スクワットで腰が痛くなる原因と痛めない3つの手順

スクワットをして腰が痛くなると、「なんで…?」と悩んでしまいますよね。
多くの場合、整骨院などでマッサージや施術をしてもらうと、その時は改善します。だけど、またスクワットを始めると腰が痛くなってしまう。
こういう悩みは、スクワットフォームそのものを改善することで腰を痛めず繰り返すことができます。
この記事では、
- スクワットで腰が痛くなる原因
- 腰が痛くならないスクワットの方法
などをパーソナルトレーナー歴11年の僕が解説します。
簡単にできるストレッチ方法なども一緒にお伝えしますので、ぜひ痛みの変化を実感してくださいね。
※今回の内容は、骨や靭帯など組織に問題がないことを前提にします。腰痛で悩む方は、まず病院で診察を受けて、医師から運動の許可をしてもらってから行ってください<m(__)m>
今回の記事の内容
スクワットで腰が痛くなる原因
今回のテーマの結論からお伝えすると、
スクワットのフォーム、しゃがみ方などを変えることで腰痛は改善できる
ということです。
これを理解していただくためには、まずは「そもそもなぜスクワットで腰痛になるのか?」という原因を理解してもらうことがポイントになります。
スクワットで腰が痛くなる原因は、以下の通り。
- フォームが崩れている
- 強度が高すぎる
- 回数が多すぎる
- 大腿直筋の緊張が強すぎる
- 姿勢が崩れている
これら以外にもありますが、まずはこの5つについて解説しますね。
①フォームが崩れている
スクワットで腰が痛くなる最も多い原因は、
スクワットフォームそのものの崩れ
です。
基本的に、自然な形でスクワットができると以下のようなフォームになるはず。
こういう状態であれば、全身で重りを支えられます。
ただ、この状態から、
- 背中が反りすぎる
- 背中や腰辺りが丸くなってしまう
- 重心が前後に偏る
などのフォームが崩れてしまうと、腰へのストレスが増します。
現場でクライアントさんのスクワットフォームを見ていても、腰を痛めやすい方は、骨盤が後傾(後方に倒れる)してしまうんですね。
こういう状態になってしまうと、魚が釣れた時の釣り竿状態になり、丸まっている部位に最も大きなストレスがかかります。
釣り竿は、耐えられるストレスを越えてしまうと折れますよね?身体も似たようなところがあって、耐えられるストレス以上の負荷がかかるとそこで腰が痛くなってしまう。
逆に背中が反りすぎてしまっても腰への負担が増え、腰痛の原因になる可能性があるんですね。
ここで1つ知っておいてほしい身体の反射があって、
人は顎を上げると背中が緩んでしまう
という反応が起こります。
ここまで極端に上を向く方はあまりいないと思いますが、顎が上がってしまっても腰回りが抜けてしまい、腰の負担が増す。
後程解説しますが、スクワットをするときは、若干顎を引いた状態で上目遣いでスクワットを行います。
そうすると、体幹を適切なポジションで保持しやすく、腰も痛めにくい。
このように、スクワットで腰が痛くなる最も多い原因は「フォームの崩れ」です。
②強度が高すぎる
先ほど解説したのは「動作そのもののまずさ」ですが、次は強度の問題でフォームが崩れ、それによって腰を痛めるケース。
例えば、適切なフォームでスクワットができる限界値が50kgだったとします。こういう方が60kgで無理にスクワットをするとします。
そうすると、想像通りフォームが崩れてしまい、腰を痛めてしまう。大切なことは、
適切なフォームが維持できる重量でスクワットを行い、それを守った中で負荷を上げていく
ということです。
現場で相談に来られる方を見ていても、わりと男性の方は重量を上げるタイミングが早すぎて、それによって腰を痛めているケースは結構見受けられますね。
③回数が多すぎる
強度の問題と被りますが、スクワットを行う回数が多すぎるということも腰を痛める原因の1つです。
回数の判断は少し難しく、基本的には、
適切なフォームが崩れたら終了
という基準で1セットを終えるようにします。
ただスクワットの場合、適切なフォームを崩せばある程度スクワットを繰り返せてしまうんですね。
本来は限界なのにそれをこえて反復してしまうと、そこでフォームが崩れて腰痛が発生してしまう。
こういった「回数の問題」や「やりすぎ」も腰が痛くなる大きな原因の1つとして考えられます。
④大腿直筋の緊張が強い
ここまでお伝えした①~③は、フォームが崩れることで腰に直接大きなストレスがかかって腰痛になるというケースでした。
次は少し別の理由で、腰が痛くなるケースです。
前ももの筋肉(大腿四頭筋)の1つに「大腿直筋」という筋肉があるんですね。
この筋肉は、骨盤から膝につながっていますが、大腿直筋が緊張して硬くなると骨盤を前傾させる作用があります。
つまり、前ももが硬く張ってしまうと反り腰のような状態になってしまう。極端に言えば、こんな状態に近づくということ。
こういう状態になってしまうと、腰へのストレスが増して腰が痛くなることがあります。
これもフォームと関連するところではありますが、
- つま先重心でスクワットを繰り返す
- 膝がつま先よりも出ないようにしゃがむ
こういった意識でスクワットを行っていると、大腿直筋が過度なストレスを受けてしまいます。
そうすると、骨盤が前傾しすぎてしまった結果腰が痛くなる可能性があるんですね。
今腰の痛みで悩む方は、前ももの筋肉に触ってみるとカチカチに張っていませんか?そういう方は、少なからず腰の痛みとの関連が考えられます。
⑤姿勢の崩れ
そして、最後は根本的な姿勢が崩れてしまっているということ。
例えば、今何気なく立ったときにこういう体の捻れ、歪みがあったとします。
こういう方がスクワットを行えば、身体の左側に過度なストレスがかかってしまうことが想像できますよね。
左右50:50であればストレスは分散されますが、片側に偏ると、部分に非常に大きな負担がかかってしまう。
上記の画像は、全体が左側に崩れている状態ですが、
- 頭が左右に傾いている
- 肩の左右の高さが違う
- 骨盤の高さや前後の向きが違う
など、立ったときの姿勢が崩れた状態でスクワットをしてしまうと、それも腰痛になる可能性が高い。
一般の方であれば「フォームそのものの問題」や「姿勢のまずさ」が原因でスクワットで腰が痛くなることが多いため、こういった原因を取り除くことが腰痛改善のポイントになります。
では、こういった原因で発生した腰痛はどのように改善すればいいのでしょうか?
腰を痛めないスクワットの3つの手順①:全身の筋肉を緩めて整える
基本的には、スクワットで腰が痛くなる原因を取り除くことができると腰痛は改善するため、個人によってやるべきことは変わってきます。
ただ、大枠としては以下の流れでスクワットで発生する腰の痛みは改善できます。
- 全身の筋肉を緩めて整える
- しゃがむ手順を変える
- スクワットフォームを改善する
それぞれ解説しますね。
全身をストレッチングなどで緩める
まず最初に行ってほしいことは、全身の筋肉を緩めて整えることです。
先ほど解説した通り、姿勢が崩れているとそれが腰の痛みにつながりますし、スムーズに動けません。
ですので、まず最初に行ってほしいことは全身の筋肉を緩めて整えること。この方法は、以下の記事で解説している通りに実践してみてください。
また、動画でも解説しているので、腰の痛みで悩む方はこちらを実践してみてください。
仙腸関節の動きを改善する
また、スクワットで腰が痛くなっている方は、ぜひ以下の方法で「仙腸関節(せんちょうかんせつ)」という骨盤にある関節の動きを改善してみてください。
そうすると、非常にしゃがみやすくなり、スムーズに動けるようになります。
仙腸関節というのは、この部位にあります。
この位置に触れながら、以下の方法を行っていきます。
仙腸関節を緩める方法①
手順
- 椅子に座った状態で、脚を腰幅ぐらいに開く
- 軽く骨盤を前傾させておく
- この状態で、両膝を軽く開閉させる
- このとき手で小さく関節が動くことを感じる
- これを2分間行う
仙腸関節を緩める方法②
手順
- 椅子に座った状態で、脚を腰幅に開く
- 片膝ずつ交互に、軽く前に突き出すように1~2cm動かす
- このとき、仙腸関節が小さく動いていることを手で感じる
- これを2分間行う
この2つができるとお尻の筋肉だけではなく、腰周辺の筋肉もふわっと柔らかくなり楽になる感覚が出ていると思います。
ここまでできると、次は実際のしゃがみ方などを変えていきます。
腰を痛めないスクワットの3つの手順②:しゃがむ手順を変える
全身の筋肉を緩めて整えることができると、次はしゃがむ手順を変えていきます。
しゃがむ手順を身体にインプットするためには、以下の方法を行っていきますね。
スムーズな動作を身体にインプットするために、足首を抜くような動作を繰り返します。
まずこちらの動画をご覧ください。
タオルが真下にスムーズにへしゃげていますが、このタオルがへしゃげるとき、一番地面に近い部分から重なり合っていますよね?
もし、一番下の部分が凍っているとスムーズにへしゃげず、前後に倒れるようになるはず。
人も同じで、地面に一番近い足首の関節を緩めることで、その上にある膝や股関節が緩む。その結果、スムーズにしゃがめます。イメージは、こんな感じ。
いきなりこれをするのは痛みがまだ伴うと思うので、まずは足幅をグー1つ分に開いて以下のようなことを繰り返していきます。
手順
- 脚をグー1つ分の足幅に開く
- つま先は軽く開き、体重は踝の真下に乗せる
- 5cm程度膝カックンするようにしゃがむ
- そして立ち上がり、スッと落ちる動作を身体にインプットする
- これを1分間ほど繰り返す
これで足首から抜く感が身体にインプットできれば、スクワット動作に移っていきます。
ちなみに、もし足首が硬すぎてしゃがめない方は「足首が硬い原因とあまり知られていない改善方法」も参考にしてみてください。
これができると、スムーズに動ける準備ができます。
そして、次はスクワット動作そのものの改善に移っていきます。
腰を痛めないスクワットの3つの手順③:スクワットフォームを改善する
腰を痛めないスクワットを実践する上で、ここからが最も重要になります。
スクワットを痛みなく行おうと思うと、
- 足幅
- つま先の向き
- 重心の位置
- しゃがみ方・手順
- しゃがむ深さや姿勢
- 目線や顎の向き
- 膝の向き
こういったことを適切に設定する必要があります。
これらについては、以下の記事で詳しく解説しているので、こちらの記事を参考にしてみてください。
ここまでお伝えした、
- 全身の筋肉を緩めて整える
- しゃがむ手順を変える
- スクワットフォームを改善する
この流れが実践できると、腰が痛まないスクワットはできますからね。
スクワットで腰が痛くなる原因と痛めない3つの手順のまとめ
今回は、スクワットで出る腰痛の原因と改善方法について解説しました。
今回の記事の内容
- スクワットで腰痛が出る原因は主に5つある
- 改善のためには、まず全身の筋肉を緩めること
- そして、しゃがむ手順を改善する
- その後にスクワット動作を改善する
- この3つの手順ができると腰の痛みは改善する
こういった内容をお伝えしていきました。
スクワットはキングオブエクササイズと言われるほど、目的に応じて方法を変化させると本当に多くの効果を実感することができます。
スクワットをするから腰が痛むのではなく、“どのように行うか”が最重要です。
今回の内容が少しでも参考になる内容であればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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