野球をしていると、多くの選手が肩肘を痛めてしまいますが、どのような投げ方をすれば肩肘を痛めないのでしょうか?
僕はパーソナルトレーナーとして現場でも野球選手に指導していますが、主に痛みの原因は投げ方にあり、痛くない投げ方をすることで痛みを改善・予防することができます。
この記事では、
- 肩肘を痛めてしまう原因
- 肩肘を痛めない投げ方
などについて解説します。
今回の記事の内容
野球選手が肩肘を痛める原因とは?
なぜ肩肘を痛めてしまうのでしょうか?その原因は、以下のことが考えられます。
肩肘を痛める原因
- 筋力不足
- 使いすぎ(オーバーユーズ)
- 柔軟性の低下
- アクシデント
- 投げ方の問題
これらだけだと、なんとなくわかるけど詳しくは見えてこないので、具体的に解説しますね。
筋力不足が原因で肩肘を痛める場合
中学生から高校生に上がると、多くの選手が軟式から硬式に変わると思います。軟式に比べて、硬式の道具類は重くなりますよね。
このとき、硬球を扱えるだけの筋力がない場合、硬球を投げると大きなストレスを受け、持久性も乏しい筋肉は、そのストレスに耐えきれず痛んでしまうことがあります。
この場合に起こる肩肘の痛みは、筋力不足が原因であり、改善のためには筋力の強化、つまりトレーニングが必要になります。
もし筋力が原因で肩肘に痛みが出ている場合は、筋力強化が適切な改善方法となります。
使いすぎが原因で肩肘を痛める場合
これは、よくあるケースですが、いわゆる投げすぎです。投げすぎると肩肘を痛めてしまいます。
筋肉は弾力性があり、本来はある程度の柔らかさがありますが、使いすぎることでストレスを受け、筋肉は緊張し、硬くなっていきます。
筋肉がそのストレスに耐えられなくなると痛みが出始めます。この場合の改善方法は、投球を制限し休ませることです。そうすると状態は回復していきます。
日本選手の特徴として、やればやるほどいいということを思いがちですが、目的があって投げ込むことはいいと思いますが、ただ数をこなすことには意味がありません。
肩肘を痛めないためにも、
自分がどのくらいの投げる持久力があるのか、それを知り、その限界を超えないように把握すること
が重要になります。
これまでの練習を振り返ってみて投球数が多すぎる場合は、肩肘を休ませる期間を設けることで痛みは改善していくはずです。
続いては、柔軟性と肩肘の痛みの関係について。
柔軟性の低下が原因で肩肘を痛める場合
現場で指導していても、特に高校球児に多いのがこの柔軟性の問題です。腕を上げる際、柔軟性が低く腕が上がってこない選手がいます。
腕が上がらないと投球時に、前にパンチをするような軌道になり、肘を伸ばし切ってしまったり、肩の後方を伸ばすような動きになります。
それを繰り返すと、結果的に肩肘を痛めてしまうことがあります。柔軟性が低い選手は、いくら「肘を上げろ」「腕を上げろ」と言われても、上がりません。
このような選手の場合は、柔軟性を向上させるトレーニングをすれば肩肘もスムーズに動き、痛みを改善することができるはずです。
特に投手の場合は、肩周りだけではなく、股関節や体幹などの柔軟性も重要で、やはり身体が硬いとスムーズな動作の妨げとなり、結果的に肩肘への負担が増してしまう可能性があります。
アクシデントが原因で肩肘を痛める場合
雨が降り、ぬかるんだマウンドで投球している際に足を滑らし、変な投げ方をしてしまうと突発的に肩肘を痛めてしまうこともあります。
また打球処理の際にほかの選手とぶつかったり、転んでしまったりで痛めることも原因のひとつとなります。
ここについては他の要素には問題がないのに痛めてしまう原因になるため、日頃から他の選手との連携をとった練習をしたり、雨の想定をして練習をすることで防げる可能性も出てきます。
アクシデントでの痛みは、肩肘だけではなくランニング時などでも起こりうることですので、注意が必要です。
投げ方が原因で肩肘を痛める場合
肩肘を痛める最も多い原因は、投げ方そのものにあるということです。
プロ野球の世界でも手術をしても、また肩肘の痛みが再発してしまったという話を聞きますが、この原因も手術自体に問題がなく、投げ方に問題があるとまた痛みが再発してしまいます。
この場合は、投げ方を改善することで痛みが改善されます。
- ボールを前で離そうとする
- 肘から出して投げようとする
- 胸を張って投げる
- フォロースルーで腕が巻き込めていない など
こういった動作があると、ほぼ肩肘を痛める原因になってしまいます。
では、肩肘を痛めない投げ方というのは、どのような投げ方なのでしょうか?これは、動画でお伝えしますが、このスムーズな動作ができると肩肘の痛みも改善できるので、ぜひ試してみてください。
肩肘を痛めない投げ方について
まずは、肩肘が投げ方によって痛くなる原因を解説しています。
次に、具体的な投球動作の改善方法について解説します。
この動画でお伝えした方法を行うと、腕の動きがスムーズになり、どこにも引っ掛かりのない動作ができると思います。
○○をどう動かし、○○をこうする。
というように一度に多くのアドバイスをすることがありますが、多くのアドバイスを言われると選手は理解できず、うまく動けなくなります。
あまりいろんな細かい点に意識を向けずに、動画のようにリラックスして動きを行ってみてください。スムーズに動くのが理解していただけると思います。
こういう動作ができると、肩肘への負担が軽減され、よりスムーズに身体が動くため疲れにくいですし、パフォーマンスもよくなるはずです。
野球選手に大事なことは、リラックスしてスムーズに身体を動かすこと。そういった動きの参考になればうれしいですね!
まとめ:肩肘が痛くならない投げ方はスムーズに動くこと
今回の記事のまとめ
- 肩肘を痛める原因は1つではない
- 硬球を扱えない程の筋力の場合肩肘を痛める原因となる
- オーバーユーズは自分がどこまで投げられるのかを把握できれば回避できる
- 柔軟性の低下は、投球時肘の位置が下がってしまうため改善する必要がある
- アクシデントは防ぎきることは難しいもしれないが、準備次第で防ぐことはできる
- 投げ方の問題は肩肘を痛める最大の原因である
- リラックスしたスムーズな投球動作ができれば痛みは出ない
こういった内容をお伝えしていきました。
さまざまな原因で痛めてしまう可能性がありますが、これらを改善すれば痛みも改善できますし、予防にも役立ちます。何よりも大事なことは、なぜ原因をはっきりさせることです。
何をするにしても目的意識を明確にもって、日頃から練習に取り組むことも重要に思いますね。
この記事の内容が少しでも参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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