピードにのる
  3. 下半身のトレーニング
  4. 踵で地面を押す

今回は“走り込み”というテーマでお伝えしているので、あえて“走り込み”と表現します。

目的意識をしっかり持った中で実践すると得るものが多いので、詳しく解説しますね。

①練習をこなせるスタミナの養成

まず野球選手が必要になるのは、練習をこなすスタミナが必要です。技術の向上には数をこなす必要があり、数をこなすためにはある程度心肺持久力が高いことが重要です。

野球選手は最長でも約110mほどの塁間しか走りませんし、走るのであれば、

  • 5分間走
  • 30~50mほどのインターバル走

などを行って持久力のトレーニングを行っていきます。

持久力を向上させるには心拍数が指標となり、約60%以上の強度で行うことで持久力は向上するので、この条件に合った中で走っていきます。

詳しくは、「持久力(スタミナ)をつけるトレーニング方法と「60%」の本質を解説」を参考にどうぞ。

②3~6歩でトップスピードにのる

2つ目の方法は、数歩でトップスピードにのるという目的で走り込みを行っていく方法。

例えば、30mダッシュをするようなイメージで走り込みをするとき、最初の3~6歩でトップスピードにのれるように加速をします。

この場合、最初の3~6歩で加速することを目的にするため、その後は身体をリラックスさせて30mを走り切ります。6歩目以降は惰性でOK。

問題は、

3~6歩目で身体をどのように使うか

ということですが、イメージ的にはつま先でグッ、グッ、グッっと地面を押すように加速し、トップスピードにのります。

この微妙な感覚を掴むために本数を重ねていくため、脚がパンパンに疲労すれば終えます。疲労してパンパンに張った脚では地面を押せませんし、加速できません。

この場合の走り込みのポイントは、最初の3~6歩のみということになります。

③下半身のトレーニング

3つ目の方法は、下半身のトレーニングとして走り込みを行う方法。

走り方によって、下半身の筋力を強化することができますが、具体的には以下の2つのような走り方があります。

  • 地面を真下に踏み込むように、16~20歩ぐらい全力で走る
  • ジョグのペースで20分間ぐらい走る

前者の場合、真下に地面を踏み込むことで下半身全体に体重の約4~5倍の負荷がかかり、筋力強化になります。

また、ジョグのようなペースで走っても、筋肉がクッ、クッ、クッとテンポよく収縮すると下半身の筋肉の中が低酸素状態になる可能性があります。

筋内が低酸素状態になれば速筋に刺激が加わり、筋力が向上します。こういった形での走り込みをすることで、下半身のトレーニングになります。

  • 短距離で筋力強化を行う
  • 長距離で筋力強化を行う

というそれぞれの目的に合った走り方ができれば、ウエイトトレーニングをしなくても下半身強化ができるというわけですね。

④踵で地面を押す

最後は、最初の1歩の踏み出し方を工夫していきます。

バッターもピッチャーも、下半身で全体の約60%のエネルギーを蓄えますが、その溜めたエネルギーを体重移動と共に前方に移動させます。

このとき踵で地面を押すように体重移動ができると、うまく下半身で蓄えたエネルギーを活用できるため、この踵で押す感覚をショートダッシュでトレーニングします。

やり方はシンプルで、まず踝の真下の位置を理解しておきます。

体重がかかる自然な位置

ランナーになったようなイメージで構え、自分のタイミングで踵で地面を押すようスタートを切ります。

この走り込みのポイントは1歩目だけなので、5m程度のショートダッシュでOK。これを何百本と繰り返し、踵で地面を押す感覚を掴みます。

こういうトレーニングをしていると、はたから見ると走り込んでいると見えますが、実際には全く目的が違います。

このように、ここまでお伝えした、

  1. 練習をこなせるスタミナの養成
  2. 3~6歩でトップスピードにのる
  3. 下半身のトレーニング
  4. 踵で地面を押す

こういった走り込み方法は、ただ根性論でするのではなく、目的を持って走り込みをすることで適切な成果を得ることができます。

そして何より、目的と方法を一致させる重要性はこういうところにあります。

 

勘違いされやすい走り込みの効果やメリットについて

テレビなどでも、年齢の高い野球解説者などがよく走り込みの必要性を言われていますよね。

素晴らしい意見がある一方で、少し勘違いされている部分があるので、最後はそのあたりも解説します。

コントロールが悪い=走り込み不足ではない

よくコントロールが悪い投手については、

走り込みが足りてないからこれだけコントロールが悪いんですよ。

なんて言われますが、コントロールが定まらない原因はさまざま。

例えば、軸足に体重を乗せたとき、足の小指側に体重が乗ったとします。

距腿関節の噛み合わせが悪い

一瞬でもこの状態になると、位置エネルギーが斜め上方を向く為、ここから投球するとボールは高めに浮きます。

これに気づかず腕の振りで無理にボールを下げようとすれば腕投げとなり、勢いのないボールが低めに行ったり、コントロールが定まらないということが起こります。

足元に問題があってコントロールが悪い場合、

フラットに体重を乗せることでコントロールが良くなる

ということ変化を生み出せる。

もちろん原因によって異なりますが、コントロールを良くするために走り込みをする必要は必ずしもあるわけではありません。

投げるスタミナは走り込みではつかない

また、プロ野球の投手が6・7回辺りに球速が落ち、打たれてしまうと、

走り込みが足らないから、スタミナがもたないんですよ。

などと言ったりしますが、上記でも触れていますがこれも勘違いです。確かにスタミナがもたないと球速が落ちますが、投げるスタミナは投げてつける以外方法はありません。

ここは混同しがちですが、バットスイングも同じです。

  • 投げ続けるスタミナ → 投げること
  • バットを振り続けるスタミナ → バットを振ること

考え方はシンプルです。ここを整理できていないから、走り込みをすすめてしまうということが起こります。

下半身が不安定=走り込みでは改善しない

例えばピッチャーが投球した後、前脚の膝が割れバランスを崩してしまう選手がいるとします。

こういうバランスを崩す選手にも走り込みが足りないと言うことがありますが、これは着地のときの問題があるはずです。

人間の身体は、つま先が真正面を向いた状態で着地をすると、膝が割れるような構造になっています。

若干つま先が内側を向くことで、膝が割れずブレーキをかけることができます。

この微妙な差でも下半身の安定感も変わります。大切なことは、下半身が安定しない原因をみつけることであり、走り込みをさせることではありません。

このように、よく勘違いされることを冷静に考えていくと、走り込みが本当に必要かどうかの判断ができると思います。

 

まとめ:野球選手の走り込みは目的と方法の一致が重要

今回は、野球選手が行う走り込みの必要性について解説しました。

今回の記事のまとめ

  • 走り込みをする前に、そもそも走り込みをする目的を整理することが重要
  • 持久力(スタミナ)をつけるための走り込みは必要
  • ただ、目的がない走り込みは不要
  • 走り込みをしてもコントロールは良くならない

こういった内容をお伝えしていきました。

今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

野球関連記事


▼お役に立った方はシェアお願いします!
 

▼パーソナルトレーニング
の無料体験やレッスンのお申込はこちら


「何をしても身体が変わらない…」「どこに行っても変化を感じない…」そんな身体の悩みを抱えている方は、ぜひ気軽にご相談ください。一緒に改善の糸口をみつけ、“本当に、変わった…”を体感していただきます。無料体験などのお申込はこちらからどうぞ。

無料体験のお申込みはこちら≫


毎月限定1名モニター募集中≫

 

関連記事

  1. 【完全版】野球やランニングパフォーマンスを向上する方法【痛み改善も解説…

  2. バッティング時に体が開く癖を改善するシンプルな3つの方法

  3. ランニングで“確実に”脚やせするために知っておきたい3つの方法

  4. 野球の打ち方やバッティングのコツをトレーナーが4ステップで解説

  5. ピッチャーがテイクバック時に肘が下がる原因と改善方法

  6. レッグエクステンションで鍛えても膝痛が改善しない理由

パーソナルトレーナー伊藤 出

パーソナルトレーナーの32歳。身体の悩みを改善するための情報を発信しています。板前→沖縄でジムのインストラクター→女性専門のサロン→独立(パーソナルジムIDEALSTYLEオープン)。

 

■指導経歴
STORY・VERY読者モデル、アナウンサー、宝塚歌劇団員の元専属トレーナー。神戸女子大学ラクロス部、三菱重工業神戸在籍野球選手の専属トレーナー。

≫プロフィール詳細

≫IDEALSTYLEについて

≫無料体験のお申込み

≫毎月1名モニター募集

≫お問い合わせ

最新記事

人気記事 おすすめ記事

お客様の感想

Twitter