野球選手のスイングスピードを上げる5つの方法

野球選手のスイングスピードを上げる5つの方法

スイングスピードを上げようと思うと、筋トレをしたりバットを速く振ろうとする選手もいますが、実はそれらをするだけでは思ったようにスイングスピードは上がりません。

スイングスピードを上げる方法はいくつもありますが、ベースとなるのはスムーズなスイングができていること。

スムーズなスイングができるだけでスイングスピードは上がり、今までと違ったバッティングを実感できると思います。

この記事では、

  • スイングスピードと打球の関係
  • 野球選手のスイングスピードを上げる5つの方法

などをパーソナルトレーナー歴11年の僕が解説します。

ちなみに、今回お伝えする内容は全て現場で実践して成果の得た方法ですので、ぜひ参考に実践してみてください。

 

野球選手のスイングスピードと打球の関係

野球選手であれば、スイングスピードを速くしたいと思う選手も多いと思いますが、スイングスピードを上げることでどのような変化が起こるのかはあまり知られていないかもしれません。

ここの理解を深めることで、スイングスピードを上げる意味合いが増してくると思います。

スイングスピードが速い=打球が飛ぶ

結論から言えば、

スイングスピードが速ければ、その分打球は遠くへ飛ぶ

ようになります。もちろん、バットの芯でボールを捉えるという技術的なことも必要です。

ただシンプルに言えば、スイングスピードが速い方がバットとボールが当たるときの衝撃力が増し、その分打球が飛ぶようになります。

バレンティン選手のバットの重さ

2013年のシーズン、当時ヤクルトスワローズに在籍していたバレンティン選手は、日本記録のシーズン60本塁打の日本記録を樹立しました。

このときバレンティン選手が使っていたバットの重さが話題となりましたが、

重さ約880gのバットを使用していた

そうです。高校生が使っている金属バットの平均が約900gなので、その軽さがわかると思います。

ここでおさえておきたいことは、あれだけのパワーがあるバレンティン選手が880gのバットをスイングするとなれば、スイングスピードはかなり速いはず。

結果打球も良く飛び、60本もの本塁打を打てたことにも納得できますよね。つまり、スイングスピードが速くなれば、その分打球が飛ぶようになるということです。

 

野球選手のスイングスピードを上げる方法①:重力加速度を利用

ここからは、実際に僕が現場で野球選手に指導してスイングスピードが向上した方法などをご紹介します。

今回ご紹介する方法は、大きく分けて以下の5つ。

  1. 重力加速度を利用する
  2. ストレッチで全身の筋肉を緩める
  3. バットトレーニングを行う
  4. 筋力トレーニングで筋力を向上させる
  5. バットを軽くする

それぞれ詳しく解説しますね。

まず最初の方法は、

スイングの軌道を変えて、スイングスピードを上げる

という方法です。

グリップを高く構える

まず、軸足に体重を乗せつつ、バットのグリップをこのように高い位置に持っていきます。

グリップの位置を高く上げる

このとき、ヘッドは身体の後方に落とし、手首はリラックスさせておきます。

グリップを落としてバットの重さを感じる

ここから、グリップを真下に落とすようにリラックスし、体重移動をしながらゴルフスイングを行っていきます。

グリップを真下に落とす

ゴルフスイングを行う

リラックスしていると自然に逆側にバットが上がっていき、最初に構えたようなイメージで逆側の高い位置にグリップを上げていきます。

ゴルフスイング

ここまで来たら、再度同じようなイメージでグリップを落としつつ体重移動を行い、元の状態に戻っていきます。

逆向きのゴルフスイング

逆向きのゴルフスイング

逆向きのゴルフスイング

この一連の流れを何度も繰り返し、バットの重さを感じながらゴルフスイングのような動作を繰り返し行います。

重力加速度を利用してスイングする

一番のポイントは、

高い位置に上げたグリップを落としていくとき、加速する感覚を感じる

ということです。

高い位置にグリップを上げることで重力加速度を活用でき、その結果リラックスした状態でもヘッドが走っていきます。

このようなスムーズな動作を身体にインプットし、この流れで実際のスイング動作に移行していきます。そうすると、重力加速度を利用したスイング動作になります。

その結果スイングスピードが上がるということが起こるんですね。この流れでスイングを行っていく場合、以下の記事を参考にするとよりスイングスピードが上がるはずです。

もし、バッティング動作に悩んでいる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

このように、重力加速度を利用したスイングができると、スイングスピードがすぐに上がるので選手としては即効性を感じられてやりやすいと思います。

 

野球選手のスイングスピードを上げる方法②:ストレッチで全身の筋肉を緩める

続いての方法は、ストレッチなどで筋肉を柔らかい状態にするという方法です。

このストレッチ方法については、まず以下の記事の中で解説している「ダイナミックストレッチ」をすべて行ってみてください。

その後にスイングすれば身体がスムーズに動き、いつもよりスイングスピードが上がっていることが実感できるはずです。

柔軟性を高めるとスピードが上がる

ストレッチをすれば柔軟性を向上できますが、柔軟性を向上させると、バットに勢いをつけやすくなります。

例えば、弓矢をイメージしてもらうとわかりますが、弓に勢いをつけるために弦を引きますよね。このとき、大きく弦が引ける方が勢いがつく。

これと同じで、筋肉が硬く柔軟性が低下している状態だと、弦が伸びないのと同じで勢いをつけづらい。逆に柔軟性が向上すればその分勢いがつけられ、結果スイングスピードが上がります。

だから、ストレッチをして柔軟性を高めることもスイングスピードを上げる方法の1つになるんですね。

パワーが向上してスイングスピードが上がる

また別の見方としては、筋肉が膨らむことでスイングスピードが上がるという考え方もできます。

筋肉は硬くなると萎縮し、細くなることがあります。そんな筋肉をストレッチなどで緩めると、本来の状態に戻ってぶわっと膨らんで弾力が出ます。

ここで起こる変化は、

筋肉が萎縮して細くなった状態から、膨らみが出て太くなる

という変化。結果的に筋肉がストレッチ前よりも太くなり、それによってパワーが向上します。その状態でスイングをすればスピードが上がることも考えられます。

実際に、筋肉が硬く萎縮していた状態から柔らかくほぐした状態でスイングしてもらった選手は、スイングスピードが上がりました。

このように、ストレッチで筋肉本来の弾力を取り戻すこともスイングスピードを上げる方法の1つとなります。

スムーズな動作ができる

また、ストレッチをすると全身の筋肉が柔らかくほぐれます。スイング動作は、

  • 下半身
  • 骨盤
  • 体幹
  • バット

という順に連動して動き、関節をまたぐごとにスイングは加速されていきます。

もし筋肉が硬い状態であればスイング動作そのものが硬くなり、スイングスピードも落ちてしまう。これは、野球経験者であれば経験している方も多いと思います。

筋肉が柔らかくなれば、その分全体のスイング動作も柔らかくスムーズになり、それによってもスイングスピードが上がる可能性があります。

 

野球選手のスイングスピードを上げる方法③:バットトレーニングを行う

次はトレーニングでスイングスピードを上げる方法ですが、ここでいうトレーニングは、ウエイトトレーニングなどではなくバットを使ったトレーニングになります。

3種類のバットを使う

これはロシアのトレーニング学で「スピード-筋力」という能力を養成するときに活用する方法ですが、3種類のバットを使用してスイングスピードを上げていきます。

実際に現場で使用したバットの重さは、

  • 810g
  • 905g
  • 1050g

の3種類です。

真ん中の重さのバットは、普段から使っているバットの重さで、その上下の重さのバットもスイングするというトレーニングです。

厳密に言えば、バットの重さはもっと細かい数値で管理をしており、ここのグラム数の変動によってスイングスピードが上がるかどうかが決まります。

この3種類のバットをスイングすることで、スイングスピードを上げたい真ん中の重さのバットのスイングスピードが上がります。

重いバットの目的

重いバットを使ってスイングをするときは、

スイング動作を確認するようにバットを振る

ということを心がけます。避けてほしいことは、全力でバットを振ろうすることです。

いつもより重いバットを全力で振ろうとすると、本来のスイングフォームを崩してしまうことにつながりますし、微妙な感覚のズレが生まれる可能性もあります。

ですので、重めのバットでスイングを行うときは、スイングの軌道を確認するように全力で振らないように注意します。

軽いバットの目的

逆に、軽いバットを使ってスイングするときは、

できるだけ速くスイングし、いつもより速いスイング動作を体感する

ということがメインの目的となります。

人間の身体は、いつも以上のスピードを経験できると、そのスピードで身体を動かすことができるようになります。

つまり、軽めのバットでいつも以上のスイング動作を経験させることで、スイングスピードが向上する可能性が高まります。

1週間の割合を揃える

この3種類のバットを使ったトレーニングで重要なことは、

1日、もしくは1週間で3種類のバットのスイング数を同じにする

ということが重要になります。

1日単位で見るのであれば、

軽いバット 100回
通常のバット 100回
重いバット 100回

こういったイメージで数を合わせていきます。

1週間単位で見る場合は、

通常のバット
休日
軽い&重いバット
軽い&重いバット
軽い&重いバット
軽い&重いバット
通常のバット

こういったイメージですね。もちろん、もっと入り混じった状態でもOKですが、イメージとしてはこのように1週間でそれぞれのバットを平均的にスイングすることです。

そうすると、通常のバットのスイングスピードが向上します。

バットの重量設定が重要になる

このトレーニング方法は、個人によって軽いバット・重いバットそれぞれの重量設定が非常に難しいのが難点です。

この数値の基準はロシアではあるみたいですが、現状としては日本にありません。

ですので、まずスイングスピードを計測しておきます。そして、重量設定を行って一定期間3種類のバットでスイングを重ねます。

再度スイングスピードを計測して向上しているのかどうかを見て、使用しているバットの重量が適切かどうかを判断していくことが必要です。

ただ、1つの基準としては、

  • 750g
  • 900g
  • 1050g

ぐらいの重量設定でスイングを行えば、それなりの成果は期待できるので、こういった重量でスイングトレーニングを行ってみてください。

 

野球選手のスイングスピードを上げる方法④:筋力トレーニングで筋力を向上する

今、バットを自由に扱えるほどの筋力がない方は、筋力トレーニングによってもスイングスピードを上げることができます。

基本はバットを振ること

一般的には、

筋トレをして筋肉をつけると、スイングスピードが速くなる

と言われることもありますよね。これは一部分では適切ですが、あまり適切でない部分もあります。

例えば、軟式から硬式に変わりバットが重くなるタイミングがありますよね。このとき、硬式のバットを扱えるぐらいの筋力がないとスイングスピードは遅い状態になります。

この段階で筋力トレーニングを行えばバットを適切に扱うことができるようになり、結果的にスイングスピードが上がります。

ただこの感覚がずっと続くのではなく、あくまでも筋力が一定のラインまで向上すれば、後は実際にバットを振らないとスイングスピードが上がらなくなります。

ですので、筋力が低い方は筋力トレーニングをすれば、一時的にはスイングスピードを上げることができます。筋力トレーニングの内容については、こちらの記事でご紹介しています。

 

野球選手のスイングスピードを上げる方法⑤:バットを軽くする

最後の方法は、普段使うバットを軽くするということです。

冒頭でバレンティン選手のバットの重さをお伝えしましたが、現在900gを使用している方は、それよりも軽いバットに変えるとスイングスピードは上がります。

僕が現役のときに思っていたことは、

マスコットバットのような重いバットで打った方が打球は飛ぶのでは?

ということですが、これは間違いでした。

大切なことはスイングスピードが上がることであり、バットの重さは関係がありません。

ですので、今のスイングスピードに納得できない方は、思い切ってバットを軽くしてしまうのも1つの方法だと思います。

このようにスイングスピードを上げるための方法はいろいろとありますが、これらすべて現場で試して、全てスイングスピードが上がりました。

もしバッティングやスイングで悩んでいる方は、上記でお伝えしたことを参考にぜひ実践してみてください。

 

野球選手のスイングスピードを上げる5つの方法のまとめ

今回は、野球選手のスイングスピードを上げることに成功した5つの方法をご紹介しました。

今回の記事のまとめ

  • スイングスピードが速くなれば、打球が遠くへ飛びやすくなる
  • 重力加速度を利用すれば、すぐにスイングスピードが上がる
  • 柔軟性を高めることでもスイングスピードは上がる
  • 3種類のバットを均等に振ってもスイングスピードは上がる
  • 筋力が弱い初期段階では、筋トレを行えばスイングスピードが上がる可能性がある

こういった内容をお伝えしました。

今回の内容が少しでもスイングスピードを上げたい方の参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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パーソナルトレーナー伊藤 出

パーソナルトレーナーの32歳。身体の悩みを改善するための情報を発信しています。板前→沖縄でジムのインストラクター→女性専門のサロン→独立(パーソナルジムIDEALSTYLEオープン)。

 

■指導経歴
STORY・VERY読者モデル、アナウンサー、宝塚歌劇団員の元専属トレーナー。神戸女子大学ラクロス部、三菱重工業神戸在籍野球選手の専属トレーナー。

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