ピッチャーの基本的な投げ方を3ステップで解説

ピッチャーの基本的な投げ方を3ステップで解説

ピッチャーをしていると、どのような投げ方が適切であるのか、自分に合っているのかなどフォームに関して悩みますよね。

現場で選手の話を聞いていると、多くのピッチャーが投げ方に悩んでいますが、体の構造などを知れば自分に合った投げ方を知ることができるはず。

指導者の方も含めて、ピッチャーの投げ方は3つのフェーズに分けて考えると整理しやすくなります。

この記事では、

  • ピッチャーの基本的な投げ方を3ステップで解説
  • ピッチャーの基本的な投球フォームと投げ方の違い

などを解説します。

※僕はパーソナルトレーナー歴11年ですが、今回の内容はトレーナーとして身体の使い方をメインで解説していきます。

 

ピッチャーの基本的な投げ方①:軸足に体重を乗せる

ピッチャーの投球動作の基本は、大きく分けると以下の3つに分類します。

  1. 軸足に体重を乗せる
  2. 前に(体重移動)
  3. 投げる(投球)

それぞれのフェーズにポイントがあり、このポイントをおさえることで体の構造上自然な投球動作を行うことができます。

ちなみに、バッティングと投球時の体の使い方は似ており、打者としての体の使い方を知りたい方は「野球の打ち方やバッティングのコツをトレーナーが4ステップで解説」を参考にしてみてください。

ピッチャーの場合、

  • ワインドアップ
  • セットポジション

どちらで投げるのかということもありますが、基本的には自分が投げやすい方で問題ありません。

投球モーションに入ろうと構えたところから、まずポイントになるのは「軸足で立つ」ということです。

足裏全体で立つ

ワインドアップであれ、セットポジションからの投球であれ、まずは軸足に体重を乗せます。

この軸足で適切に立つことで、位置エネルギーを蓄えます。そして、後程解説する「体重移動」のときに前方へ移動する運動エネルギーに変換する。

軸足に蓄えたエネルギーを利用して加速することで、球速が上がったり、球自体に威力が増します。ですので、この局面は非常に重要なんですね。

軸足に体重を乗せるとき、つま先側に体重が乗ってくる選手がいますが、足裏全体で立つようにします。

足裏全体で着地

細かいポイントで言えば、「脛骨(スネの骨)の真下」に体重支持ポイントを置くことで、バランスよく立ちやすくなります。

体重がかかる自然な位置

また、この後行う体重移動のときにプレートを押しやすくなったり、下半身をうまくつかえるようにもなるんですね。

ですので、軸足に体重を乗せたときは、この位置で立つようにします。どうしてもうまく立てない方は、以下の記事を参考にバランストレーニングを行ってみてください。

この軸足で立つ時に注意したいことは、「小指側に体重が一瞬かかってしまう」ことです。

例え一瞬であっても足の小指側に体重がかかってしまうことで、軸足に蓄えたエネルギーの方向が斜め上方に向いてしまう。

足の外側に加重する

そうすると、やり投げをするようにボールを高めに投げるような状態になってコントロールが乱れます。

コントロールが悪かったり、ボールが高めに浮いてしまう投手の癖の1つに、この足の小指に体重がかかるということがあるので注意が必要です。

軸足で立つ局面は非常に重要なポイントでもあるので、必ず足裏全体で立てるようにしていきます。

軽く膝を曲げる

現場でピッチャーを指導していてたまに見るのが、完全に膝を伸ばし切った状態で立ってしまっていること。

膝を伸ばしたまま軸足で立つ

この状態で立ってしまうと、足首や股関節が力んでしまってバランスよく立てなくなるので、膝は5~10cm程度曲げるようにしてある程度下半身の関節にゆとりを持たせておきます。

軽く膝を曲げた状態で軸足に体重を乗せる

そうすると、体重は足裏全体に乗せやすくなり、次の体重移動へスムーズに移りやすくなります。

まず軸足に体重を乗せると気におさえておきたいことは、

  • 足裏全体に体重を乗せる
  • 軽く膝にゆとりをもたえておく

という2つです。

もう1つ戦略的なことがあり、これも参考にしてほしいことですね。

脚を高く上げる

軸足で立っている時、逆の脚をどのように上げるのかもポイントになります。

プロ野球選手を見ていると、脚を高く上げる投手をよく見かけますが、脚を高く上げると位置エネルギーが大きくなるんですね。

軸足を高く上げる

位置エネルギーが大きくなれば、その分勢いをつけやすくなり球速が上がる。ただその反面、脚を大きく上げることでバランスが崩れやすくなるため、ここは注意が必要です。

もしコントロール重視で投げていきたいピッチャーは、脚を高く上げず違和感のない位置まで上げれば十分ですね。

リラックスして膝を上げる

この膝の上げ方によって球威がすぐに変わるので、これはぜひ一度試してほしい動作の1つです。

軸足で立つという局面では、

  • 足裏全体で立つ
  • 軽く膝を曲げる
  • 脚を高く上げる

こういったところが基本的におさえておきたいところになります。

軸足で立つ局面は、「球威」「コントロール」などに大きく影響する部分ですので、1つ1つを確認しつつ適切な動作を行っていきます。

 

ピッチャーの基本的な投げ方②:体重移動

2つ目の局面は、体重移動。

軸足に体重を乗せて立ち、そこから前方に体重移動を行っていきますが、この局面は非常にシンプルです。

軽く踵でプレートを押す

体重移動をするとき、キャッチャー方向へ勢いをつけるために踝の真下(踵)でプレートを軽く押します。

踵で軽くプレートを押す

そうすると、下半身で蓄えたエネルギーをうまく上半身やボールに伝えることができます。

このとき、先ほどもお伝えした「膝が伸び切っている状態」であれば、プレートを押せずに加速できないので注意が必要ですね。

1点に意識を向けて体重移動を行う

そしてキャッチャー方向へ体重移動するとき、

  • グローブ
  • 骨盤

など、自分が設定しやすい位置で良いので、どこかの位置をキャッチャーへまっすぐ運ぶイメージで体重移動を行います。そうすると身体の開きも抑えられ、スムーズに体重移動ができます。

軽くプレートを押しながら体重移動をしていきますが、基本的にはこの局面ではリラックスしておけばOKですね。

膝の開きが抑えられる

また、こういったイメージで体重移動ができると、軸足の踵の延長線上に踏み出した足のつま先がくるはずです。

自然に踏み出したときの足の使い方

こういうイメージで踏み出せば膝は開きませんが、踏み出した足のつま先が開いてしまうと膝が割れてしまいます。

踏み出し足の向き

踏み出し足をどのように使うかなどは、過度に意識せず自然に踏み出せば、画像の左側のような状態になるのでリラックスして踏み出せば問題ありません。

ただ、もしつま先が開くような癖がある場合、身体が開いたり膝が割れてコントロールの乱れや球速が落ちる可能性があるので、注意が必要ですね。

スムーズにテイクバックをとる

上半身の使い方も、基本的にはリラックスしておけばOKです。

体重移動していきながらテイクバックを迎えますが、ここでポイントになるのは、

過度に腕や手をどのように使おうかと意識しないこと

です。

よく言われることは、

  • 胸を張ってテイクバックをとる
  • セカンドに手を向けるようにする
  • 手の甲をキャッチャー方向に向ける
  • 肘を引いて腕を上げる

などのことですが、こういった部分的なことに意識を向けてしまうと緊張が生まれます。そうするとスムーズな動作ができません。

大切なことは、

軸足に体重を乗せ、体重移動をしていくときにリラックスしておく

ということ。そうすれば自然と腕は上がってきます。

足裏全体で立つ

踵で軽くプレートを押す

肩肘を痛めるピッチャーは、このテイクバックに問題があることが多く、部分的なことに意識を向けすぎな傾向にあります。

もし肩肘の痛みで悩む方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

もしテイクバックに悩みがある方は、軸足に体重を乗せた後、左右にスッと腕をただただ開くイメージに変えればスムーズに腕は上がるようになるはずで。

これも上記の記事の中で詳しく解説しているので、ぜひ実践してほしいですね。

グローブの使い方で腕がリラックスする

もう1つのポイントは、体重移動をしていく方向にグローブを向けてしまうことです。

グローブをキャッチャー方向に向けると、逆の腕が曲がりやすくなるんですね。そうすると、腕はスムーズに動きやすくなります。

それぞれの違いは以下の通りで、まずはグローブを出さない投げ方。

続いては、グローブを前に出した投げ方です。こっちの方が腕の動きがスムーズになっていることがよくわかると思います。

このように、グローブの使い方を変えることで腕の動きがスムーズになるので、もし腕の動きに硬さがある場合はこういったところを変えてみるのもありだと思います。

グローブの使い方については「ピッチャーのパフォーマンスが上がるグローブの使い方を解説」でも解説しているので、参考にしてみてください。

 

ピッチャーの基本的な投げ方③:投げる(投球)

体重移動がスムーズにできると、後はボールをリリースしていくだけになります。

リリースポイントは斜め45度の位置

この局面で意識することは特にありませんが、ポイントとしてはリリースの瞬間に一瞬体幹に力を入れるようにします。

そうすると体幹の力を使ってボールを投げられ、こういう投げ方の方が肩肘への負担を軽減できますし、ボールへより大きなエネルギーを伝えることができます。

また、体幹の力を適切に活用しようと思うと、リリースポイントを0ポジションと言われる、

  • 前方45度
  • 外側45度

この位置でリリースすることがポイントです。

この位置を斜めに切るようなイメージで投球すれば、腕もスムーズにフォロースルーに入っていきます。

もしこのリリースポイントがずれてしまう方は、「ピッチャーのリリースポイントを確認&前にする方法」で改善方法を解説しているので参考にしてみてください。

一本背負いをするようにフォロースルーを行う

そして、ボールをリリースしたこの後は身体に腕を巻きつけるようにフォロースルーに入っていきます。

このとき、身体を縦に折りつつ腕を身体に巻き付けるようにフォロースルーを迎えます。

そうすると、肩肘が極度に伸ばされることもないので、痛めなくなります。

手首の使い方に意識は向けない

たまに、投手は手首の使い方を工夫することでピッチングが変わると言われますが、基本的に手首を使おうという意識は不要です。

その理由は、投球動作で最も大事なことは、

全体の動きがリラックスしてスムーズに動くこと

だからです。

部分である手首の動きを意識的に行ってしまうと、そこでブレーキがかかりスムーズさに欠けます。そうするとマイナスになりかねないので、基本的には手首の使い方は意識しなくてもOKです。

このようにピッチャーの基本的な投げ方は、

  1. 軸足に体重を乗せて立つ
  2. 前に体重移動
  3. 投球

という3つに分類して考えると理解しやすくなるので、それぞれのポイントをおさえて実践することが投げ方の基本となります。

 

ピッチャーの基本的な投球フォームと投げ方の違い

ここからは、

  • オーバースロー
  • スリークォーター
  • サイドスロー
  • アンダースロー

それぞれの投げ方の特徴や投球フォームについて解説します。

オーバースロー

先ほど解説した基本的なピッチャーの投げ方は、オーバースローをイメージして解説しています。

オーバースローの動きの特徴は、

身体を縦に折るような動きになる

ということです。

これはイメージしやすいと思いますし、上記で解説したままですね。投球フォームの違いがあっても、基本的な身体の使い方は同じです。

スリークォーター

スリークォーターは、オーバースローとサイドスローの間ぐらいでリリースを迎えるようなイメージの投げ方です。

大きなポイントの違いは、リリース後の身体を捻る方向です。

先ほどオーバースローの場合は、身体を縦に折るイメージでしたが、スリークォーターの場合は少し斜め方向への回転になってきます。

基本的な身体の使い方は同じですが、この身体の回転方向が少し斜め方向に変わることで、スリークォーターになってきます。

サイドスロー

サイドスローの場合は、身体の回転が真横のイメージに変わってきます。

スリークォーターから、さらに身体の回転が真横に近い状態で投げるとサイドスローになります。

アンダースロー

もう1つはアンダースローですが、アンダースローの場合は身体を倒す角度が大きく違ってきます。

このように、身体を前に倒すような状態からリリースを迎えることになりますが、投球されたボールの軌道が少し浮き上がるような形になるのでバッターにとっては打ちづらさを感じます。

基本的にどのような投げ方であっても、0ポジションでリリースされるということは変わりません。

大きく違うのは、身体の倒し方や回転の仕方に違いが出てくるため、どのような投げ方を選択しようと身体の使い方は上記でお伝えしたことを参考にしていただければと思います。

 

ピッチャーの基本的な投げ方を3ステップのまとめ

今回は、ピッチャーの基本的な投げ方を3ステップで解説しました。

今回の記事のまとめ

  • ピッチャーの投げ方は大きく分けて3つの局面に分類できる
  • 軸足に体重を乗せて立つ
  • 前に体重移動をする
  • ボールを投げる(投球)
  • この3つの局面のポイントをおさえるとスムーズにボールを投げることができる

こういった内容をお伝えしていきました。

ピッチャーは少しの違いでパフォーマンスが大きく変わるため、今回の内容が少しでも野球選手の参考になればうれしく思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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パーソナルトレーナー伊藤 出

パーソナルトレーナーの32歳。身体の悩みを改善するための情報を発信しています。板前→沖縄でジムのインストラクター→女性専門のサロン→独立(パーソナルジムIDEALSTYLEオープン)。

 

■指導経歴
STORY・VERY読者モデル、アナウンサー、宝塚歌劇団員の元専属トレーナー。神戸女子大学ラクロス部、三菱重工業神戸在籍野球選手の専属トレーナー。

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