スクワットをすると膝が痛い原因と3つの改善方法

スクワットをしたときに「膝が痛い」と感じると、スムーズにできないモヤモヤ感や早く痛みを改善したい気持ちになりますよね。
スクワットで発生する膝の痛みは、主に3つの手順を辿ると多くのケースで改善が可能です。
僕はパーソナルトレーナー歴11年で、現場でもこういう相談をよく受けますが、みなさんが悩まれるポイントはほとんど似ているんですね。
この記事では、
- スクワットで膝が痛い原因
- スクワットで発生する膝の痛みを改善する3つの方法
- スクワットの代わりになる筋トレ方法
などを解説します。
※ちなみに、今回の記事の対象者は「骨や靭帯に異常がない方」とします。レントゲンなどを撮っても異常が見られない、だけど痛みがある場合は、今回の内容で改善が可能です。最初にここを明確にしてから、本題に入っていきますね。
今回の記事の内容
スクワットで膝が痛い原因
今回の内容の結論からお伝えすると、
膝周辺の筋肉を緩める+スムーズなしゃがみ方・動作を習得する
この流れができると膝の痛みが出ずにスクワットをすることが可能になるはずです。
もちろん、膝の痛みが発生している原因によって対応策は変わりますが、大方これらで改善可能です。
そもそもなぜスクワットで膝の痛みが発生するのか?まずは、ここから詳しく解説していきますね。
考えられる原因は、以下の通り。
- 膝が内外側に倒れる
- つま先重心でスクワットをしている
- 膝がつま先よりも出ないように意識している
- つま先が正面を向いている
- 負荷が重すぎる
- シューズの問題
膝が内外側に倒れる
スクワットで膝が痛いと感じる方に最も多い原因の1つが、
膝が内側や外側に倒れてしまうこと
です。
特にスクワットで多いのが、膝が内側に入ってしまう動作。
こういう膝が内側に倒れるような動作をしてしまった場合、大腿四頭筋と言われる太ももの前側の筋肉の1つにある「内側広筋」という筋肉が大きなストレスを受けます。
内側広筋という筋肉は、腱に移行して膝のお皿の内側にくっついているんですね。
もしスクワット時に膝が内側に倒れた状態で動作を繰り返すと、
- 膝が内側に倒れた状態でスクワットを行う
- 内側広筋に過度なストレスがかかる
- 内側広筋が硬くなってくる
- このストレスに耐えられなくなると腱の部分で炎症が起こる
- その結果、膝のお皿の内側付近で痛みが発生する
という流れで痛みが発生します。
また、膝の内側の少し下には鵞足(がそく)という部分があります。
この部分には、
- 縫工筋
- 薄筋
- 半腱様筋
などと言われる、太ももの裏側などの筋肉の腱がついています。
膝が内側に倒れることで、この3つの筋肉がストレスを受けて硬くなり、鵞足で炎症が起こってしまうと膝の内側辺りで痛みが発生します。
このように、
- スクワット動作のまずさで特定の筋肉にストレスがかかる
- ストレスを受け続けると、筋肉が硬くなる
- そのストレスに耐えられなくなると、腱の部分で炎症が起こる
という流れが起こる可能性があり、膝が内側や外側に倒れてしまうと膝周辺に痛みが発生するというわけです。
また、上記でお伝えした内容と逆であれば膝のお皿の外側周辺で痛みが出てきます。
つま先重心でスクワットをしている
人間が自然な状態で立てると、「踝の真下」に体重が乗ることが自然。丁度この位置ですね。
ここに体重が乗った状態で立つ-しゃがむなどのスクワットを行えば、脚や体幹にストレスが分散されます。
そうすると、膝などに痛みは出ないはず。ただ、つま先重心になり、体重が足の前側に乗ってしまうと太ももの前側へのストレスが大きくなります。
これは実践してもらうとすぐにわかると思います。
つま先に重心が偏ってしまうと、
- 大腿直筋
- 中間広筋
などと言われる、先ほどもご紹介した大腿四頭筋が大きなストレスを受けてしまう。
そして、痛みが発生する流れは膝の内側と同じで、
- つま先重心でスクワットを行う
- 大腿直筋などの前ももの筋肉に過度なストレスがかかり硬くなる
- ストレスに耐えられなくなると、大腿直筋の腱で炎症が起こる
- その結果、膝のお皿の上下の位置で痛みが発生する
ということが起こるんですね。何となく、痛みが発生する部位と動作の関係が見えてきましたか?
こういったつま先重心で行うスクワットも、膝が痛くなる根本原因の1つです。
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膝がつま先よりも出ないように意識している
続いては、一般的には「正しいスクワット」と言われる動作が膝の痛みにつながっているケース。これも現場でよく見受けられますね。
スクワットの正しいフォームとして、
膝がつま先よりも出ないようにしゃがむ
ということを聞いたことはありませんか?
このフォームでスクワットをすると、大腿四頭筋(前ももの筋肉)が伸ばされながら力を発揮します。
こういった筋肉が伸ばされながら刺激を受ける動作は、非常に大きなストレスがかかります。
もし膝がつま先よりも出ないように…という意識でスクワットをしてしまうと、上記でお伝えした、
- 大腿直筋
- 中間広筋
などの前ももの筋肉に過度なストレスがかかる。その結果、膝のお皿の上下で痛みが発生する可能性があります。
後程自然なスクワット動作は解説しますが、それと比べると明らかに「膝がつま先よりも出ないように…」という意識でしゃがむと、膝周りへのストレスは増してしまいます。
こういう動作の癖も、スクワットで膝が痛いと感じる原因の1つですね。
つま先が正面を向いている
これも現場では非常によく見られる癖の1つで、「つま先が正面」を向いているということ。
グー1つ分の足幅で立ったとき、人間はつま先が15~16度外側を向くことが自然とされています。
見た目としては不自然に見えるかもしれませんが、実際に2つのつま先の向きを実践してもらうと、以下の違いがわかると思います。
- つま先正面で立つ=足の内側に体重が乗る
- つま先を軽く開く=踝の真下に体重が乗る
もしつま先が正面を向いた状態でスクワットをすれば、自然と足の内側に体重が乗り、膝が内側に倒れてきます。
そうすると、先ほどお伝えしたような流れで膝の内側に痛みが発生してしまう。
スクワットをするとき、つま先が正面を向いていることも膝の痛みにつながる可能性があるんですね。
おそらくスクワットが膝が痛いと悩む方は、上記の何かに問題があるはずですが、細かいところで見れば以下の原因も考えられます。
負荷が重すぎる
ジムでスクワットなどをするとき、周りで高重量を扱っている人がいると、自分もついつい重すぎる負荷を使ってしまうことってありませんか?
自分が適切なフォームでできる重量をオーバーした状態でスクワットをすると、フォームが崩れてしまいます。
フォームが崩れる+高重量が膝の局部かかってしまうと、当然膝を痛めてしまう可能性が出てきます。
シューズの問題
そして、これは必ずチェックしておいてほしいことで、シューズの変形がないかどうか。
変形したシューズを履いていると、
変形した方向に体重が偏ってしまう
ということが起こる可能性があります。
こういう場合は、シューズの変形が原因でフォームが崩れ、その結果膝が痛くなってしまう。こういうことも考えられるんですね。
このように、さまざな原因でスクワットで膝が痛くなるわけですが、発生した膝の痛みはどうすれば改善するのでしょうか?
スクワットで発生する膝の痛みを改善する3つの方法
改善方法の流れは、以下の3つです。
- 脚全体の筋肉を緩める
- 足首を抜く感覚を習得する
- 自然なスクワット動作を行う
それぞれ解説します。
①脚全体の筋肉を緩める
まず最初に行うことは、脚全体の筋肉を緩めて整えること。今の段階では、まだ筋肉が硬いと思うので、柔らかい状態にほぐします。
まずは、以下の8つの方法を実践してみてください。
全ての動作をできるだけリラックスして、気持ち良く行ってください。そうすると、より変化を実感できるはずです。
①膝を内側に軽く倒す
手順
- 仰向けの状態で、脚を肩幅に開く
- 片膝を90度ぐらいに立てる
- 口から息を吐きながら、立てた膝を軽く内側に倒す
- 股関節が緊張しないように、ふわっ、ふわっと軽く動かす
- これを20回行う
②膝を外側に倒す
手順
- 仰向けの状態で、脚を肩幅に開く
- 片膝を90度ぐらいに立てる
- 口から息を吐きながら、立てた膝を外側にストンと倒す
- リラックスして膝を立て直し、再度外側に倒す
- これを20回行う
③膝を立てて内側から伸ばす
手順
- 仰向けの状態で、脚を肩幅に開く
- 片膝を90度ぐらいに立てる
- 立てた膝を軽く内側に倒す
- 口から息を吐きながら、脚を滑らせるように伸ばす
- この動きを20回繰り返す
④膝を立てて外側から伸ばす
手順
- 仰向けの状態で、脚を肩幅に開く
- 片膝を90度ぐらいに立てる
- 口から息を吐きながら、立てた膝を外側にストンと倒す
- 外踝を地面に軽くこするように、脚を伸ばす
- 膝が伸び切ると同時に、太ももを軽く内側に捻る
- そして、元の状態に戻し再度同じ動きを繰り返す
- これを20回繰り返す
⑤内側から膝を立てて外側から伸ばす
手順
- 仰向けの状態で、脚を肩幅に開く
- 膝を内側から90度ぐらいに立てる
- その膝を外側にパタンと倒す
- 外踝を地面に軽くこするように、脚を伸ばす
- 膝が伸び切ると同時に、太ももを軽く内側に捻る
- そして、元の状態に戻し再度同じ動きを繰り返す
- これを20回繰り返す
⑥外側から膝を立てて内側から伸ばす
手順
- 仰向けの状態で、脚を肩幅に開く
- 片側の外踝を地面に軽くこするように膝を曲げる
- 股関節が緊張しない位置まで曲げ、膝を立てる
- 股関節が緊張しない位置まで、内側に倒す
- そのから脚を滑らせるように脚を伸ばし元の状態に戻る
- これを20回繰り返す
⑦下肢連動
手順
- 仰向けで、脚を腰幅に広げる
- 片足の外側を地面に擦るように軽く膝を曲げる
- 曲げた膝を伸ばしていく
- 膝が伸び切ると同時に、軽く太ももを内側へ捻る
- 元の状態に戻し、同じ動きを2分間繰り返す
⑧足首の関節を整える調整方法
手順
- 椅子に座り、脚を組む
- このとき、足首から先が乗せた脚から出ているようにしておく
- 片手は、つま先辺り、もう一方は踝の上辺りを抑えておく
- ゴリゴリ鳴らない程度で軽く足首を回しを行う
- これを1分間行い、逆回しも1分間行う
ある程度変化が実感できた方は、最終的には⑦・⑧のみで十分です。
ただ最初は8つしてもらった方が、より変化を実感できると思うので、ご自身の状態に合わせて変えてみてください。
これらの方法が終わった後に、その場で立ちまる。そうすると、自然に体重が「踝の真下」に乗ることがわかりますか?
ここに体重を乗せてスクワットを行うことが、膝の痛みを改善する上でも重要なので、まずはこの位置を確認しておいてください。
②足首を抜く感覚を習得する
続いては、スムーズな動作を身体にインプットするために、足首を抜くような動作を繰り返します。
まずこちらの動画をご覧ください。
タオルが真下にスムーズにへしゃげていますが、このタオルがへしゃげるとき、一番地面に近い部分から重なり合っていますよね?
もし、一番下の部分が凍っているとスムーズにへしゃげず、前後に倒れるようになるはず。
人も同じで、地面に一番近い足首の関節を緩めることで、その上にある膝や股関節が緩む。その結果、スムーズにしゃがめます。イメージは、こんな感じ。
いきなりこれをするのは痛みがまだ伴うと思うので、まずは足幅をグー1つ分に開いて以下のようなことを繰り返していきます。
手順
- 脚をグー1つ分の足幅に開く
- つま先は軽く開き、体重は踝の真下に乗せる
- 5cm程度膝カックンするようにしゃがむ
- そして立ち上がり、スッと落ちる動作を身体にインプットする
- これを1分間ほど繰り返す
これで足首から抜く感が身体にインプットできれば、スクワット動作に移っていきます。
ちなみに、もし足首が硬すぎてしゃがめない方は「足首が硬い原因とあまり知られていない改善方法」も参考にしてみてください。
③自然なスクワット動作を習得する
ここまでできると、次はスムーズなスクワット動作をするだけです。
全体のイメージとしては、以下のような感じですね。
こういったスムーズにしゃがむためには、
- 足幅
- つま先の向き
- 重心の位置
- しゃがみ方・手順
- しゃがむ深さや姿勢
- 目線や顎の向き
- 膝の向き
これらを微調整する必要があります。
このスクワットについては、以下の記事で詳しく解説しているので、こちらをご覧ください。
そして、ここまでの一連の流れができると膝の痛みは改善しているはずです。
シューズを変更する
もし、シューズに変形がある場合は、シューズを新品に変えればOKですね。
トレーニング用でおすすめのシューズありますか?
と聞かれますが、トレーニング時は基本的にはフラットなシューズであれば何でもOKだと思います。
ここまでお伝えした原因を理解して、
- 脚全体の筋肉を緩める
- 足首を抜く感覚を習得する
- 自然なスクワット動作を行う
こういった改善方法が実施できると痛みは改善できるはずですので、ぜひ参考に実践してみてください。
スクワットで膝が痛いときは筋肉を緩める+フォームを改善すること
今回は、スクワットで膝が痛い原因と改善方法についてお伝えしました。
今回の記事の内容
- スクワットで膝が痛い原因は、主にフォームの問題
- フォームが崩れることで、特定の筋肉がストレスを受け硬くなる
- そのストレスに耐えられなくなると、腱の部分で炎症が起こり痛む
- 改善のためには、まず徹底的に筋肉を緩める
- そして、根本的な原因であるフォームを改善する
この流れができることで、膝の痛みを改善することができますからね。
今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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