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サッカーをしている小学生とのセッションのとき、お母さんから「X脚の改善をしたい」という相談を受けました。
以前、パーソナルを別の場所で受けれていたそうで、走っている姿を見ると脚が後方にきたときにクロスし、非常に違和感を感じる走り方をしていました。
話を聞くと、このような指導を受けていたそうです。
- 親指で地面を蹴る
- 接地時間を短くするために、つま先で走る
腕の使い方についても気になる点がありましたが、X脚に悩み始めたのはちょうどこのパーソナルを受けられてからだそうで、話をさらにお聞きしていくとX脚の原因が見えてきました。
ポイントは、X脚になるような動作をしていたということです。今日はこのX脚の原因と改善についてお伝えしていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
今回の記事の内容
この小学生のX脚の原因とは?
この選手のX脚の原因は、足の親指で地面を蹴ろうとしていたことが主な原因でした。
僕との最初のセッションのときに、何も言わずただ歩いたり、ランニングをしてもらいましたが、このとき感じたことは、
- 内股で歩く
- 後方に上がってくる踵の位置がお尻の真中の位置よりも内側に入る
- 着地をした際にブレーキがかかり、一瞬止まるように見える
- 腕の振りがまっすぐで、肩がすくむ
このようなことを感じました。これらは以前受けていたところで指示されたことをしている結果でしたが、選手自身はアドバイス通り身体を動かせていたように感じました。
なぜ足の親指で地面を蹴ることでX脚になってしまうのでしょうか。
身体の使い方でX脚になる
この選手の場合、そもそも内股ということも問題ですが、親指で地面を蹴ろうとすることで、踵がお尻の割れ目よりも内側に入ってきてしまい、脚がクロスするように走っていました。
本来、身体に歪みもなく自然な状態で走ることができると、踵はそれぞれのお尻の真中を蹴るように上がってきます。
親指で地面を蹴ることもそうですし、着地の先につま先で着地していましたが、この着地も親指側で着地していましたので、脚の内側が緊張し、鵞足周辺も少し腫れているように見えました。
本来は内外側の筋バランスは整っていますが、それが身体の使い方などによってどちらかに偏ってしまい筋バランスを崩してしまうと、その方向に引っ張られ、膝などは捻じれてしまいます。
今回は、内側の筋肉がストレスを受け、緊張することでX脚になっていたため、まずはこれまでインプットしていた情報を整理し、セッション前の段階で、「これまでやってきたことは一旦置いといて、新しいことをしていくね。」と伝えてから指導に入りました。
X脚の改善について
小学6年生ですが、非常にのみこみも早く、こちらが言うことを理解してくれていましたので、テンポよく進めることができました。具体的にしたことは以下のようなことです。
テーピングでヒールロックをする
まず行ったことは、足首にテーピングを巻き、体重支持ポイントが踵になるようにしていきました。
調整ができる環境ではなかったので、テーピングを巻き、その場で立ってもらい、いつもと足の裏の感覚の違いを感じてもらうところからスタート。
踵がスッと持ち上げられているような感覚があり、踵で立つということはわかってもらうことができたので、そこから歩いたり、ランニングをしていきました。すると、それだけである程度脚はまっすぐ動き、踵はお尻の真中辺りに上がってくるようになり、気になっていた脚がクロスするような動きも改善が見られました。
膝を高く上げる動きから前に出す動きへ
次に行ったのは、その場で脚踏みを行い脚の使い方を見ていましたが、太ももを高く上げようをする動作が気になりました。
以前の指導で「速く走るためには、膝を高く上げること」と教わっていたそうで、身体が軽くのけぞるように膝を高く上げようとしていました。
このような動作から膝を前に出すように指示し、その際に壁に手を置き、左右の膝の真正面に目印を置き、その目印を膝で当てるようなイメージで繰り返し、膝の使い方について理解してもらいました。
脚の歪みもあり、どうしても最初は膝をまっすぐ出しているつもりでも、膝が内側に入ってしまい、選手の感覚とは一致していませんでした。ただ、この動作を繰り返し行い、膝がまっすぐ上がるようになっていきました。
その場駆け足から重心移動へ
そこから行ったのは、足で地面を押したりせず、重心を倒すと勝手に進んでいくような感覚をインプットすることを行っていきました。
年齢的な部分で、どこまで理解してもらえるのか、言葉や伝え方を工夫して行っていきましたが、重心を移動させることで勝手に進むということを掴めていました。
イメージは、頭のてっぺんに棒が突き刺さっていて、その棒を1cm、2cm・・・5cm、前に傾けるイメージを持ってもらうと、足で地面を押すような動作もなく、リラックスして進むことができました。
重心を移動させるように走り方を改善すると、選手も「身体が軽いし、前に進むって意味がわかる」と言い、感覚の違いを理解できたそうです。
途中でお尻を蹴るような動作を加えたり、地面を踏み込むような意識を加えたりし、気になる点を修正するとどんどん気持ちよく走れるようになったそうで、最後に立ってもらった時は脚もある程度まっすぐになり、X脚を改善することができました。
今回のケースは、走り方の影響を受けてX脚になってしまったということですが、言い方を変えるとX脚になるように走っていたということです。
ここまでお伝えしたのは、スポーツ選手のケースですが、一般の方はなぜX脚になるのでしょうか?ここからは、一般の方が悩むX脚についてお伝えしていきたいと思います。
一般の方がX脚になってしまう原因
一般の方の場合、日常で行う動作がX脚の原因になってしまうことがほとんどです。
例えば、ヒールを履いて歩いた時に、膝が内側に入ってしまうように歩いたり、階段の上り下りをするときに膝が内側に入ってしまうような動作を繰り返していると、股関節や膝関節などが捻じれ、結果X脚になってしまいます。
こういう身体の使い方をすると、簡単に言えば内側の筋肉が緊張し、脚の内外側の筋バランスは崩れていきます。
少し考えてみたいのが、このように筋肉が緊張し、筋バランスが崩れてしまった脚を鍛えるとX脚を改善できるでしょうか?筋肉が緊張し筋バランスが崩れ、脚が捻じれるのであれば、鍛えることでさらに筋肉は緊張し、捻じれてしまうのではないでしょうか。
鍛えることではなく、筋肉を緩めることで筋バランスを整え、X脚を改善できると考えることができるのではないでしょうか。
このように考えると、筋肉を緩めるとき、どこの筋肉を緩めればいいのでしょうか?それが分かればX脚の改善のヒントになるはずです。
筋バランスが崩れたときに緩める箇所について
一般的には、筋肉は伸ばされると“緩む”と言われますが、筋肉は伸ばされることで張力がかかり、これだけでもストレスを受け緊張します。
そのため、筋肉は縮まっても、伸びても緊張しているということになります。そうであれば、X脚の場合、どちらを緩めればいいのか、またどの部位を緩めればいいのかなど、特定の部分に目を向けると非常に難しくなります。
基本的には全体が緩めば部分も緩みますので、まずは自然な状態になるように脚全体を緩めること、もっと言えば、歪みというのは部分で見られた場合、全体が歪んでいます。
だとすれば、結局は全身を緩め、自然体に直すことでX脚は改善できるということになります。
X脚で悩まれている方は、まずご自身がどのように脚が歪み、全体の崩れがあるのかを把握します。そして、それがなぜ行ったのか、日常の生活を振り返ると原因が見えてきます。
改善には、自然体に直し、その原因となる日頃の姿勢や動作を改善することでX脚が改善できます。ただ歪みを改善するだけではなかなかうまくいかないのは、根本的な原因が改善できていないからということになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、走り方の影響でX脚になり、その改善についてお伝えしていきました。
やはり、結果に嘘はなく、現状の身体になる原因が何かあるはずです。これをみつけることが何よりも大事で、僕自身の課題でもありますが、いかに多くの情報をクライアントさんから引き出し、そこから原因をみつけられるか。
これができると後は、そこでみつけた原因に対して方法を選択すればいいので、最も重要なことは“なぜ”という原因です。X脚で悩む方のほとんどは日常の中に原因は潜んでいると思います。
最後に今日のまとめをお伝えしていきたいと思います。
- X脚の原因だったのは走るときの身体の使い方
- 地面を蹴らず、ヒールロックをすることで脚はまっすぐ動くようになった
- 走るとき、膝は上げるのではなく前に出す
- 一般の方のX脚の原因は、日常の中に潜んでいることがほとんど
このような内容でお送りしました。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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